隠されていた中小企業増税案
税制改正大綱が発表されたようですが詳細はまだ見ていません。しかし何より、今日の朝に驚くような情報が入っていました。もっとも昨日の夕方に発信された東京地方税理士会(いつも「本会」と呼んでいます)からの会員向けメールです。
内容は同族会社に対する増税案です。大綱に入っていることでしょう。
以下、本日夕方に支部を通して本会から送られてきたFAXの内容を書きます。
法人の適正な経費のあり方(案)
実質的な一人会社(オーナー及びその同族関係者等が株式等の90%以上を保有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占めている同族会社)のオーナーへの役員給与について、「経費の二重控除」に相当する部分(給与所得控除相当部分)の法人段階での損金算入を制限する。
(注)ただし、
1.所得(課税所得+オーナー報酬)が年800万円以下である場合
2.所得(課税所得+オーナー報酬)が年800万円超9,000万円以下であり、かつ、当該所得に占めるオーナー給与の割合が50%以下である場合
については、適用を除外する。
でた!平成15年末の土地・建物等の分離課税にかかる譲渡損失の損益通算と繰越控除の廃止と同じく突然の増税案!
秘密裏に進めていたこともさることながら、給与所得控除という所得税の問題の一部を法人税で処理しようとするひどい税理論ではないでしょうか?政府税調が「個人所得の論点整理」を出した後に総選挙となり、サラリーマン増税(つまり給与所得課税の増税のことですよね?)はしないと公約したのは今の与党です。
留保金課税の軽減の代わりにこの案を出したようですが、租税回避の問題も今後かなり出てくることが予想できます。保有条件をすり抜ける対策が横行し、取引相場のない株式等の相続税評価通達のような訳の分からない通達がどんどん出てきそうです。
政府税調のいう「公平・中立・簡素」な税制は何処に行くのでしょうか?
この改正案は税理論からも中小企業税制からも大きな問題点があります。この問題については、できればまた触れたいと思います。
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(ふくい かずのり ぜいりしじむしょ)
所長 税理士 福井一准(現在 東京地方税理士会保土ヶ谷支部 副支部長)
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コメント
いつも税金情報を参考にさせていただいています。
このブログをご覧のみなさんに少しご質問をさせていただきます。
御社は最大の節税を実現できているでしょうか?
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一度、当方がご案内します
「絶対節税の裏技77」
をご一読いただけたらと思います。
今までとは全く違います。
★詳細は以下のアドレスをご覧下さいませ
http://snipurl.com/kt7w
是非、ご検討下さい。お役に立てると思います
投稿: 絶対節税の裏技77 | 2005年12月15日 (木) 23時23分
言い方は変わりますが
税のあり方は「広く、薄くかつシンプルに」でなければならない、というのが大田弘子氏の「良い増税悪い増税」という本で謳われていました。http://blog.livedoor.jp/mayumayusuzy/archives/15741413.html
石税調会長もそれと似たようなことを著書の中で書いていたように思うのですが・・。
いくら税制を研究してあるべき姿もそれに到達するまでの具体的な方法論を掲げても、現実には無視されてオワリ。
政治も行政も結局は為政者側の恣意で動かされてしまう。
打つ手は全くないものなんでしょうか・・。
投稿: mayumayusuzy | 2005年12月16日 (金) 21時07分
mayumayusuzy 様
コメントありがとうございます。
私はこの改正案は悪法だと考えています。支部や地方会などの個々の税理士の間では怒り心頭の方も多いのですが、税理士会連合会の動きは鈍いですし、マスコミの反応も無し(もっとも記者クラブの発表をそのまま報道するくらいなら、無いほうがまし?)。改正法案が作成され国会を通過しそうです。
それでも反対します、ブログでも何でも!
ちなみに石会長の著書で私が読んだのは(偉そうに行ってますがセミナー講師を頼まれたために読みました)「税の負担はどうなるか」と「税制スケッチ帳」です。
投稿: 管理者 いちじゅん | 2005年12月16日 (金) 23時07分