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2006年2月 5日 (日)

税の負担をどうする気(その2)

中小企業の制度改革を考えたとき税制以外に影響が大きいものが、今年5月に施行されるといわれる「新会社法」です。現在施行されている商法と有限会社法では最低資本金制度が規定されていて、株式会社1千万円・有限会社3百万円以上の資本金が必要とされています。但し、特例法「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」があり最低資本金に満たなくても設立可能とされていますが、5年以内に最低資本金を満たさないと解散となります。

新会社法では有限会社という制度が廃止されますが、最低資本金についての規制が撤廃され5年以内云々ということもなく、また取締役の数なども緩和されていて取締役1人での株式会社設立も可能となります。

つまり現在個人形態で事業を行う者の法人化(法人成り)だけでなく、新規事業を法人で行うことが容易となるのです。

この点において税務の問題を取り上げてみます。本来個人事業と同等の法人が経営者に役員報酬を支払うことにより、役員報酬という所得税の給与所得について給与所得控除を受けることができてしまうことが二重控除として租税回避ではないか?

これが今回の「同族会社の給与所得控除の損金不算入」の一つの問題でしょう。

なお、二重控除という意味が個人的な支出を法人の損金に含めているという意味なのであれば(そう感じるような表現であるが)個人的意見としてこのような法律の一部を改正する以前の問題のはずです。

給与所得控除の問題について説例で考えてみます。

法人の益金(法人税でいう所得のプラス金額) 5千万円

法人の役員報酬以外の損金(法人税でいう所得のマイナス金額) 4千万円

法人の1人しかいない役員報酬(損金です) 1千万円

所得は5千万円-(4千万円+1千万円)=0円 法人税も0円。

一方、役員報酬をもらう役員の給与所得(こちらは所得税)は

給与 1千万円

給与所得控除(所得税での給与所得の概算経費)を計算すると 220万円

所得税の対象となる所得 780万円

結果として税金の課税対象は780万円となります。

もしこのケースで法人化していない個人の事業所得として所得税が課税されるなら

個人の収入金額 5千万円

必要経費 4千万円

所得税の対象となる所得 5千万円-4千万円=1千万円(結果として税金の課税対象も1千万円)となり、他に所得がないとすれば給与所得控除分の220万円が多く課税されることになります。

これだけを見ると節税またはあえて言えば租税回避行為です。また新会社法のおかげでやりやすくなるのは事実です。

最も所得の金額によっては法人税と所得税の適用税率や法人税以外に地方税・・・特に住民税の均等割の問題などもあるので全ての人が得をするということは絶対にありません。長くなるのでこの辺りは省略しますが。

何が問題なのでしょうか?

法人に対する課税問題では絶対にないはずです。あくまで所得税法の給与所得控除の取り扱いを用いた節税行為だからです。

規制するのであれば所得税法を考え直すべきです。もちろん給与所得のみではなく事業所得などの他の所得についても取り上げる必要があります。

ところが前回述べたように所得税に関する問題は「サラリーマン増税」は行わないという自民党の公約の基に手をつけないようです・・・もう少し勘ぐると「消費税の税率増」もあるでしょう。

さらに問題なのは給与所得控除相当額の損金不算入は一定の同族会社のみに適用されます。この問題についても多くの疑問を感じています。現行の制度は現実問題として中小企業の資金留保に関してどれだけ厳しいものなのか・・・机上の空論で事を済ませて欲しくないのです。

以下は来週へ


 

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