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2013年10月 8日 (火)

裁判例による名義預金の判断基準

平成25年6年3日に税務大学校和光校舎で開催された講演内容を取りまとめた次の文書が国税庁サイトに掲載されています。

相続税・贈与税における課税財産の認定と重加算税

その中の「相続税における課税財産の認定」の項で比較的最近の名義預金に関する判決(東京地判平20.10.17、控訴審東京高判平21.4.16) が取り上げられています。

名義預金の判断はやはり事実認定の問題となります。

しかしこの判決はその判断するときに参考になる内容が多々あることから、上記文書からこの判決における判事事項を抜き出して要約してみました。

1.判断基準

名義が誰に帰属するのかその判断基準を5つ挙げて、これらより総合的に考慮するものとしています。

被相続人以外の者の名義である財産が相続開始時において被相続人に帰属するもので

あったか否かは、次のことを総合考慮して判断するのが相当である。

・その財産又はその購入原資の出捐者

・その財産の管理及び運用の状況

・その財産から生ずる利益の帰属者

・被相続人とその財産の名義人並びにその財産の管理及び運用をする者との関係

・その財産の名義人がその名義を有することになった経緯等

2.妻名義の預金について

我が国では、夫の財産をその扶養する妻名義で保有することは珍しくないとしています。

我が国においては、夫の財産をその扶養する妻名義で保有することも珍しくないということは公知の事実である。

妻名義であるということだけで妻のものであると断ずることはできず諸般の事情を総合的に考慮して、帰属を決する必要がある。

そして妻が妻名義預金を管理運用していたことのみをもって妻の財産であることの決定的な要素とすることはできない。

3.贈与税の申告について

預金以外の財産の名義変更をしたときに贈与税の申告をしていたことが、預金については生前贈与がなかった(つまり被相続人の固有財産である)ことの判断材料の一つとしています。

実際に生前贈与をした土地建物の持分については贈与契約書を作成し、妻が所轄税務署長に対して同贈与によって納付すべき贈与税はない旨の申告書を提出していた。

ところが、本件妻名義預金等についてはそのような手続を何ら採っていないことも考慮すると、被相続人がその原資に係る財産を妻に対して生前贈与したものと認めることはできないというべきである。

4.複数の判断基準について

総合的に考慮する必要があることから、基準の中で全て同じ判断の方向に向いている必要はないとしています。

妻が本件妻名義預金等を解約して他の用途に使用するなどしたという事情はうかがわれない。

しかし、本件妻名義預金に係る各口座の一部において発生する利息が妻名義の普通預金口座(妻の国民年金入金口座であり、完全に妻に帰属するもの)に入金されており、本件妻名義預金等から生ずる収益の一部は妻が取得していたということができる。

これらを考慮しても本件妻名義預金等自体については、なお被相続人に帰属する財産であったと認めるのが相当である。

 

 

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名義預金等についての記事

 

(このエントリーも含みます)

 

 

 

相続税について被相続人の家族名義の預貯金等に対する裁決

 

 

 

裁判例による名義預金の判断基準

 

 

 

無職無収入である配偶者が多額の預金を有する場合 

 

 

 

名義預金についての最新裁決事例

 

 

 

株式の帰属に関する判決

 

 

 

贈与と贈与税(その10 名義預金)

 

 

 

贈与と贈与税(その11 名義預金と疑われないためには)

 

 

 

 

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