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2014年7月25日 (金)

書面によらない死因贈与があったときの税務事例(その1 民事裁判における和解まで)

相続税の申告期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内とされており、このときまでに相続税の申告書を納税地の所轄税務署長に提出すれば期限内申告となります(相続税法第27条第1項)。

 

この相続の開始があったことを知った日とは通常は被相続人の死亡の日となりますが、特殊なケースではその日がいつなのかによって期限内申告か期限後申告かが変わり、加算税等の有無にも影響が出ます。

 

書面によらない死因贈与があった場合で和解により財産を取得した者の「相続の開始があったことを知った日」についての裁決事例が公表されています。

 

平成25年6月4日裁決

 

国税不服審判所の判断は和解の日を相続の開始があったことを知った日としました。

 

今回はこの国税不服審判所による裁決の前段階、民事裁判における和解に至るまでの概要をまとめました。このブログは基本的に税務に関する内容を書いていますが、曖昧な死因贈与がある時の税務対応を経験したこともあり、なかなか参考になる内容なので上記裁決事例より要約しました。

 

1.民事裁判における和解まで

(1)被相続人は平成21年1月某日に(推定)死亡したところ、請求人(被相続人の従妹)は平成21年2月19日に警察から連絡を受けてこれを知った。なお、被相続人の法定相続人は兄の代襲相続人1人のみで、この相続人は平成22年4月14日に請求人からの訴状の送達により、被相続人の死亡を知った。

 

(2)訴訟は、死因贈与によりそれぞれ被相続人が所有していた各不動産について所有権移転登記手続を、預金について各金融機関に対して支払を求めたものである。

 

(3)請求人が死因贈与契約を締結したことの証拠として裁判所に提出した書証は次のとおり。

A 平成20年4月23日頃に被相続人が記載したとする「Eえ ゼンザイサンをEへヤル」との記載のあるノート

B 請求人が作成し平成20年4月24日に被相続人に郵送したとする「…昨日お兄さんが『お前は夫が亡くなって大変だろうから俺がもしもの時は全財産やるよ。お前にやらなかったら国に持っていかれてしまうよ』とおっしゃった時は突然のことでびっくり呆然としてしまいました。…心底ありがたいことだと思っております。…財産を頂くから言う訳ではありませんが…お兄さんにもしもの時はeに納骨し、その後供養いたしますのでご安心ください。」と記載された手紙

C 被相続人が作成し平成20年12月8日に請求人に荷物とともにゆうパックで配送されたとする「Eえ お前に全ざいさんをやる。しんぱいするな。」と記載された手紙

D 請求人が作成し平成20年12月9日に被相続人に郵送したとする「…ゆうパック9:10ごろ受け取りました。…全財産をくださるとのこと 何とお礼を申し上げていいのやら、ただただありがたいことだと思っております。真にありがとうございます。」と記載された手紙

 

(4)相続人は、次のとおり主張した。

A 上記の死因贈与契約が不成立である旨

B 仮に死因贈与契約が成立していたとしても、書面によらない死因贈与であり、贈与者である被相続人の包括承継人である相続人がこの死因贈与契約を撤回する旨

 

(5)請求人、相続人は、平成23年12月某日、次のとおりの和解をして訴訟は終了した。なお、和解は訴訟代理人たる弁護士が関与して成立したものであった。

A 被相続人と請求人との間の平成20年4月23日の死因贈与契約について、K銀行g支店の定期預金のうち8,500万円の範囲において有効に成立し、これを請求人が取得すること。

B 上記A記載の財産を除く不動産、預金その他一切の財産を相続人が相続すること。

 

その2 相続の開始があったことを知った日とは に続く)

 

 

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