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2014年8月29日 (金)

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い(その5 建物更生共済の満期保険金)

(平成27年12月26日追記)

下記の質疑応答事例に関する回答について、異なる見解(保険料相当額の控除可能である)とした回答事例もあるようです。以下の記事は見解の1つとしてお読みください。



一時所得となる満期保険金等で本人以外の者が負担した保険料について一時所得の金額の計算上控除できないとした 

平成24年1月13日の最高裁判所判決 もあり、 施行令と通達が改正 されました。

しかし実務上、保険料等の総額は 多くの場合控除される ことになると解されています。

また、個人が受け取る満期保険金等の一時金は相続税法第5条のみなし贈与として 贈与税課税される場合 が多いと思いわれます。

 

では、上記最高裁における事例以外で具体的にみなし贈与とはされず、一時所得とされた上で本人以外の者が負担した保険料が控除されない場合とは?

 

ある税務Q&Aで見た下記の事例ですが、これが該当してくるのだと思います。

 

 
 

(事例)

 

下記の保険契約における長男が受け取った満期保険金の課税関係について

 

 

 

保険の種類 JA建物更生共済 (以下、「建更」とする)

 

(父所有の自宅とその家財が保険の対象)

 

保険契約者 父

 

保険料負担者 父

 

満期保険金受取人 長男

 

 

保険料負担者が父で保険金受取人が長男であることから養老保険等の生命保険契約満期金であれば相続税法第5条第2項のみなし贈与として贈与税の課税対象となります。

しかし、損害保険金等の満期金についてみなし贈与となるのは、相続税法第5条第1項では死亡に伴うもの、第2項では傷害を保険事故とするものに限定しており、建物・家財を保険事故とする建更はこれに該当しません。従って、みなし贈与に該当せず、所得税法第34条での一時所得の課税となります。

 

次に父が支払った保険料が一時所得の金額の計算上その収入を得るために支出した金額として控除できるかどうかです。

上記最高裁判決では「支出した金額」とは、一時所得に係る収入を得た個人が自ら負担して支出したものといえる金額としました。

法令解釈通達である所得税法基本通達34-4ではこれを「自ら支出した保険料又は掛金」だけでなく「その支払を受ける者以外の者が支出した保険料又は掛金であってもその支払を受ける者が自ら負担して支出したものと認められるもの」も含まれるとして拡大しています。

これは、契約者や受取人以外の者が保険料等を負担した場合には、その段階での給与課税や相続の際の相続税の課税などがなされていると考えられるためです(平成26年版所得税基本通達逐条解説 大蔵財務協会刊 より要約)。

 

今回の事例における父が負担した建更の保険料については、負担の段階から満期金の受取に至るまで長男に対する課税関係が発生しておらず、長男が自ら負担して支出したものとは認められないと考えられます。

 

このQ&Aでも、父が負担した保険料については長男の一時所得の金額の計算上控除されないと解されるとしています。

 

 

 

―――☆☆―――☆☆―――

 

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い シリーズ 目次 

 

(このエントリーも含みます)

 

 

 

その1 最高裁判決

 

 

 

その2 施行令と通達の改正

 

 

 

その3 多くの場合は控除される

 

 

 

その4 みなし贈与課税について

 

 

 

その5 建物更生共済の満期保険金

 

 

 

―――☆☆―――☆☆―――

 

 

 

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2014年8月27日 (水)

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い(その4 みなし贈与課税について)

一時所得となる満期保険金等で本人以外の者が負担した保険料について一時所得の金額の計算上控除できないとした 平成24年1月13日の最高裁判所判決 もあり、 施行令と通達が改正 されました。

しかし実務上、保険料等の総額は 多くの場合控除される ことになると解されています。

 

今回は少し話を変えます。

個人が受け取る満期保険金等の一時金の課税としては、所得税課税のほかに贈与税課税があります。

これは、本人以外の者が負担した保険料に係る受取保険金等の課税で、下記に掲げるみなし贈与に対する課税です。なお、保険料負担者が法人の場合には贈与税課税がなく(相続税法第21条の3第1項第1号)、原則として一時所得として(所得税基本通達34-1)所得税が課税されます。

 

1.生命保険契約又は損害保険契約でいずれも死亡を伴う保険事故により保険金受取人が取得した保険金のうち、その受取人以外の者が負担した保険料に係る部分は、その保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。

ただし、相続税法第3条第1項第1号又は第2号の規定によりみなし相続または遺贈として相続税課税される場合は、適用しない(相続税法第5条第1項)。

2.生命保険契約又は損害保険契約(傷害を保険事故とするものに限る)について返還金等の取得があった場合も上記1を準用する(相続税法第5条第2項)。

 

ここで注意しておきたいのが、損害保険契約について

1では(生命保険契約と同様に)死亡に伴うもの

2では傷害を保険事故とするもの

に限っている点です。

 

なお、上記1の死亡保険金の課税関係(2もこれに準じます)については、次のサイトで表組みにしてまとめていますので参考にして下さい。

→ 生命保険金等(死亡保険金)の取扱い

 

 

―――☆☆―――☆☆―――

 

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い シリーズ 目次 

 

(このエントリーも含みます)

 

 

 

その1 最高裁判決

 

 

 

その2 施行令と通達の改正

 

 

 

その3 多くの場合は控除される

 

 

 

その4 みなし贈与課税について

 

 

 

その5 建物更生共済の満期保険金

 

 

 

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2014年8月25日 (月)

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い(その3 多くの場合は控除される)

一時所得となる満期保険金等で本人以外の者が負担した保険料について一時所得の金額の計算上控除できないとした 平成24年1月13日の最高裁判所判決 もあり、 施行令と通達が改正 されました。

では、本人以外の者が負担した保険料は全て一時所得の金額の計算上控除できないのかといえば、そうではないと解されます。

 

法令解釈通達である所得税法基本通達34-4は次のとおりです(注意書き部分省略)。

 

 
 

令第183条第2項第2号又は第184条第2項第2号に規定する保険料又は掛金の総額(令第183条第4項又は第184条第3項の規定の適用後のもの。)には、以下の保険料又は掛金の額が含まれる。

 

1) その一時金又は満期返戻金等の支払を受ける者が自ら支出した保険料又は掛金

 

2) 当該支払を受ける者以外の者が支出した保険料又は掛金であって、当該支払を受ける者が自ら負担して支出したものと認められるもの  

 

 

これについて、平成26年版 所得税基本通達逐条解説(大蔵財務協会 刊)で次のように解説しています。

 

 
 

生命保険契約等の一時金についての一時所得の金額の計算に当たっては、その一時金の支払を受けた者が負担しなかった保険料等がある場合でも、原則として、その契約に係る保険料等の総額を控除することとなる。これは、契約者や受取人以外の者が保険料等を負担した場合には、その段階での給与課税や相続の際の相続税の課税などがなされていると考えられるからである。

 

 

つまり、生命保険契約の一時金等についての一時所得の金額の計算に当たっては、その支払を受けた者が負担しなかった保険料等であっても、所得税法施行令第183条第4項第3号に規定する法人が給与課税の対象外とした上で法人税法上損金経理した部分相当額など給与課税や相続税・贈与税課税の対象とならなかった部分を除き、自ら負担して支出したと認められるものとして控除することになると解されます。

 

また参考までに国税不服審判所の裁決として、退職所得として課税済の(法人が支払った保険料の総額を超えていた)解約返戻金相当額を一時所得の金額の計算上控除するとした 平13.12.12裁決、裁決事例集No62 161頁  もあります。

 

―――☆☆―――☆☆―――

 

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い シリーズ 目次 

 

(このエントリーも含みます)

 

 

 

その1 最高裁判決

 

 

 

その2 施行令と通達の改正

 

 

 

その3 多くの場合は控除される

 

 

 

その4 みなし贈与課税について

 

 

 

その5 建物更生共済の満期保険金

 

 

 

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2014年8月21日 (木)

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い(その2 施行令と通達の改正)

一時所得となる満期保険金等で本人以外の者が負担した保険料について一時所得の金額の計算上控除できないとした 平成24年1月13日の最高裁判所判決 は、第1審の判決を取り消したものでした。

 

この裁判では補足意見も付され、その中で今回のような類型の養老保険の保険金支払に係る課税について若干の混乱が生じたことは、所得税法施行令第183条第2項第2号や所得税基本通達34-4の規定振りがいささか分かりにくい面がある点が指摘されました。

 

そうしたなかで一足先に、平成23年6月に所得税法施行令第183条等が改正され、事業を営む個人又は法人がその役員や使用人のために支出した生命保険契約等や損害保険契約等に係る保険料等で必要経費又は損金の額に算入されるもののうち、使用人等への給与所得課税されないものは一時所得の金額の計算上控除できないとされました(所得税法施行令第183条第4項第3号、所得税法施行令第184条第3項第1号)。

 

これに伴い法人等契約について平成23年6月30日以後に役員等が受け取った生命保険契約に係る満期返戻金等については、その保険料等の総額のうち法人等が給与課税の対象外とした上で損金経理又は必要経費算入した部分相当額は、所得税法第34条第2項に規定するその収入を得るために支出した金額には該当せず、一時所得の金額の計算上控除することができないことになりました。

 

さらに、平成24年2月10日付の通達改正で所得税基本通達34-4も改正されました(参照→ 平成24年2月10日付所得税基本通達新旧対照表)。

 

改正後のこの通達では、一時所得の金額の計算上控除される所得税法施行令第183条第2項第2号(生命保険金等)又は第184条第2項第2号(損害保険金等)に規定する保険料等の総額には、

(1)その満期返戻金等の支払を受ける者が自ら支出した保険料等

(2)その支払を受ける者以外の者が支出した保険料等でもその支払を受ける者が自ら負担して支出したものと認められるもの

が含まれるとされました。

 

なお、参考までに裁判官須藤正彦氏の補足意見の中の改正前の旧通達に関する見解を抜粋しておきます。

 

 
 

同通達は,その本文において,「支出した金額」に算入されるべき保険料又は掛金(以下,「保険料等」という。)の総額には,その一時金の支払を受ける者以外の者が負担した保険料等も含まれるとし,その注において,使用者が役員又は使用人のために負担した保険料等で一定金額以下の給与等として課税(以下「給与課税」という。)されなかったものの額もその総額に含まれるとするが,その定めは,役員又は使用人に保険料等の経済的利益が与えられる場合,原則的に給与課税されるもの,及びその額が一定金額以下のものであるために福利厚生等の目的とみられてあえて給与課税されないというものについて,「支出した金額」に算入するという考えに立つものといえる。そうである以上,その通達全体の意味内容は,当該収入(保険金等)を得た役員又は使用人の一時所得の算定に当たって,自ら保険料等を負担したといえるものを控除の対象とするという趣旨に解し得るところである。もとより,法規より下位規範たる政令が法規の解釈を決定付けるものではないし,いわんや一般に通達は法規の解釈を法的に拘束するものではないが,同通達は上記のような趣旨に理解されるものであって,要するに,同施行令同号も,同通達も,いずれも所得税法34条2項と整合的に解されるべきであるし,またそのように解し得るものである。

 

―――☆☆―――☆☆―――

 

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い シリーズ 目次 

 

(このエントリーも含みます)

 

 

 

その1 最高裁判決

 

 

 

その2 施行令と通達の改正

 

 

 

その3 多くの場合は控除される

 

 

 

その4 みなし贈与課税について

 

 

 

その5 建物更生共済の満期保険金

 

 

 

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2014年8月19日 (火)

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い(その1 最高裁判決)

一時所得となる満期保険金等で本人以外の者が負担した保険料については、一時所得の金額の計算上控除できないとした平成24年1月13日の最高裁判所判決があります。

 

この事案は次のとおりです。

Aらが経営する株式会社Bが契約者となり保険料を支払った養老保険契約(注)に基づいて満期保険金の支払を受けたAらが、その満期保険金の金額を一時所得に係る総収入金額に算入した上で,株式会社Bの支払った上記保険料の全額を「その収入を得るために支出した金額」として一時所得の金額の計算上控除して所得税の確定申告をしたところ、上記保険料のうちその2分の1に相当する(損金経理をした)部分は「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとした所轄税務署長の更正処分等に対して取消しを求めたものです。

 

(注)死亡保険金は株式会社B、満期保険金はAらが受取人とするもので、Bは支払保険料のうち2分の1を損金の額に算入し、残り2分の1をAらへの貸付金として処理していた。

 

法令では、一時所得の金額の計算上その収入を得るために支出した金額は控除する(所得税法第34条第2項)とされ、その控除する「支出した金額」として生命保険契約等に基づく一時金に係る保険料等の総額(小規模企業共済解約手当金に係る掛金など特定のものを除く)があります(所得税法施行令183条第2項第2号 なお、改正後については「その2」を参照)。

 

最高裁判所は次の理由により、この保険料等の総額のうち「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには,それがその収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないして、この更正処分を妥当としました。

 

 
 

・一時所得についてその所得金額の計算方法を定めた所得税法第34条第2項は、一時所得に係る収入を得た個人の担税力に応じた課税を図る趣旨のものであること

 

・「その収入を得るために支出した金額」を一時所得の金額の計算上控除するのは,一時所得に係る収入のうちこのような支出額に相当する部分がその個人の担税力を増加させるものではないことを考慮したものであること

 

・この「支出した金額」とは、一時所得に係る収入を得た個人が自ら負担して支出したものといえる金額をいうと解するものであること

 

・「その収入を得るために支出した金額」という文言も,収入を得る主体と支出をする主体が同一であることを前提としたものであること

 

 

 

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一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い シリーズ 目次 

 

(このエントリーも含みます)

 

 

 

その1 最高裁判決

 

 

 

その2 施行令と通達の改正

 

 

 

その3 多くの場合は控除される

 

 

 

その4 みなし贈与課税について

 

 

 

その5 建物更生共済の満期保険金

 

 

 

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2014年8月 5日 (火)

養子となった者の養子縁組前の子と代襲相続

被相続人の養子で以前死亡した者に実子がいる場合でも、その実子が養子縁組前に出生していたときには代襲相続人にはならず、相続税法第15条第2項の相続人の数(以下、「法定相続人の数」とします)にも含まれないとする判決が出ています(東京地方裁判所平成24年(行ウ)第403号 平成25年5月30日民事第2部判決)。

 

これまで実務でも上記の通り取り扱っており、このブログでも同様のことを 養子の子供と直系尊属 にて書きました。

 

この判決では特殊な点として今回の相続人は全て被相続人の配偶者の連れ子養子であったことがありました。

 

まず、その当事者等は次のとおりです。

 

・被相続人M 平成21年1月1日死亡(今回の相続開始)

・Mは配偶者亡Q(昭和57年4月17日死亡)の各連れ子A、B、C、亡Nと平成15年10月8日に養子縁組しており、実子はなし

・亡Nは平成20年9月15日に死亡

・亡Nには実子T(昭和55年出生)とU(昭和57年出生)がいる

 

今回取り上げる争点は、TとUが亡Nの代襲相続人として法定相続人の数に含まれるか否かですが、民法上の解釈について東京地裁は過去の判例を引用して次のように述べました(そのまま引用します)。

 

 

民法727条は,養子と養親及び「その血族」すなわち養親の血族との間においては,養子縁組の日から,血族間におけるのと同一の親族関係を生ずると規定しているにとどまり,養子の血族と養親との間において親族関係を生ずる旨を規定しているものではないし,また,同条は,養子と養親との間における親族関係は「養子縁組の日から」生ずると規定しているにとどまり,養子と養親との間における親族関係が養子縁組の日よりも前に遡って生ずる旨を規定しているものでもないのであって,このような同条の規定に照らすと,養子の養子縁組前の子は,養親と養子との間の養子縁組により,養親との間において親族関係を生ずるものではなく,養親の直系卑属となるものではないというべきである(大審院昭和6年(オ)第2939号同7年5月11日第四民事部判決・民集11巻1062頁参照。なお,これに対して,養子の養子縁組後の子は養親の直系卑属となるものであると解される。)。  

 

さらに「被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった者は実子とみなす」とする相続税法第15条第3項第1号の規定より、実子とみなされた者の子なので代襲相続人となるであり法定相続人の数に含めるべきだとする原告側の主張についても、次のとおり否定しました(要約です)。

 

 

同号は,相続税及び贈与税について、税額の計算の方法等や納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定める相続税法の中に置かれているものであり,民事実体法上の身分関係について定める民法等の中に置かれているものではないのだから,同号は,相続税法上の「法定相続人の数」を決定するについて、連れ子養子となった者を実子とみなす旨を規定しているにとどまり,民事実体法上の身分関係において連れ子養子となった者を実子とみなす旨を規定しているものではないというべきであって,同号の規定により養子となった者の養子縁組前の子が養親の直系卑属となるものと解することはできない。  

 

結果、法定相続人の数には、TとUは含まれず、A、B、Cの3人(注)であるとしました。

 

(注)養子であっても連れ子養子は全員が法定相続人の数に含まれます(前掲の相続税法第15条第3項第1号より)。

 

参考 → 連れ子養子と法定相続人の数

 

 

 

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