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2014年8月21日 (木)

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い(その2 施行令と通達の改正)

一時所得となる満期保険金等で本人以外の者が負担した保険料について一時所得の金額の計算上控除できないとした 平成24年1月13日の最高裁判所判決 は、第1審の判決を取り消したものでした。

 

この裁判では補足意見も付され、その中で今回のような類型の養老保険の保険金支払に係る課税について若干の混乱が生じたことは、所得税法施行令第183条第2項第2号や所得税基本通達34-4の規定振りがいささか分かりにくい面がある点が指摘されました。

 

そうしたなかで一足先に、平成23年6月に所得税法施行令第183条等が改正され、事業を営む個人又は法人がその役員や使用人のために支出した生命保険契約等や損害保険契約等に係る保険料等で必要経費又は損金の額に算入されるもののうち、使用人等への給与所得課税されないものは一時所得の金額の計算上控除できないとされました(所得税法施行令第183条第4項第3号、所得税法施行令第184条第3項第1号)。

 

これに伴い法人等契約について平成23年6月30日以後に役員等が受け取った生命保険契約に係る満期返戻金等については、その保険料等の総額のうち法人等が給与課税の対象外とした上で損金経理又は必要経費算入した部分相当額は、所得税法第34条第2項に規定するその収入を得るために支出した金額には該当せず、一時所得の金額の計算上控除することができないことになりました。

 

さらに、平成24年2月10日付の通達改正で所得税基本通達34-4も改正されました(参照→ 平成24年2月10日付所得税基本通達新旧対照表)。

 

改正後のこの通達では、一時所得の金額の計算上控除される所得税法施行令第183条第2項第2号(生命保険金等)又は第184条第2項第2号(損害保険金等)に規定する保険料等の総額には、

(1)その満期返戻金等の支払を受ける者が自ら支出した保険料等

(2)その支払を受ける者以外の者が支出した保険料等でもその支払を受ける者が自ら負担して支出したものと認められるもの

が含まれるとされました。

 

なお、参考までに裁判官須藤正彦氏の補足意見の中の改正前の旧通達に関する見解を抜粋しておきます。

 

 
 

同通達は,その本文において,「支出した金額」に算入されるべき保険料又は掛金(以下,「保険料等」という。)の総額には,その一時金の支払を受ける者以外の者が負担した保険料等も含まれるとし,その注において,使用者が役員又は使用人のために負担した保険料等で一定金額以下の給与等として課税(以下「給与課税」という。)されなかったものの額もその総額に含まれるとするが,その定めは,役員又は使用人に保険料等の経済的利益が与えられる場合,原則的に給与課税されるもの,及びその額が一定金額以下のものであるために福利厚生等の目的とみられてあえて給与課税されないというものについて,「支出した金額」に算入するという考えに立つものといえる。そうである以上,その通達全体の意味内容は,当該収入(保険金等)を得た役員又は使用人の一時所得の算定に当たって,自ら保険料等を負担したといえるものを控除の対象とするという趣旨に解し得るところである。もとより,法規より下位規範たる政令が法規の解釈を決定付けるものではないし,いわんや一般に通達は法規の解釈を法的に拘束するものではないが,同通達は上記のような趣旨に理解されるものであって,要するに,同施行令同号も,同通達も,いずれも所得税法34条2項と整合的に解されるべきであるし,またそのように解し得るものである。

 

―――☆☆―――☆☆―――

 

一時所得となる満期保険金等における本人以外の者が負担した保険料の取扱い シリーズ 目次 

 

(このエントリーも含みます)

 

 

 

その1 最高裁判決

 

 

 

その2 施行令と通達の改正

 

 

 

その3 多くの場合は控除される

 

 

 

その4 みなし贈与課税について

 

 

 

その5 建物更生共済の満期保険金

 

 

 

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