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2014年11月12日 (水)

小規模宅地等の特例について老人ホーム等への入居後の利用状況

老人ホームへ入居したことなど措置法施行令第40条の2第2項による事由により被相続人の居住の用に供されなくなった場合でも小規模宅地等の特例(措置法第69条の4)の対象となる被相続人の居住用宅地等については、被相続人の居住の用に供されなくなった後、事業の用又は「新たに」被相続人等以外の者の居住の用に供された宅地等は除かれることとされています(措置法通達69の4-7(2))。

 

「新たに」の一語を入れたこの通達は措置法施行令第40条の2第3項を受けて出されたものですが、政令・通達ともにやや曖昧であったことから、この施行令では次の様に括弧書きが追加されたという経緯があります。

 

 
 

被相続人等(被相続人と前項各号の入居又は入所の直前において生計を一にし、かつ、同条第1項の建物に引き続き居住している当該被相続人の親族を含む。)

 

 

つまり、この施行令でいうところの被相続人等とは次の者であると解され、これらの者の居住の用に供している場合には特例の対象地になります。

1.被相続人(措置法第69条の4第1項)

2.被相続人と生計を一にする親族(同上)

3.被相続人と老人ホーム等の入居の直前において生計を一にし、かつ、被相続人が居住していた建物に引き続き居住している被相続人の親族(上記の措置法施行令第40条の2第3項括弧書き)

 

現実問題として被相続人は老人ホーム等に入居しているので、利用状況が上記2または3の場合には特例の対象地になると解されます。

 

このケースにおける被相続人が居住していた建物に被相続人の親族が居住している場合、特定居住用宅地等の判断には迷う部分がありそうですが、私見を交えるなら次のような取扱いになると解されます。なお、税務研究会の税務通信第3316号「税務の動向」で下記Bなどに触れていますので、購読されている方は参照して下さい。

 

 

 
 

その建物に居住している被相続人の親族(貸借関係があるときは使用貸借に限り、賃貸借の場合には貸付事業用宅地等の検討となります)が

 

 

 

A 被相続人と老人ホーム等の入居の直前において生計を一にし、かつ、その後も生計を一にしていたとき

 

上記2・3を満たして特例の対象地となる。

 

 

 

B 被相続人と老人ホーム等の入居の直前において生計を一にしていたが、その後は生計を別にしていたとき

 

上記3を満たして特例の対象地となる。

 

 

 

C 被相続人と老人ホーム等の入居の直前において生計を別にしていて(別居等)、その後も(その建物に入居したが)同じく生計を別にしていたとき

 

上記の要件を満たさず特例の対象地とならない。

 

 

 

D 被相続人と老人ホーム等の入居の直前において生計を別にしていた(別居等)が、その後(その建物に入居して)生計を一にしていたとき(※)

 

この場合は上記2の要件を満たす被相続人の居住用宅地等、被相続人と生計を一にする親族の居住用宅地等として特例の対象地となる。

 

 

 

(※)別居であっても生計を一にすることとなるには単に被相続人の預金や日常生活の管理をしているだけでは足りず、少なくとも居住費、食費、光熱費その他日常の生活に係る費用の全部又は主要な部分を共通にしていた関係にあったことを要するとした裁決例(下記記事参照)もあるので、注意が必要です。

 

 

 

相続税に関する裁決より生計を一にするとは

 

 

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小規模宅地等の特例と老人ホーム等への入居についての記事

 

(このエントリーを含みます)

 

 

 

小規模宅地等の特例につ老人ホーム等への入居後の利用状況

 

 

 

老人ホームの入所と小規模宅地等の特例についての質疑応答事例が公表

 

 

 

小規模宅地等の新たな取扱い(老人ホーム等)

 

 

 

被相続人が老人ホーム等に入居していた場合の改正通達(小規模宅地等の特例)

 

 

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