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2015年1月27日 (火)

土地の譲渡に際して支払ったコンサルタント料等(譲渡所得)

共同住宅(賃貸物件)の敷地の用に供していた土地を譲渡した際に、親族が主宰する不動産仲介業等を営む法人に対して支払ったコンサルタント料について、譲渡所得における取得費・譲渡費用に該当しないとした国税不服審判所の裁決が公表されています。

 

平成26年6月4日裁決

 

審判所は譲渡所得における土地等の取得費と譲渡費用について、次のように解するものと述べています。

 

 
 

1.取得費

 

別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額である(所得税法第38条)が、「その資産の取得に要した金額」には、その資産の客観的価格を構成すべき取得代金の額のほか、登録免許税、仲介手数料等その資産を取得するための付随費用の額も含まれる。

 

 

 

2.譲渡費用

 

一般的、抽象的にその資産を譲渡するためにその費用が必要であるかどうかによって判断するのではなく、現実に行われた資産の譲渡を前提として、客観的に見てその譲渡を実現するためにその費用が必要であったかどうかによって判断すべきものであると解する。

詳細→ 最高裁判決より譲渡費用について

 

 

その上で、事例におけるコンサルタント料は次の諸行為に対する対価であるがその取扱いは以下のとおりであるとして、それぞれ取得費又は譲渡費用には該当しないと判断しました。

 

1.土地の取得に反対していた所有者らの親族の説得

当初土地取得を断った所有者である親族への土地の取得を説得した。

 

これは土地の取得を決意するに当たっての事前の働きかけにすぎず、土地の取得自体に必要なものであったということはできないから、その対価又は謝礼は、登録免許税、仲介手数料のようにその土地を取得するために支払われたものとはいえず、土地を取得するための付随費用とはいえない。

 

2.土地を譲渡するために取り壊した建物の長期にわたる以下の改良行為

・各建物のトタンの壁が錆びた際のペンキ塗り作業

・各建物に取り付けられていた排水のためのU字溝が土で詰まった際のスコップを利用した詰まり解消

・各建物の扉の鍵交換

・各建物に取り付けられた引き戸が歪んで開きづらくなった際の木づちで引き戸をたたくことによる歪み補正

 

これらの行為は、いずれも各建物を通常使用した場合に必要となる一般の修繕又は維持管理であり、各建物の価値を高めるものとは認められず、各建物の改良行為には該当しない。つまり、これらは各建物の使用収益によって生ずる所得に対応する費用であり、不動産所得に係る必要経費である。

 

3.トラブルが予想される賃借人への対応等

(1)賃借人の一人が本件各建物において亡くなった旨の警察への連絡、風評によって土地の価値が低下するのを防ぐためにこのことを他人に話さない旨の助言。

 

これらは土地の譲渡のために行われたものではなく、各建物を賃貸したことによって通常必要となる管理に関してなされたものにすぎない。つまり、上記2と同様に不動産所得に係る必要経費である。

 

(2)立退きを求める1年から1年半程前には立退きの話をしておく必要があること、賃借人の立退きに関するセミナーの受講、事前に立退きの話をした上で内容証明郵便を送付して立退きを求めるとよいといった助言。

 

これらは賃借人らとの立退交渉でもなければ、内容証明郵便の文章の作成でもないことから、いずれも各賃借人らの立退きを実行するために必要なものであったとはいえず、客観的にみて土地の譲渡を実現するために必要な費用であったとは認められない。

 

(3)借家人である叔母宅を何度も訪ね、世間話等をしていたほか、将来譲渡しようと考えているのでその際には立ち退いてもらう必要がある旨話し、金員を提供していた。

 

叔母が退去したのは土地を譲渡する6年以上も前のことであるとともに、叔母が退去した後、その居住していた建物の部屋の一つを新たに貸し付けていたことからすれば、叔母の建物からの退去は土地の譲渡のためのものであったとは認められない。

 

4.請求人らの土地の譲渡先選定に関する助言等

土地の譲渡の交渉先を複数紹介するなどの助言をし、土地の譲渡の交渉に当たって用意すべき書類を教えたり、譲渡先の候補として複数の不動産業者を挙げたりしていた。

 

この事例では、結局、上記の不動産業者ではない別業者に土地を譲渡したことから、その土地の実際の譲渡との間には関連性が認められず、客観的にみて土地の譲渡を実現するために必要な費用であったとは認められない。

 

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福井一准税理士事務所

 

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