不動産所得の総収入金額の計上時期(その4 返還を要しなくなった敷金等)
不動産等の貸付けをしたことに伴い敷金、保証金等を受け取った場合、通常は賃貸人の債務担保のための預り金であるため、不動産所得の総収入金額には算入されません。
しかし、敷金、保証金等の名目により受け取った額のうち、返還不要な部分については不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入することになります。
そしてその算入時期は、それぞれ次によることとされています(所得税基本通達36-7)。
1.貸付期間の経過に関係なく返還を要しないこととなっている部分の金額
貸付契約に伴い、貸付資産の引渡しを要するもの |
(原則)貸付資産の引渡しのあった日 |
貸付契約の効力発生の日とすることもできる |
|
貸付契約に伴い、貸付資産の引渡しを要しないもの |
貸付契約の効力発生の日 |
この詳細は 返還不要な入居保証金等はいつの収益? を参照して下さい。
2.貸付期間の経過に応じて返還を要しないこととなる部分の金額
算入時期 |
貸付契約に定められたところにより、返還を要しないこととなった日 |
具体例 |
(契約) 3年以内に解約した場合は70%返還 以後解約の場合には50%返還 ↓ (算入時期と計上する金額) 引渡時 30%(計算=1-70%)を算入 3年経過した日 20%(計算=70%-50%)を算入 |
3.貸付期間が終了しなければ返還を要しないことが確定しない部分の金額
算入時期 |
貸付けが終了した日 |
具体例 |
(契約) 3年以内に解約した場合は70%返還 以後解約の場合には全額返還 ↓ (算入時期と計上する金額) 3年以内に解約した場合 解約時に30%(計算=1-70%)を算入 3年経過後に解約した場合 なし |
なお、これらの収入金額のうち、実質的に権利金や更新料に相当するものであって、所得税法施行令第8条第2号の要件に該当するものは、臨時所得として平均課税の対象となります(平成26年版 所得税基本通達逐条解説 大蔵財務協会 より)。
この臨時所得については 更新料を受け取ったときは臨時所得の検討が必要 を参照して下さい。
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不動産所得の総収入金額の計上時期 シリーズ 目次
(このエントリーも含みます)
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(ふくい かずのり ぜいりしじむしょ)
所長 税理士 福井一准(現在 東京地方税理士会保土ヶ谷支部 副支部長)
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コメント
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投稿: Mack | 2015年3月 5日 (木) 08時02分
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投稿: Adolph | 2015年3月 7日 (土) 16時14分