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2015年9月14日 (月)

みなし遺贈財産である生命保険金で被相続人の債務を弁済した場合

先日受講した相続税関連の研修で、気を付けなければならない事例があったので紹介します(事例の内容は少し変えました)。

 

 
 

(事例)

 

被相続人は、契約者と被保険者が本人、受取人を孫とした死亡保険契約に加入し、銀行借入金により全保険料を一時に支払った。

 

被相続人が死亡したことにより、この契約による死亡保険金を受け取った孫(相続人ではない)は、この保険金により銀行借入金全額を返済した。

 

なお、被相続人に遺言はなかった。

 

 

なぜこの様なことをしたのかはさておき、この事例での孫の相続税の取扱いは次のとおりです。

 

1.受取保険金は、みなし遺贈財産として孫の相続税の課税価格に算入される(相続税法第3条第1項第1号)。

 

2.孫は相続人ではないため、相続税法第12条第1項第5号の非課税(総額500万円×法定相続人の数)の適用を受けることはできない。

 

3.孫(無制限納税義務者であった)は「相続人及び包括受遺者」以外の者であったため、孫が返済した銀行借入金について債務控除の適用はない(相続税法第13条第1項)。

 

4.孫は「1親等の血族及び配偶者」以外の者であったため、2割加算の適用を受ける(相続税法第18条)。

 

ここまでは基本的な部分で良いのですが、続きがあります。贈与税の問題です。

 

・相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(民法第896条)とされていることから、事例の銀行借入金(被相続人の義務)は本来相続人が承継するものである。

 

・事例では孫が承継する義務のない銀行借入金を返済したことから、相続人はこの債務を肩代わりしてもらったことになる。

 

・この場合は孫が引き受けた(肩代わりした)債務分を利益として、孫から相続人へ贈与があったとみなして贈与税課税がされる(相続税法第8条)。

 

つまり、みなし贈与が発生すると解されます。なお、相続税法第8条の要約は次のとおりです。

 

 
 

対価を支払わないで債務の引受けによる利益を受けた場合においては、その債務の引受けがあった時において、その債務の引受けよる利益を受けた者が、その債務の引受けに係る債務の金額に相当する金額をその債務の引受けをした者から贈与により取得したものとみなす。

 


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福井一准税理士事務所

 

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