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2016年5月21日 (土)

借地権の対象となる建物が滅失した土地の相続税評価額

先日受講した資産税の研修からのネタです。もしこのような事例に当たったら間違えないようにしなければいけません。

 

40年ほど前に母が代表を務める同族会社にその母の土地を有償で貸し付け、その同族会社が建物を建てて第三者に貸し付けていたところ、その同族会社は諸般の事情でこの建物を取り壊した後、アスファルト敷きの資材置き場として利用していました。なお、取り壊された建物は未登記だったこともあり、堅固な建物かどうかは不明です。

同族会社は建物取り壊し後も地代を母に払い続けていました。

母がこの土地を子に贈与した場合のこの土地の相続税評価額は、建物が存在しないにもかかわらず借地権ありとして底地で評価するとした裁決が公表されています(実際の事例はかなり複雑なため、上記の事例は簡易にしています)。

 

(平成26年5月9日裁決)

 

上記事例に適用されるべき(旧)借地法では、第2条で借地権の存続期間は堅固な建物では60年、その他の建物では30年とされています(ただし、建物がこの期間中に朽廃したときには借地権は消滅します)。

第5条でその契約を更新する場合の存続期間は堅固な建物30年、その他の建物20年とされています。

第6条でその土地の使用を継続する場合に土地所有者が遅滞なく異議を述べないときは前契約と同一の条件で更に借地権を設定したものとみなすとしています。

 

これを基に審判所は次のように解釈しました(要約)。

 

 
 

・借地法第2条は、借地権存続期間満了前に借地権が消滅するのは、建物が朽廃したときだけである。

 

・朽廃というのは、建物が自然に腐蝕して、建物としての使用に耐えなくなった状態になることで、朽廃したかどうかは、建物の全体を観察して決めなければならず、建物を構成する各部分の材料が腐っても、建物として使用できる状態であれば、まだ朽廃したとはいえないとされている。

 

・朽廃と滅失とは区分され、建物が滅失しても借地権は消滅せず、この場合の滅失というのは、人工的滅失(建物取壊し)、自然的滅失を問わず、滅失して建物としての存在がなくなることをさしている。

 

・建物が滅失した後、借地権者が行う新建物の再築は借地権が存続している間になされればよく、滅失から再築までの時間的間隔に制限はない。

 

 

このことからこの事例における土地(地代の支払いを続けていた)については、従前の建物が堅固なものであったときは最初の契約期間内、その他の建物であったときも更新された期間内にある借地権の存する土地として底地評価するものとしました。


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福井一准税理士事務所

 

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