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2016年11月29日 (火)

被相続人の居住用財産の譲渡について3,000万円控除の特例の適用を受けずに申告した場合

新たにできた措置法第35条第3項の空き家の譲渡所得の3,000万円控除(以下、通達等に習い適用対象となる譲渡を「被相続人の居住用財産の譲渡」とします)の関連通達が新設され、さらにその趣旨説明(逐条解説)も公開されています。

なお新設されたのは、35-7~35-27です。

 

「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達) 

 

『租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて』等の一部改正について(法令解釈通達)」の趣旨説明(情報) 

 

(上記にはそれぞれ35条関係以外の改正通達等を含みます)

 

措置法第35条第3項において被相続人の居住用財産の譲渡所得の3,000万円控除は、要件を満たす場合には同条第1項(居住用財産の譲渡所得の3,000万円控除)に規定する居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして適用されることとされています。

したがって、同条第1項(居住用財産の譲渡所得の3,000万円控除)と同様に確定申告書に、この規定の適用を受けようとする旨等の記載と計算明細書等の書類の添付がある場合に限り適用されるものと解されます(同条第11項)。

 

また、この特例は被相続人の居住用財産について、1人の相続人ごと1回しか適用を受けることができません(措置法通達35-17(1))。

そのため数回に分けて適用対象となる被相続人の居住用財産を譲渡する場合に、後からの譲渡について3,000万円控除の適用を受けることにして最初の譲渡についてその適用を受けずに申告する場合が考えられます。

このような場合には、後に更正の請求や修正申告をするときにおいても、その対象譲渡については3,000万円控除の適用を受けることはできないことになります。

措置法通達35-18では、この点について留意的に示しています。


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2016年11月21日 (月)

贈与を受けた直後に譲渡した居住用財産について3,000万円控除の適用が受けられないとした事例

譲渡した建物に10年以上生活の拠点を置いていた子供で、さらに母からその建物と敷地を贈与により取得してから売買契約締結の日まで5か月間居住の用に供していた居住用財産について、措置法第35条の3,000万円控除の適用が受けられないとした裁決事例が国税不服審判所のサイトに掲載されています。

 

平22.6.24、裁決事例集No.79

 

審判所は次のように判断しました(要約)。

 

 
 

贈与の時点では、譲渡物件、譲渡価額及び手付金の額も決定しており、売買契約の締結に向けた細部の取決めをするだけの状況になったものと認められることから、この居住用土地建物は譲渡されることが予定されていたものといえる。

 

本人は、そのことを承知した上でこの土地建物の贈与を受けたものと認められるから、本人が母から居住用土地建物の贈与を受けて所有者となった日以降において、本人は、この居住用建物を、所有者として居住する意思を持って居住の用に供していたものとは認められない。

 

このことから、この建物は、措置法第35条第1項に規定する個人がその居住の用に供している家屋に該当しない。

 

 

なお、審判所は措置法第35条第1項の法令解釈について、次のように述べています。参考になると思いますので、条文番号を省いてそのまま引用します。

 

 
 

居住用財産を譲渡した場合には、譲渡者は再び居住用代替資産を取得する蓋然性が高いこと、通常の家屋であれば特別控除の額の範囲内で取得できるであろうとの配慮から、居住用財産の譲渡者が所得税の負担なくして普通程度の居住用代替資産を取得することを可能にする趣旨に出たものであり、この趣旨からすれば、譲渡者が当該家屋をその所有者として居住の用に供していたことを特別控除を認めるための要件とするものと解される。

 

また、特別控除について連年の適用を認めず、3年間に一度の適用を認めたにとどまることにかんがみると、同項の適用を受けるためには、自らが所有する家屋について、真に所有者として居住する意思を持って、客観的にもある程度の期間継続して生活の拠点としていたことを要すると解すべきであり、その判定に当たっては、住居移転の経緯、居住の期間及び居住の態様等について総合考慮してこれを決すべきである。

 

 

この事例は税理士も入り、母から相続時精算課税制度の適用を受けて土地建物の贈与を受け、その後譲渡して3,000万円控除の適用を受けるというタックスプランニングを経た上で行ったものです。

事実認定の問題でもあるのですが、なかなか難しくて怖い事例だと思いました。


 

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2016年11月16日 (水)

会社の清算における期限切れ欠損金の実務

先日受講した研修より、私自身の備忘も兼ねて。

 

平成22年度税制改正(法人税)により、会社の清算所得課税は廃止され、各事業年度の所得課税に改められました。これに伴い一定要件の下、いわゆる「期限切れ欠損金」の控除が認められることになりました。

 

この期限切れ欠損金とは、次のとおりです。

 

 
 

内国法人が解散した場合において、残余財産がないと見込まれるときは、その清算中に終了する事業年度(適用年度)前の各事業年度において生じた欠損金額のうち、つぎの(1)から(2)を控除した金額(期限切れ欠損金)は、その適用年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する(法人税法第59条第3項)。

 

(1)適用年度終了の時における前事業年度以前の事業年度から繰り越された欠損金額(具体的には、別表五(一)の期首現在利益積立金額の差引合計額)。

 

(2)青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越しにより適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される欠損金額(具体的には、別表七()の青色欠損金の当期控除額の計) (法人税法施行令第118条)。

 

 

ここで適用を受けるための一定要件とは「残余財産がないと見込まれるとき」となりますが、解散した法人がその事業年度終了の時において債務超過の状態にあるときは、残余財産がないと見込まれるときに該当するとしています(法人税基本通達12--8)。そして、この残余財産がないと見込まれることを説明する書類として通常は、事業年度終了の時の実態貸借対照表(資産の価額は、原則としてその事業年度終了の時における処分価格によったもの)を添付することになります(法人税法第59条第4項、法人税基本通達12--9)。

 

この期限切れ欠損金を利用するのは、一般的には債務超過の同族会社が解散して清算するケースが多いと思われます。

実務上は最終事業年度終了時までに資産の処分をして債務を弁済し、残った債務(普通は社長借入金等)は最終事業年度にて免除を受けることになります。ここで債務免除益が計上されて利益が出ることが多々ありますが、期限切れ欠損金を損金算入することにより課税所得を0円とすることで対応することになります。

 

実務上の留意点としては、社長借入金等の債務は弁済できるところまで弁済した上で債務免除を受けること。もし先に債務免除を受けてしまった後に予定していなかった資産の換金があったりすると、残余財産が発生して期限切れ欠損金の利用ができなくなります。

 

また、最終事業年度の実態貸借対照表は次のようになることが良いと思われます。

 

     
 

現金 ××円

 
 

未払法人住民税均等割 ××円 (××は同額)

 
 

純資産 0円

 

 

この場合、債務超過ではないと考えられますが、純資産が0円であるため残余財産がないと見込まれるので期限切れ欠損金の利用が可能であると解されます。


 

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2016年11月 4日 (金)

FPジャーナル平成28年11月号に執筆

FPジャーナルの連載「CFP試験にチャレンジ」のタックスプランニングを平成28年6月号に続き11月号に書きました。

この「CFP試験にチャレンジ」ですが、これまで3科目の掲載であったものが2科目の掲載と縮小されており、来年度はどうなるか不明です。

さて今回、平成27年度第2回から1問のみ解説、内容は法人税の「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」です。字数が少ないので、ポイントを中心に問題の解説に終始しました。

以上、告知でした。


Fpj2811blog_3

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