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2016年11月16日 (水)

会社の清算における期限切れ欠損金の実務

先日受講した研修より、私自身の備忘も兼ねて。

 

平成22年度税制改正(法人税)により、会社の清算所得課税は廃止され、各事業年度の所得課税に改められました。これに伴い一定要件の下、いわゆる「期限切れ欠損金」の控除が認められることになりました。

 

この期限切れ欠損金とは、次のとおりです。

 

 
 

内国法人が解散した場合において、残余財産がないと見込まれるときは、その清算中に終了する事業年度(適用年度)前の各事業年度において生じた欠損金額のうち、つぎの(1)から(2)を控除した金額(期限切れ欠損金)は、その適用年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する(法人税法第59条第3項)。

 

(1)適用年度終了の時における前事業年度以前の事業年度から繰り越された欠損金額(具体的には、別表五(一)の期首現在利益積立金額の差引合計額)。

 

(2)青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越しにより適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される欠損金額(具体的には、別表七()の青色欠損金の当期控除額の計) (法人税法施行令第118条)。

 

 

ここで適用を受けるための一定要件とは「残余財産がないと見込まれるとき」となりますが、解散した法人がその事業年度終了の時において債務超過の状態にあるときは、残余財産がないと見込まれるときに該当するとしています(法人税基本通達12--8)。そして、この残余財産がないと見込まれることを説明する書類として通常は、事業年度終了の時の実態貸借対照表(資産の価額は、原則としてその事業年度終了の時における処分価格によったもの)を添付することになります(法人税法第59条第4項、法人税基本通達12--9)。

 

この期限切れ欠損金を利用するのは、一般的には債務超過の同族会社が解散して清算するケースが多いと思われます。

実務上は最終事業年度終了時までに資産の処分をして債務を弁済し、残った債務(普通は社長借入金等)は最終事業年度にて免除を受けることになります。ここで債務免除益が計上されて利益が出ることが多々ありますが、期限切れ欠損金を損金算入することにより課税所得を0円とすることで対応することになります。

 

実務上の留意点としては、社長借入金等の債務は弁済できるところまで弁済した上で債務免除を受けること。もし先に債務免除を受けてしまった後に予定していなかった資産の換金があったりすると、残余財産が発生して期限切れ欠損金の利用ができなくなります。

 

また、最終事業年度の実態貸借対照表は次のようになることが良いと思われます。

 

     
 

現金 ××円

 
 

未払法人住民税均等割 ××円 (××は同額)

 
 

純資産 0円

 

 

この場合、債務超過ではないと考えられますが、純資産が0円であるため残余財産がないと見込まれるので期限切れ欠損金の利用が可能であると解されます。


 

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福井一准税理士事務所

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