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2017年4月11日 (火)

所有者として居住の用に供したことがない居住用財産の譲渡

国税庁サイトの質疑応答事例に 相続人が譲渡する被相続人の居住用財産 があります。要約すると次のような内容です。

 

夫は、妻とともに居住の用に供していた夫所有の旧家屋の売却前に、新家屋に妻とともに転居したが、その後夫は死亡。妻は相続により旧・新家屋を取得し、旧家屋について空家にした日から3年経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する。この場合、妻の行う旧家屋の譲渡については、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例(措置法35条第1項)は適用できない。

理由は、妻は旧家屋を所有者として居住の用に供したことがないので、旧家屋は、妻の居住用財産ということはできないためである。

 

しかし、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例(措置法35条第1項)の要件として「所有者として居住の用に供したことがある」というものは関係法令にはありませんし、通達を探してみても具体的な記載はありません。

 

これは、次の最高裁判決で判断されたものです。

平成元年3月28日最高裁三小法廷(昭和61年(行ツ)第7号)

 

最高裁で述べられたことをそのまま引用しますので、参考にしてください。

 

 
 

租税特別措置法三五条一項所定の居住用財産の譲渡所得の特別控除は、個人が自ら居住の用に供している家屋及びその敷地等を譲渡するような場合には、これに代わる居住用財産を取得するのが通常であるなど、一般の資産の譲渡に比して特殊な事情があり、担税力も高くない例が多いこと等を考慮して設けられた特例であり、この趣旨は、同項の現に居住の用に供している家屋等の譲渡に関する部分(以下「前半部分」という。)と居住の用に供されなくなった家屋等の譲渡に関する部分(以下「後半部分」という。)とで何ら変わるものではない。そして,同項の後半部分の規定は、居住用財産を処分しようとする場合に、社会の実情としては、譲渡時まで引き続いて当該家屋に居住することの困難な事情があることが少なくないところから、当該家屋を居住の用に供しなくなったのち一定期間内の譲渡についても、右特別控除を認めることとしたものである。すなわち、右規定は、当該家屋を居住の用に供しなくなったのちの所定期間内の譲渡は、依然社会通念上居住用財産の譲渡といいうるとみて、これにつき右特別控除を認めるものと解される。そうすると、同条の後半部分の規定は、その前半部分の規定と統一的に理解すべきものであって、それと同様に、当該個人が、当該家屋を、譲渡所得の帰属者の立場において、すなわちその所有者として居住の用に供していたことを右特別控除を認めるための要件とするものとみなければならない。したがって、かつて当該家屋を居住の用に供していた個人が、それを居住の用に供しなくなったのちにその所有権を取得した場合には、たとえ同項後半部分の所定期間内にそれを譲渡しても、右特別控除を認める余地はない。このことは、その所有権取得の原因が相続であっても、当該個人自身が所有者として当該家屋を居住の用に供していたことがない以上、異なるところはない。

 

 

(参考)

上記が引用された事例を紹介したもの

贈与を受けた直後に譲渡した居住用財産について3,000万円控除の適用が受けられないとした事例 

 

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