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2018年6月25日 (月)

厚生年金基金の解散により受け取る分配一時金に係る掛金

厚生年金基金の解散に伴う残余財産の分配一時金は、原則として一時所得とされています。

一時所得の金額は、総収入金額からその収入を得るために支出した金額(直接要した金額のみ)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とされています(所得税法第34条第2項)。

 

厚生年金基金の解散に伴う残余財産の分配一時金は一時所得であるとした国税不服審判所の裁決例( 平15.10.24裁決、裁決事例集No.66 134 )では、次のように計算しています。

 

 
 

「平成13年分生命保険契約等の一時金の支払調書」の写し

                                                                                                                                               
   

1

   
   

保険金額等

   
   

9,404,250

   
   

2

   
   

差引支払保険金額等

   
   

9,404,250

   
   

3

   
   

既払込保険料等

   
   

0

   
   

4

   
   

保険事故等

   
   

退職以外の一時金

   
   

5

   
   

保険等の種類

   
   

厚生年金基金

   
   

6

   
   

保険事故等の発生年月日 

   
   

平成12929

   
   

7

   
   

保険金等の支払年月日

   
   

平成13425

   
 

 

 

一時所得の金額:9,404,250円-500,000円(特別控除額)=8,904,250

 

総収入金額に算入する金額:8,904,250円×1/24,452,125

 

 

控除すべきその収入を得るために支出した金額(支払調書上、既払込保険料)は0円となっています。つまり、この一時金に係る掛金は控除できないことになります。

これは、厚生年金基金及び企業年金連合会に基づく一時金(退職手当等とみなす一時金を除く)に係る加入員の負担した掛金は、その収入を得るために支出した金額に算入しないとされているためです(所得税法施行令第183条第2項第2号但し書きイ)。

 

理由は、その掛金の額は支払った年の所得控除の対象とされたためと考えられ、小規模企業共済の解約返戻金で一時所得とされるものも同様の取扱いとなります(所得税法施行令第183条第2項第2号但し書きニ)。ただし、この場合には次の例外があります(東京国税局文書回答事例より)。

 

非居住者が支払を受ける小規模企業共済契約に基づく解約手当金に係る一時所得の計算について

 

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2018年6月19日 (火)

厚生年金基金の解散により受け取る分配一時金の所得区分

厚生年金基金の解散に伴う残余財産の分配一時金は、原則として退職に基因して支払われるものではないことから、一時所得とされています。

 

これについて、退職所得であるとして不服申し立てをしたところ、一時所得であるとした国税不服審判所の裁決例が公表されています。

 

平15.10.24裁決、裁決事例集No.66 134

 

国税不服審判所は、次のように判断しています。

 

 
 

次の点から、退職に基因して支払われるものでないこと。

 

・厚生年金基金の解散に基因して支払われるものであること

 

・既に退職した者についてだけでなく、退職の事実がなく引き続き勤務している者であっても支払われるものであり、一時金の支払が退職という事実と関係なく行われること

 

 

 

次の点から、本来の退職一時金とその実質において同様のものではないこと。

 

・分配金の算定方法をみてみると、最低積立基準額相当額に基づいた残余財産の額に応じて算定されていること

 

 

 

以上より、基金の解散という偶発的事由を発生原因とする一時金であり、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものであることから一時所得に当たる(所得税法第34条第1項)。

 

 

ただし、次のようなケースでは退職所得とすることができます(国税庁サイトの下記質疑応答事例より)。

 

母体企業の倒産によって厚生年金基金が解散し、その残余財産の分配一時金が支払われる場合

 

 
 

会社が業績悪化して倒産し、その会社が設立事業所となっている厚生年金基金も解散した。そして、その会社の従業員は全員解雇後に厚生年金基金の解散に伴う残余財産の分配一時金が支払われた。

 

上記の解雇された従業員が受け取った分配一時金は、従業員に退職の事実が認められることから、退職所得として取り扱うことができる。

 

 

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2018年6月12日 (火)

平成30年分路線価公開日と奥行価格補正率の改正

平成30年分の路線価は、平成30年7月2日(月)に公開が予定されています。

 

平成30年分の路線価図等の公開予定日について

 

また平成30年分の路線価による評価より、奥行価格補正率が変わります。

 

奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外・平29課評2-46外改正)


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2018年6月 8日 (金)

小規模宅地等の特例・貸付事業用宅地等の改正

平成30年4月1日以後の相続等による取得より、小規模宅地等の特例の対象となる貸付事業用宅地等(措置法第69条の4第3項第4号)が改正されました。ただし、経過措置も設けられています。

 

改正後は、次の宅地等が適用除外されます。

 

 
 

(適用除外)

 

相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等

 

 

ただし、上記に該当する宅地等であっても、次の何れかに該当した上で他の要件(末尾※参照)を満たせば小規模宅地等の特例が適用できます。

 

 
 

(上記適用除外から除く → 適用対象となる)

 

1.相続開始の日まで3年を超えて引き続き準事業を除く(いわゆる事業的規模の)貸付事業(措置法施行令第40条の2第16項)を行っていた被相続人等のその貸付事業の用に供されたもの(措置法第69条の4第3項第4号括弧書き)

 

 

 

2.平成30年3月31日以前に貸付事業の用に供された宅地等(改正附則第118条第4項)

 

 

なお準事業とは、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの(措置法施行令第40条の2第1項)とされています。これを除くいわゆる事業的規模の貸付事業というのは、下記の所得税基本通達26-9(5棟10室以上基準)が想定されているようです。

 

 
 

所得税基本通達26-9(建物の貸付けが事業として行われているかどうかの判定)

 

建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかは、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で建物の貸付けを行っているかどうかにより判定すべきであるが、次に掲げる事実のいずれか一に該当する場合又は賃貸料の収入の状況、貸付資産の管理の状況等からみてこれらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、特に反証がない限り、事業として行われているものとする。

 

(1)貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。

 

(2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

 

 

貸付不動産は、居住用不動産や事業用不動産に比べて制約が少ないことから売買がしやすく、そのため一時的に現金を不動産に換え、小規模宅地等の特例を適用して相続税負担を軽減することが見受けられた。これを制限するために今回の改正がされたということだそうです。

 

 
 

※他の要件(措置法第69条の4第3項第4号イ、ロ)

 

・被相続人の貸付事業用宅地等

 

宅地等を取得した親族が、相続開始時から申告期限までの間にその貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地等を有し、かつ、その貸付事業の用に供していること。

 

 

 

・被相続人と生計を一にしていた親族の貸付事業用宅地等

 

相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続きその宅地等を自己の貸付事業の用に供していること。

 


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2018年6月 5日 (火)

小規模宅地等の特例・家なき子の改正(その4 経過措置2)

平成30年4月1日以後の相続等による取得より、小規模宅地等の特例のいわゆる家なき子(措置法第69条の4第3項第2号ロ)が改正されましたが、経過措置が2つ設けられています。

 

2つめの経過措置は、平成32年3月31日に自宅が工事中のときに(ここをポイントに実務ではチェック)適用されることがあるもので、要件は次のとおりです(改正附則第118条第3項)

 

 
 

1.平成32年4月1日以後に相続等により取得すること

 

 

 

2.平成30年3月31日において相続等があったとした場合に、改正前の措置法第69条の4第3項第2号ロ(※)の要件(改正前の家なき子の要件のこと)を満たしていること

 

 

 

3.平成32年3月31日において、その宅地等上の建物の新築・増築等の工事が行われていること

 

 

 

4.その工事の完了前に相続等があったこと

 

 

 

5.相続税の申告期限までにその宅地等を取得した個人がその宅地等上の建物を自己の居住の用に供すること

 

 

上記の要件を全て満たす宅地等であれば、小規模宅地等の特例の適用が可能となります。

 

ややこしくて失念してしまいそうな経過措置ですが、同居人のいない者が子供などと同居するために自宅を建替え等しているときに、その者の相続が起こった場合などを想定した措置のようです。

 

(※)改正前の措置法第69条の4第3項第2号ロをそのまま載せておきます。

 

 
 

当該親族(当該被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した者に限る。)が相続開始前3年以内に相続税法の施行地内にあるその者又はその者の配偶者の所有する家屋(当該相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがない者(財務省令で定める者を除く。)であり、かつ、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有していること(当該被相続人の配偶者又は相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族で政令で定める者がいない場合に限る。)。

 

 

 

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2018年6月 1日 (金)

小規模宅地等の特例・家なき子の改正(その3 経過措置1)

平成30年4月1日以後の相続等による取得より、小規模宅地等の特例のいわゆる家なき子(措置法第69条の4第3項第2号ロ)が改正されましたが、経過措置が2つ設けられています。

 

1つめの経過措置は適用されるケースが結構ありそうなもので、要件は次のとおりです(改正附則第118条第2項)

 

 
 

1.平成30年4月1日から平成32年3月31日までの間に相続等により取得すること

 

 

 

2.平成30年3月31日において相続等があったとした場合に、改正前の措置法第69条の4第3項第2号ロ(※)の要件(改正前の家なき子の要件のこと)を満たしていること

 

 

 

上記の要件を全て満たす宅地等であれば、相続時に改正前(※)の要件を満たせば(改正後の要件を満たしていなくても)小規模宅地等の特例の適用が可能となります。

 

 

(※)改正前の措置法第69条の4第3項第2号ロをそのまま載せておきます。

 

 
 

当該親族(当該被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した者に限る。)が相続開始前3年以内に相続税法の施行地内にあるその者又はその者の配偶者の所有する家屋(当該相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがない者(財務省令で定める者を除く。)であり、かつ、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有していること(当該被相続人の配偶者又は相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族で政令で定める者がいない場合に限る。)。

 

 

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