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2018年7月30日 (月)

特定貸付事業の留意点(小規模宅地等の特例)

平成30年4月1日以後の相続等による取得より、小規模宅地等の特例の対象となる貸付事業用宅地等(措置法第69条の4第3項第4号)が改正され、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は適用除外となりました。

 

 

 

ただし例外として、被相続人等が相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業(措置法施行令第40条の2第16項)を行っていた場合には、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等も適用対象となります(措置法第69条の4第3項第4号括弧書き)。

 

詳細は、下記を参照してください。

 

 

 

小規模宅地等の特例・貸付事業用宅地等の改正

 

 

 

上記例外については、次の留意点が通達で新たに示されています。

 

 

 

1.相続開始の日まで3年を超えて特定貸付事業が引き続き行われていない場合(措置法通達69の4-24の5)

 

 

 

次のいずれにも該当する場合、小規模宅地等の特例の対象となる貸付事業用宅地等から除かれます。

 

 

 

・相続開始前3年以内に新たに被相続人等が行う特定貸付事業の用に供された宅地等である場合

 

 

 

・上記の貸付の用に供された時から相続開始の日までの間にその被相続人等が行う貸付事業が特定貸付事業に該当しないこととなったとき

 

 

 

2.特定貸付事業を行っていた被相続人等がその貸付事業の用に供していた(以下、「特定貸付事業に供していた」とします)宅地等となる場合(措置法通達69の4―24の6

 

 

 

被相続人等とは、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた親族をいいます(措置法第69条の4第1項)が、「特定貸付事業に供していた」場合とは特定貸付事業を行う被相続人等が宅地等をその自己が行う特定貸付事業の用に供した場合をいいます。

 

したがって、次のようなときは「特定貸付事業に供していた」ことにはなりません。

 

 

 

・被相続人が特定貸付事業を行っていた場合に、被相続人と生計を一にする親族が宅地等を自己の貸付事業の用に供したとき

 

 

 

・被相続人と生計を一にする親族が特定貸付事業を行っていた場合に、被相続人又はその親族以外の被相続人と生計を一にする親族が宅地等を自己の貸付事業の用に供したとき

 

 

 

 

 

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2018年7月23日 (月)

5棟10室以上で特定貸付事業(小規模宅地等の特例)

平成30年4月1日以後の相続等による取得より、小規模宅地等の特例の対象となる貸付事業用宅地等(措置法第69条の4第3項第4号)が改正され、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は適用除外となりました。

 

ただし、相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業(措置法施行令第40条の2第16項)を行っていた場合には、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等も適用対象となります(措置法第69条の4第3項第4号括弧書き)。

 

詳細は、下記を参照してください。

 

 

 

小規模宅地等の特例・貸付事業用宅地等の改正

 

 

 

特定貸付事業とは準事業を除く貸付事業とされています(措置法施行令第40条の2第16項)が、被相続人等が行う貸付事業が不動産の貸付けである場合は次のように判定することとしています(措置法通達69の4―24の4)。

 

 

 

 

 

 

不動産の貸付けが所得税法に規定する不動産所得を生ずべき事業として行われているときは特定貸付事業に該当し、これ以外のものとして行われているときは準事業に該当する。

 

 

 

 

そして、建物の貸付についてこの判定を行う場合、所得税基本通達26―9の取扱いがあることが明らかにされました(措置法通達69の4―24の4注)。

 

 

 

なお、所得税基本通達26―9はいわゆる5棟10室以上基準で、その全文は次のとおりです。

 

 

 

 

 

 

建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかは、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で建物の貸付けを行っているかどうかにより判定すべきであるが、次に掲げる事実のいずれか一に該当する場合又は賃貸料の収入の状況、貸付資産の管理の状況等からみてこれらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、特に反証がない限り、事業として行われているものとする。

 

(1)貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。

 

(2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

 

 

 

 

 

 

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2018年7月17日 (火)

名義預金とその分割の取扱い

 

相続税申告後の税務調査により、被相続人の子供名義の定期預金が名義預金として相続税の課税対象となった場合に、申告時の遺産分割協議書において「ここに記載のない財産を一定の相続人に帰属させる」としたとき、その名義預金の帰属の解釈についての裁決が公表されています(国税不服審判所平成27年10月2日裁決・裁決事例集101号)。

 

この裁決事例は国税不服審判所サイトには掲載されていませんが、税大ジャーナル2017.7の裁決評釈で取り上げられています。

 

 

 

家族名義預金は贈与されたものであるから、相続財産には当たらないなどと主張したが、それらの主張が認められなかった事例(平成23年8月相続開始に係る相続税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分・一部取消し、棄却)

 

 

 

上記サイトは抜粋されています。私が加入している会員サイトにて裁決全文が手に入りますので審判所の判断等を全文より抜粋(要約)していきます。税務実務で参考になる重要な判断基準だと思います。

 

 

 

1.基礎事実は次のとおりです。

 

 

申告書に添付されていた遺産分割協議書には、相続人らがそれぞれ取得する預金の金額が記載されているところ、その預金の金額には、子供ら名義の各定期預金(以下、「名義預金」とする)の金額は含まれていない。

 

また、分割協議書には,妻が取得する財産として、「現金、家庭用財産など上記相続人が取得する以外の全財産」と記載されている。

 

 

 

 

2.争点は、名義預金が相続財産に当たる場合に、各名義預金は、上記条項に基づき妻が相続により取得することになるのか否かで、原処分庁(課税庁)と請求人(相続人)は次のとおり主張しています。

 

 

・原処分庁

 

分割協議書には、子供らが取得する財産として名義預金が記載されていない上、妻が取得する財産として子供らが取得する以外の全財産と定められている以上、名義預金は、妻が相続により取得することになる。

 

・請求人ら

 

仮に名義預金が相続財産に当たるとしても、名義預金について妻が相続することにはならない。

 

 

 

 

3.審判所の判断は次のとおりです。

 

 

(一般論として)

 

個別的財産の遺産分割を定める条項により各人が取得する財産以外の財産を一部の者に取得させる条項のようなものは、個別的財産の遺産分割による取得を定めた条項を設けた上での補充的なものであって、失念していた財産や家財道具を被相続人と同居していた家族等の適当な者に取得させるために用いられるものと考えられ、個別的な記載のない相当高額な財産については、その補充的条項にその高額な財産をも含める旨合意されているなどの特別の事情がない限り、含まれないと解するのが自然である。

 

 

 

(今回のケースについて)

 

請求人ら間において補充的条項の具体的な意味内容についての協議はなされておらず、分割協議書の作成時に、請求人らにおいて名義預金を妻に取得させるという積極的な言動も見当たらなかった。

 

また、分割協議書により妻が取得した預貯金の金額は64,139,295円であるのに対し、名義預金の金額が111,445,006円に上ることに鑑みると、金融資産について法定相続分に従って分割するという意思を有していた請求人らが、その意思に沿って妻に預貯金64,139,295円を取得させることに加えて、それをはるかに超える金額の名義預金をも妻一人に取得させる意思を有していたとは考え難い。

 

請求人間の協議状況及び請求人らの意思を勘案すると、請求人らにおいて、分割協議書の作成時に、名義預金について、妻が取得することの合意があったと認めることはできない。

 

したがって、名義預金は、妻が取得すると解することはできない。

 

 

 

(原処分庁の主張について)

 

分割協議書には子供らが取得する財産として名義預金が記載されていない上、妻が取得する財産として子供らが取得する以外の全財産と定められている以上、名義預金は妻が取得することになる旨主張する。

 

しかしながら、遺産分割協議は、相続人らの遺産に対する権利の帰属を定める相続人間の合意であり解釈の余地があるものであるから、たとえ形式的に「上記相続人が取得する以外の全財産」との文言があったとしても、それのみをもって名義預金が妻に帰属すると解することは妥当ではない。

 

名義預金につき、「全財産」を妻が取得するとしたことの適用があるためには、分割協議書の作成時に、請求人間において、名義預金について「全財産」に当たる旨の合意が認められることが必要であるところ、このような合意が成立していたとは認められない。

 

したがって、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。

 

 

 

 

 

 

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2018年7月 9日 (月)

名義預金とその贈与の有無について

 

被相続人の子供名義の定期預金が名義預金として相続税の課税対象となる相続財産であるか、生前に子供に贈与したものであるかについての裁決が公表されています(国税不服審判所平成27年10月2日裁決・裁決事例集101号)。

 

この裁決事例は国税不服審判所サイトには掲載されていませんが、税大ジャーナル2017.7の裁決評釈で取り上げられており、ここから抜粋しました。

 

 

 

家族名義預金は贈与されたものであるから、相続財産には当たらないなどと主張したが、それらの主張が認められなかった事例(平成23年8月相続開始に係る相続税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分・一部取消し、棄却)

 

 

 

審判所の判断基準は下記のとおり(そのまま抜粋)ですが、同様の判断基準は何度も示されています。

 

 

 

 

相続財産である預貯金等の帰属については、一般的にはその名義人に帰属するのが通常であるが、預貯金等については別の名義への預け替えが容易にできることから、単に名義人が誰であるかという形式的事実のみにより判断するのではなく、その原資となった金員の出えん者、その管理、運用の状況、贈与の事実の有無等を総合的に勘案して預貯金等の帰属を判断するのが相当であると解される。

 

 

 

 

審判所は、定期預金の預入経緯と原資の出捐者、通帳と印鑑の管理状況、定期預金の贈与の有無について検討し、相続財産であると判断しました。

 

このうち、定期預金の贈与の有無については次のように述べています(要約)。

 

 

 

 

被相続人が実際に子供に住宅資金の贈与をしたときは、子供が使用している普通預金口座等に直接資金を振り込む方法により贈与している。

 

しかし、この定期預金については、受贈者である子供がその資金を自由に処分できる状況であったにもかかわらず、各通帳及び各印鑑は、相続の開始日まで一貫して被相続人の下で管理され、子供らの処分可能な状況になかった。

 

上記の通り全く異なる事実から、被相続人が、各定期預金を子供らに贈与していたと認められないと判断した。

 

 

 

 

 

 

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2018年7月 3日 (火)

土地の取得費は売主の作成した土地台帳記載の金額であるとした裁決事例

長期譲渡所得の金額の計算上、土地の取得費は納税者が主張する公示価額から推計した金額でも課税庁が主張する概算取得費(措置法第31条の4第1項、措置法通達31の4-1)でもなく、宅地建物取引業者である売主の作成した土地台帳記載の金額であるとした裁決事例が公表されています。

 

なお、この事例は、当初納税者は概算取得費で申告し、その後公示価額から推計した金額が取得費であるとして更正の請求をしているようです。

 

 

 

平成29年12月13日裁決

 

 

 

この事例で国税不服審判所は次のように判断しました。

 

 

 

 

 

 

下記の点から、この土地台帳の記載内容の信用性は極めて高いため、その記載どおりの事実があったことが推認でき、この推認を妨げる事情が認められない限り、その記載どおりの事実を認めるのが相当である。

 

 

 

1.土地台帳に記載された土地所在地番等と登記簿謄本の記載内容とが一致していることから、この土地台帳に記載の土地が譲渡した土地であることに疑いの余地はないこと。

 

2.土地台帳上の昭和41年11月10日に手付金の支払があった旨、及び同月24日に内金の支払があった旨の記載は、登記簿謄本上の「昭和41年11月24日売買」の記載と、さらに、土地台帳上のローン契約内容の記載は、登記簿謄本上の所有権移転登記の受付が所有権の移転の日から10年経過後である事実とおおむね整合していること

 

3.土地台帳は、宅地建物取引業法により帳簿の備付け義務がある売主が、通常業務の過程で作成したものであり、書面の性質上、取引内容が正確に記載されている蓋然性が高いこと。

 

 

 

 

以前受講した研修で言われたのですが、推計による取得費の適用は、取得時の契約書等がなく、実額として疎明できるような資料等も探したがない場合に適用を検討すべきであるとのことです(推計による取得費の概略は下記参照)。

 

 

 

長期譲渡所得の概算取得費

 

 

 

 

 

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