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2019年6月28日 (金)

駐車場の舗装等を贈与したことによる所得の帰属

アスファルト舗装やフェンスといった設備を施し駐車場として貸していた父が所有する土地について、その駐車場設備を子に贈与するとともに土地の名義はそのままで子に使用貸借する契約をして、その駐車場に係る所得が子に帰属するとしたことについて、国税当局が父に帰属するものとした処分を不服として争った裁決が公表されています。

 

平成30年10月3日裁決

 

国税不服審判所は、贈与契約及び土地使用貸借契約について、請求人()がその意思に基づいて各契約書に署名・押印したものと認められるものの、次のような事実から、各契約が有効に成立したと認めることはできないとして、駐車場に係る所得は父に帰属するものと判断しました。

 

1.各契約書の作成目的は、父の相続対策の一環として、その所有不動産から生ずる賃料収益の一部を親族間で分散し、租税負担を軽減させることにあった。

その目的の下、土地の所有権を父に留保したまま、その使用収益権原のみを相応の対価を発生させることなく他に移転する方法として、子への土地の使用貸借及び駐車場設備の贈与という形式が採られたものと認められる。

これは次の理由による。

・父は契約当時、高齢であったこと

・各契約書の作成をはじめとした一連の取引行為については、子が父の相続対策の相談をしていた税理士法人が企図したものであること

・各契約書の書式もその税理士法人が作成したものと認められること

・契約の前後において、その駐車場としての利用状況や不動産管理会社を介しての管理状況自体に特段の変化が認められないこと

 

2.次の事実から、父は、調査の時点において、実際にも、駐車場の収入を契約以後、子が申告することとなった具体的な事情やその原因とされる契約書の作成事実を認識していなかったものと認められる。

・調査担当職員の質問に対し、駐車場の収入を契約以降、子が申告することとなった経緯等の詳しいことは分からない旨の回答をしたこと

・使用貸借契約書を知らない旨、また、契約書に印鑑を押印した記憶もない旨申述したこと

・後日、調査担当職員が電話で父に使用貸借契約書の提示を求めた際にも、契約書に印鑑を押印した記憶はなく手もとにもない旨の回答をしたこと

・子の妻を介して契約書の写しが調査担当職員に提出された後、子同席の下で行われた調査の際にもなお、土地の賃料収益を子が申告することとなった事情等の詳細は「分からない」などと回答したこと

・原処分調査の際、父は、子がその居住用として利用している不動産については、固定資産税等を負担した上で子に無償で貸している旨明確に回答していたところ、駐車場に係る契約書の作成についてのみ、あえて虚偽の申述を行わなければならない動機が父にあったとも認められないこと

 

3.次の理由により、父は、その内容を知らされないまま、税理士法人が作成した各契約書への署名・押印を子から求められ、その記載内容を一切確認しないままこれに応じたことが強く推認される。

・1に記したとおり、土地を巡る一連の取引行為は、子から相続対策の相談を受けていた税理士法人が企図したものであること

・1に記したとおり、各契約書の書式も税理士法人が作成したものと認められること

・父は原処分調査の際、税理士から助言を受けていた子から言われるままに申告を行った旨申述していたこと

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福井一准税理士事務所

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