2017年11月13日 (月)

地積規模の大きな宅地の評価についての情報等

平成30年1月1日以後の相続等により取得する宅地等の評価については、地積規模の大きな宅地の評価(財産評価基本通達20-2)が新設されるとともに、広大地の評価(前・財産評価基本通達24-4)が廃止されました。

 

地積規模の大きな宅地とは、次のもの(2の除外されるものを除く)をいいます。

・路線価地域においては普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在する1の要件を満たすもの

・倍率地域においては大規模工場用地(財産評価基本通達22-2)に該当しないもので1の要件を満たすもの

 

1.要件

・三大都市圏 500㎡以上の地積のもの

・上記以外 1,000㎡以上の地積のもの

 

2.除外されるもの

・市街化調整区域(一定の開発行為を行うことができる区域を除く)に所在するもの

・都市計画法の用途地域が工業専用地域に所在するもの

・指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)以上の地域に所在するもの

 

上記の詳細や評価方法等について、国税庁サイトに情報が掲載されています。また、チェックシートや新しい土地等の評価明細書も掲載されています。

 

(概要)「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されました

 

(詳細説明)「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)

の中の地積規模の大きな宅地の評価

 

(チェックシート)「地積規模の大きな宅地の評価」の適用要件チェックシート

 

(評価明細書)土地及び土地の上に存する権利の評価明細書(平成30年分以降用)


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2017年10月18日 (水)

永年勤続者へ支給する記念品等

使用者である会社等が使用人等へ記念品等を支給した場合、原則として使用人等に対して現物給与を支給したことになり、使用人等は給与として課税(会社は源泉徴収が必要)されます。

 

ただし、使用者が永年勤続した役員や使用人の表彰に当たって、その記念として次に掲げる要件の全てに該当するものを支給する場合には、給与課税しないこととされています(所得税基本通達36-21)。

 

 
 

1.旅行、観劇等の招待費用、記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない)の支給であること。

 

2.その役員や使用人の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められる金額であること。

 

3.その表彰が、おおむね10年以上の勤続年数の者を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること。

 

 

留意点としては、以下のとおりです。

1.旅行等への招待費用や記念品の支給に代えて、現金だけでなく商品券等を支給する場合も、その全額(商品券の券面額)が給与として課税されます。

 

2.本人が自由に記念品を選択できる場合にも、その記念品の価額が給与として課税されます。

 

以上は、国税庁タックスアンサー 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき より。

 

(当ブログより、参考)

記念品として支給する商品券と固定資産税評価額が改訂されなかった家屋の増改築(源泉所得税・財産評価・質疑応答事例より)

 

3.永年勤続者に対する旅行券の支給については、下記の要件の全てを満たしている場合には、給与課税しないこととされています(昭60直法6-4)。

(1)旅行券の支給後1年以内に旅行の実施をすること。

(2)旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含む)であること。

(3)旅行券を使用して旅行を実施した場合には、支給を受けた者が次の書類等を使用者に提出すること。

・旅行実施者の所属・氏名・旅行日・旅行先・旅行社等への支払額等の必要事項を記載した報告書

・宿泊施設の領収書等(現物給与を巡る税務 大蔵財務協会 より)といった旅行先等を確認できる資料。

(4)旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部又は一部を使用しなかった場合、使用しなかった旅行券は使用者に返還すること。

 

3.についての詳細は、下記の国税庁タックスアンサーを参照。

 

永年勤続者に対する旅行券の支給

 

なお、昭60直法6-4(照会による回答)で上記3の要件を満たしていた場合に課税しなくて差し支えないとした支給基準と金額は次のとおりです。

満25年勤続者・・・10万円相当の旅行券

満35年勤続者・・・20万円相当の旅行券


 

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2017年10月12日 (木)

ふるさと納税についての留意点

個人住民税に関する研修を受けてきましたが、通常はあまり意識しないので、すぐ忘れてしまいます。備忘のために、この研修で聞いたふるさと納税の留意点を記しておきます。

 

1.対象となるのは、都道府県、市町村又は特別区に対する寄附金(当たり前ですが、国は対象外)。ただし、寄附した納税義務者がその寄附によって設けられた設備を専属的に利用すること等の特別な利益がその納税義務者に及ぶと認められるものを除きます(地方税法第37条の2第1項第1号、第314条の7第1項第1号)。

 

2.所得税の寄附金控除(所得税法第78条)と住民税の寄附金税額控除により、減税効果は最大「ふるさと納税の額-2,000円」です。ただし、所得税・住民税ともに限度額が設けられていること等のため、少なくなる可能性があります。

 

3.減税効果について、研修での試算では次のとおりでした(復興税は考慮せず)。

(1)給与収入600万円、ふるさと納税55,000円、所得控除は寄付金控除(所得税)と基礎控除(所得税・住民税)のみ

減税効果 53,000円

(2)給与収入600万円、ふるさと納税200,000円、所得控除は寄付金控除(所得税)と基礎控除(所得税・住民税)のみ

減税効果 137,500円

 

4.所得税の確定申告をする場合、ワンストップ特例の手続をしていてもこれは無効となります(詳細は下記参照)。

ふるさと納税ワンストップ特例は確定申告すると無効になります

 

5.所得税の確定申告をする場合、確定申告書第2表下の「住民税・事業税に関する事項」右上「寄附金税額控除」欄一番上「都道府県・市区町村分」に金額を記載すること。


 

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2017年9月21日 (木)

仮想通貨に対する税務

報道によると旅行会社のH.I.S.が首都圏内38店舗にてビットコインでの決済を導入するそうですが、このビットコインを使用する場合の税務の取り扱いが国税庁サイトのタックスアンサーで公表されています。

 

ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係

 

そのまま引用すると次のとおりです。

 

 
 

ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

 

 

 

このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

 

 

雑所得となる場合、ビットコインを使用したこと等により損失が生じても総合課税となる雑所得のみと通算でき、他の所得との損益通算はできないことになります。

 

なお、週間税務通信3474号によるとビットコインに係る雑所得と認識されるのは次のケースだとしています。

 

・日本円等に換金(事業として継続的に行えば事業所得)→換金時に認識

・資産を購入(事業用資産を購入したら事業所得)→購入時に認識

・別の仮想通貨とトレード(事業として継続的に行えば事業所得)→トレード時に認識

 

また同紙によると、相当の資本投下をしてビットコインを採掘する場合には採掘時の事業所得とされるとし、ビットコイン以外の仮想通貨の取り扱いも同様と考えられるとしています。

 

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2017年8月28日 (月)

老人ホーム等を移った場合の小規模宅地等の特例

措置法第69条の4に規定する小規模宅地等の特例の適用対象となる被相続人の居住用宅地等については、次のものが含まれることとされています(同法第1項、措置法施行令第40条の2第2項)。

 

介護保険法に規定する要介護認定等を受けていた被相続人が、老人福祉法に規定する一定の老人ホーム等(以下、「該当する老人ホーム等」とします)に入居したことにより、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていなかったことが前提となります。

この場合の居住の用に供されなくなる直前の被相続人の居住用宅地等

 

下線部分以外の留意点としては次のとおりです。

 

・居住の用に供されなくなってから、事業の用又は被相続人と生計を一にする親族(被相続人と該当する老人ホーム等の入居直前において生計を一にし、かつ、同建物に引き続き居住している被相続人の親族も含まれます)以外の者の居住の用に供されていた場合を除きます(措置法施行令第40条の2第3項)。

 

・要介護認定等を受けていたかどうかは、被相続人の相続の開始の直前において判定します(措置法通達69の4-7の2)。

 

下線部分について読み替えて要約すると次のようになります。

 

 
 

要介護認定等を受けていた被相続人が該当する老人ホーム等に入居したことにより、居住の用に供されなくなる直前の被相続人の居住用宅地等

 

 

したがって、次のように転居した場合の自宅敷地は被相続人の居住用宅地等とならず、特例の適用はないことになります。

 

自宅→該当しない老人ホーム等→該当する老人ホーム等(相続開始)

 

以上、下記の本を当たったときに読み、全く想定していなかったため自分自身の備忘を兼ねて書きました。

 



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2017年8月 4日 (金)

被相続人と同居親族が揃って老人ホーム等に入居していた場合の小規模宅地等の特例の適用について

被相続人と同居親族が揃って老人ホーム等に入居したため、被相続人所有の自宅が空き家等となる場合が見受けられます。このような場合に、被相続人の相続に係る「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(措置法第69条の4)」の適用が受けられるかどうかで相続税額に差が出てくることも想定されます。

 

まず空き家等となった自宅敷地が被相続人の居住用宅地等に含まれるのかを判定することになり、次の要件の全てを満たす場合、被相続人の居住用宅地等に含まれます。

 

・被相続人が要介護認定又は要支援認定を受けていたこと(これに類する一定の場合を含む)

・老人福祉法に規定する養護老人ホーム等に入居していたこと(以上、措置法施行令第40条の2第2項)

・その家屋が事業の用又は被相続人等以外の者の居住の用に供されていないこと(措置法施行令第40条の2第3項)

 

上記全要件を満たす宅地等を、次の1又は2に該当する親族が取得した場合のその取得部分について、特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

 

1.被相続人の配偶者(措置法第69条の4第3項第2号)

 

2.次の要件の全てを満たす配偶者以外の被相続人の親族(措置法第69条の4第3項第2号ロ) → いわゆる「家なき子」に該当する場合

・相続開始前3年以内に日本国内にある本人又はその配偶者の所有する家屋に居住したことがない一定の者であること

・相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有していること

 

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2017年8月 1日 (火)

一体利用している宅地等の間に青地が入っている場合の相続税評価額

一体利用している宅地等の間に青地が入っている場合、この一体地の相続税評価額は、青地を含む宅地等を1つの単位として算出した評価額から、青地部分の価額を控除して評価するのが一般的です。

この方法は、次の国税不服審判所裁決でも採用されています。

 

平成28年12月7日裁決

 

上記裁決では、この場合の青地の価額は払下げ費用相当額であるとして、次のように述べています。

 

 
 

・青地部分の土地の売買が成立し得るのは請求人らと市の間に限定される。

 

・市が青地部分の土地を請求人らに売却した場合の売買代金である払下げ費用相当額は、国有財産評価基準によりその算定方法が画一的に決められていることからすると、青地部分の土地の価額については、相続開始日において青地が請求人らに払い下げられたとした場合の払下げ費用相当額とするのが相当である。

 

 

青地についての国有財産評価基準による払い下げ費用相当額の計算については、次の記事で紹介した裁決例が参考になります。

 

時効取得した旧水路等に係る一時所得の収入金額

 

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2017年7月28日 (金)

時効取得した旧水路等に係る一時所得の収入金額

時効取得した土地(公共用財産たる里道・水路等のうち、その機能を喪失したもので、単独利用が困難な土地)に係る一時所得の収入金額は、国有財産評価基準に基づいて相続税評価額を用いて計算した価額によることとした裁決事例があります。

 

平成25年7月24日裁決

 

審判所は次のように判断しています。

 

 
 

(要約)

 

・公共用財産たる里道・水路等のうち、その機能を喪失したもの(旧法定外公共物)で単独利用できない財産については、原則として、隣接土地所有者に対してのみ随意契約により売却され、その売却価額についても、国有財産として、国有財産評価基準に従って評価されているところであり、同基準に準じて算定することに合理性があると認める。

 

・国有財産評価基準における「単独利用困難な土地の評定価格の求め方」に定める「一体利用地内に取引事例価格がない場合」に該当すると、財産評価基本通達による相続税評価額を基に算出することとされている。

 

・国有財産評価基準によれば、相続税評価額を基とした価格の算出に当たっては、一体利用地(土地所有関係にかかわらず、評価土地を含めて一体利用することが適当と認められる画地)として評価することとされている。

 

 

これより、収入金額はまとめると次のような計算となっています(詳細は上記の国税不服審判所サイト中の別表7-1、時点修正は別表7-2を参照してください)。

 

 
 

{一体評価した自用地としての1㎡当たりの価格×(1-時点修正率)-1㎡当たりの造成費等}×(1-借地権割合)×需給関係による修正率×地積

 

 

これは、「利用区分・地区区分等に応じて一体評価した相続税評価額(時点修正後)の1㎡当たりの価格×需給関係による修正率×地積」で計算していると考えます。

 

なお、需給関係による修正率は、国有財産評価基準より、評価土地が、私道敷地、高圧線下地又は崖地以外の土地の場合は50%、崖地の場合で傾斜度が15度以上30度未満の場合は40%などとされています。

 

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2017年7月 3日 (月)

平成29年分の路線価等発表

平成29年分の路線価や倍率等が記載された平成29年分財産評価基準が国税庁サイトにて公開されました。

 

平成29年分財産評価基準を見る

 

平成29年1月1日から12月31日までの間に相続等により取得した土地等の相続税評価額を計算する場合に利用してください。

 

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2017年6月27日 (火)

長期譲渡所得の概算取得費

所得税の長期譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除する土地等の取得費について、収入金額の5%相当額とする概算取得費の適用については、譲渡した土地等をいつから所有していたかにより取り扱いが異なります。

 

1.昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地等(措置法第31条の4)

収入金額の5%相当額とする。

ただし、この金額が土地等の取得に要した金額と改良費の額との合計額に満たないことが証明された場合には、その合計額等とする。

 

2.昭和28年1月1日以後に取得した土地等(措置法通達31の4-1)

収入金額の5%相当額として差し支えない。

 

つまり、昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地等については、実額の取得費を証明できない場合には概算取得費の適用が強制されることになります。

一方、昭和28年1月1日以後に取得した土地等については、収入金額の5%相当額とすることができるとされていることから、推計による取得費を適用できる可能性があることになります。

 

推計による取得費として市街地価格指数を用いた有名な裁決事例が次のものです。

 

平12.11.16裁決、裁決事例集No.60 208

 

概要は以下のとおり。

 

 
 

一括譲渡した土地・建物の取得価額が不明であったが、先ず建物の取得費を着工建築物構造単価から算定した。

 

土地の取得費は、譲渡価額の総額から建物の取得費を控除して土地の譲渡価額を算定した上で、譲渡時に対する取得時の市街地価格指数(住宅地)の割合を乗じて算定した。

 

 

なお、推計による取得費の適用は、取得時の契約書等がなく、実額として疎明できるような資料等も探したがない場合に適用を検討することになると思います。

 

以上、先日受講した研修より、備忘記録です。


 

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