2019年1月10日 (木)

老人ホーム入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等の特例

老人ホーム入居前の自宅をその老人ホーム入居中に相続により取得し、その後その自宅に戻ることなく死亡した(所有者として居住の用に供したことがなかった)場合の小規模宅地等の特例(措置法第69条の4)の適用について、国税庁の文書回答事例で公表されています。

 

老人ホームに入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法第69条の4)の適用について

 

要約は以下のとおりです。

 

 
 

措置法第69条の4第1項より、(一定の要件を満たせば)被相続人が所有者である老人ホームに入居等する直前に居住の用に供していた宅地等は、特例の対象となる宅地等に当たることは明らかである。

 

しかし、被相続人が老人ホーム入居等の直前において居住の用に供していた宅地等の所有者ではなく、その宅地等を取得した後はこれを居住の用に供していない場合の取扱いに疑義が生じる。

 

この点について、特例の対象となる宅地等であるかは、被相続人が老人ホームに入居等して居住の用に供されなくなった直前の利用状況で判定することとされており、その時において被相続人が宅地等を所有していたか否かについては、法令上特段の規定は設けられていない。

 

このことから、事例のケースでは特例の対象となる宅地等に該当するものと解される。

 

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2018年12月25日 (火)

平成31年度税制改正大綱より特定事業用宅地等の見直し

平成30年度の税制改正では、小規模宅地等の特例(措置法第69条の4)のうち特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等の見直しがされました。

 

先日発表された平成31年度税制改正大綱で、特定事業用宅地等についての見直しが予定されています。

 

内容は下記のとおりです(そのまま抜粋)。

 

 
 

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、特定事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等(当該宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、当該宅地等の相続時の価額の15%以上である場合を除く。)を除外する。

 

(注)上記の改正は、平成31年4月1日以後に相続等により取得する財産に係る相続税について適用する。ただし、同日前から事業の用に供されている宅地等については、適用しない。

 

 

小規模宅地等の特例がさらに複雑化していきそうです。

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2018年12月14日 (金)

平成31年度税制改正大綱が公表され、空き家に係る3千万円控除が改正・延長に!

平成30年12月14日に自由民主党サイトにて 平成31年税制改正大綱 が公表されました。

 

この中でまず注目したものが、空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例についてです。

相続開始時に被相続人が老人ホーム等に入居していた場合、現行では上記特例は適用できませんが、平成31年4月1日以後に譲渡したものから一定の要件を満たす場合にはこの特例の適用を受けることができるとした上で、この特例の適用期限を4年延長(平成35年・・・2023年12月31日まで)するとしています(大綱21ページ参照)。

 

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2018年12月 4日 (火)

譲渡費用と弁護士報酬等

譲渡所得の金額の計算上、総収入金額から控除されるその資産の譲渡に要した費用の額(譲渡費用)はどういうものか、判例では次のように判断するとしています。

 

 
 

一般的,抽象的に当該資産を譲渡するために当該費用が必要であるかどうかによって判断するのではなく,現実に行われた資産の譲渡を前提として,客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきものである。

 

(詳細については、以下参照)

 

最高裁判決より譲渡費用について

 

 

紛争となり支出した弁護士報酬その他訴訟費用等について、当然に譲渡費用となるものとして所得税基本通達37-25(2)(注)では、「譲渡契約の効力に関する紛争において当該契約が成立することとされた場合の費用」があります。

 

このことから、譲渡契約の内容等の紛争による弁護士報酬などが譲渡費用に該当するものと考えます。私見ですが、紛争を予防するため譲渡契約締結までの代理を委任したことによる弁護士報酬なども譲渡費用に含まれるものと考えます。

 

一方、譲渡費用とされない弁護士報酬として次のものが国税庁・国税不服審判所サイトに掲載されています。

 

(国税庁サイト 質疑応答事例)

譲渡代金の取立てに要した弁護士費用等

 

(国税不服審判所裁決例要旨)

訴訟上の和解により立木の対価の名目で支払われた金員は山林所得ではなく譲渡所得に該当し、訴訟費用、弁護士費用は譲渡費用に該当しないとした事例

 

買主に本件土地の所有権移転登記を了した後、当該土地の元所有者の相続人から提起された訴訟に係る弁護士費用は、譲渡費用に当たらないとして、請求人の主張を排斥した事例

 

上記要旨

 

先に触れた最高裁判決を基に譲渡費用に関して述べられた次の論文が、弁護士報酬と譲渡費用で検索すると上位に表示されます。参考になると思いますのでご覧ください。

 

譲渡費用概念の法的再検討

 

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2018年11月 7日 (水)

介護医療院施設サービス費の自己負担額は医療費控除の対象です

介護保険法改正により、新たな介護保険施設として介護医療院が創設されたそうです。

 

この介護医療院の施設サービス費に係る自己負担額が医療費控除の対象となることが、下記の国税庁サイトで明らかにされています。

介護保険制度下での介護サービスの対価に係る医療費控除の取扱いについて(情報)

 

理由については、下記のとおりです(そのまま抜粋)

 
 

介護医療院は、医療法に定める「病院」又は「診療所」ではないものの、医療法以外の規定(健康保険法等を除く。)では、原則として「病院」又は「診療所」に含まれることとされており(介護保険法第115条第1項)、また、介護老人保健施設よりも高度な医療を提供する施設とされている(介護保険法第8条第29項)ことから、介護医療院の施設サービス費に係る自己負担額は、介護老人保健施設の施設サービス費に係る自己負担額と同様、医療費控除の対象となる。

 

 

確定申告の参考にしてください。

 

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2018年10月 5日 (金)

地積規模の大きな宅地の評価のポイント

先日受けた研修「地積規模の大きな宅地の評価の適用についての実務上の留意点」についての備忘録です。

平成30年1月1日以後の相続または贈与により取得した場合に適用できる地積規模の大きな宅地の評価(財産評価基本通達20-2)のポイントは以下のとおりです。

 

1.地積基準

(1)三大都市圏・・・500㎡以上

(2)上記以外・・・・・1,000㎡以上

<留意点>

広大地の適用可能であったミニ分譲は除かれる。

 

2.適用できる地区

(1)普通商業・併用住宅地区

(2)普通住宅地区

(3)市街化調整区域で宅地開発が可能な宅地または地域

<留意点>

広大地の適用可能であった中小工業地域は除かれる。

正面路線価が2以上の地区にわたる場合は、過半の属する地区で判定する。

 

3.容積率基準

指定容積率(建築基準法第52条第1項)400%(東京23区内は300%)以上は除外

<留意点>

個別容積率で判定しない。

対象地が2以上の異なる容積率にまたがる場合は、指定容積率を面積割合により加重平均して求めた容積率で判定する。

 

4.開発道路は必要要件ではない。

<留意点>

路地状開発地や奥行の浅い宅地も適用可能。

 

5.「現に宅地として有効活用されていない」という要件はない。

<留意点>

敷地上にどのような建物が建っていても適用可能。

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2018年9月27日 (木)

贈与税が非課税となる生活費等の贈与(通達等のまとめ)

扶養義務者(1)間における生活費(2)(4)や教育費(3)(4)に充てるための贈与財産で通常必要と認められるもの(5)は、贈与税の非課税財産とされています(相続税法第21条の3)。

上記番号の意義等は下記のとおりです。

 

(1)扶養義務者

配偶者、直系血族、兄弟姉妹、その他一定の三親等内の親族(相続税法第1条の2第1号、相続税法基本通達1の2-1)。

 

(2)生活費

通常の日常生活を営むのに必要な教育費以外の費用。

治療費、養育費等を含むが、これらのうち保険金や損害賠償金により補てんされた金額は除く(相続税法基本通達21の3-3)。

 

(3)教育費

扶養される者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等。

留意点として、義務教育費に限らないことがある(相続税法基本通達21の3-4)。

 

(4)生活費、教育費の取扱い

非課税となるのは、生活費や教育費として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与された財産である。

したがって、生活費や教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合や株式や家屋の買入代金に充当したような場合、これらの預貯金や買入代金等の金額は非課税とはならない(相続税法基本通達21の3-5)。

 

(5)通常必要と認められるもの

扶養される者の需要と扶養する者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産(相続税法基本通達21の3-6)。

 

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2018年9月13日 (木)

平成21年から22年中に取得した土地等を譲渡した場合の1,000万円の特別控除

個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得をした国内にある土地等の譲渡をした場合には、その年中にその譲渡をした土地等の全部又は一部につき一定の規定の適用を受ける場合を除き、長期譲渡所得の金額から1,000万円を控除できます(措置法第35条の2第1項)。

 

また平成21年から22年中に取得した土地等を分筆後2年に分けて譲渡したときも、法令等において特に制約がないことから、それぞれの年分について要件を満たす限り上記控除が適用できる旨が、ある質疑応答事例で出ていました。

 

なお、この控除は確定申告書にこの規定の適用を受ける旨の記載と一定の書類の添付がある場合に適用されることから(措置法第35条の2第3項)、適用を失念しないよう気をつけなければいけません。

 

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2018年8月28日 (火)

中小企業向け所得拡大促進税制のガイドブックなど

平成30年度税制改正により、平成30年4月1日以降開始の事業年度(個人の場合は平成31年分)から所得拡大促進税制(個人→措置法第10条の5の4、法人→同法第42条の12の5)が変わります。

中小企業においては、主に次のような改正がされています。

 

・基準年度(平成24年度)の給与総額との比較の廃止

・継続雇用者の定義の見直し

・計算方法の簡素化

・税額控除率の拡充

 

改正内容等を記載した中小企業向け所得拡大促進税制のガイドブックなどが、下記の中小企業庁サイトに掲載されています。

 

積極的な賃上げに取り組む企業を応援します(中小企業向け所得拡大促進税制)

 

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2018年8月 8日 (水)

新たに貸付事業の用に供された場合(小規模宅地等の特例)

平成30年4月1日以後の相続等による取得より、小規模宅地等の特例の対象となる貸付事業用宅地等(措置法第69条の4第3項第4号)が改正され、相続開始前3年以内に「新たに貸付事業の用に供された」宅地等は原則として適用除外となりました。

詳細は、下記を参照してください。

 

小規模宅地等の特例・貸付事業用宅地等の改正

 

この場合の「新たに貸付事業の用に供された」とは、次の場合をいいます(以下、措置法通達69の4―24の3)。

 

 
 

1.貸付事業の用以外に供されていた宅地等が、貸付事業の用に供された場合

 

2.宅地等やその上にある建物等について「何らの利用がされていない場合」のその宅地等が、貸付事業の用に供された場合

 

 

したがって、賃貸借契約等につき更新がされた場合は、「新たに貸付事業の用に供された」場合に該当しないことになります。

 

また、次のような場合における貸付事業用の建物等が一時的に賃貸されていなかったとき、その建物等に係る宅地等は「何らの利用がされていない場合」に該当せず、それぞれ退去前、建替え前、休業前の賃貸に係る貸付事業の用に供された時が「新たに貸付事業の用に供された」時となります。

 

 
 

1.次のような退去の場合

 

継続的に賃貸されていた建物等の賃借人が退去をした場合で、その退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、賃貸されていたとき。ただし、新たな賃借人が入居するまでの間、その建物等を貸付事業の用以外に供していないときに限ります。

 

2.次のような建替えの場合

 

継続的に賃貸されていた建物等の建替えが行われた場合で、建物等の建替え後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、賃貸されていたとき。ただし、その建替え後の建物等を貸付事業の用以外に供していないときに限ります。

 

3.次のような休業の場合

 

継続的に賃貸されていた建物等が災害により損害を受けたため、その建物等に係る貸付事業を休業した場合で、その貸付事業の再開のためのその建物等の修繕等が行われ、貸付事業が再開されていたとき。ただし、休業中にその建物等を貸付事業の用以外に供していないときに限ります。

 

 

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