2009年11月27日 (金)

定期金に関する評価が見直し?

政府税制調査会が22年度改正に取り組んでいます。新聞報道などでは扶養控除の廃止や配偶者控除の見直しが多く取り上げられているようですが、法人税関係ではグループ法人税制も論点にあがっているそうです。

論点の中で要望にあがらなかったものとして注目したのが、相続税関係における「定期金に関する権利の評価の見直し」です。保険に関する権利の評価額が課税時期の解約返戻金相当額に改正された後、保険関係の相続税の評価減対策として個人年金保険を使った定期金に関する権利による手法が、かなり提案され実行されているようです。

定期金に関する権利の評価は相続税法24条に規定されており、一般的な有期定期金については、原則としてその残存期間に応じて残存期間に受けるべき給付金額の総額に、一定割合(0.2~0.7)を乗じて計算した金額としています。

本法上の規定のため、法律改正が必要となります。

消費税における自動販売機作戦と同様にある程度封じ込めてしまおうと言うものなのでしょうが、さてどうなるか・・・今後に注目でしょう。

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2009年11月 5日 (木)

養子の子供の直系尊属

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税(措置法70条の2)が施行され、これに関する措置法通達も発表されました。この措置法通達の70の2-1で直系尊属に含まれないケースが例示されています。

この措置法通達 →http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sozoku/sochiho/kaisei/090807/pdf/01.pdf

(1)は義理の親のこと、(3)は特別養子における実親等のこと。

ややこしいのが次の(2)です(以下、要約)。

その特定受贈者の父母が養子縁組による養子となっている場合において、その特定受贈者がその養子縁組前に出生した子である場合のその父母の養親及びその養親の直系尊属。

養子縁組は、縁組時点で養親・その血族と養子との間に血族関係が生じますが、養親・その血族と養子の血族(養子の子供等)とは血族関係が生じません。この事から、養子縁組時点で出生していた養子の子は養親等と血族関係がないことになり、養親等は直系尊属とはなりません。

この事は、養子が以前死亡等したため代襲相続が起こる場合の代襲相続人の判定についても同様となりますので、希なケースかもしれませんが相続税の申告に当たっても注意が必要です。

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2009年10月23日 (金)

親子リレーローンの税務

自宅を建てるときに金融機関から融資を受ける際、親子リレーローンというものがあります。これは親の年齢などから借入期間が長くできない場合に同居する子供を連帯債務者とする等の方法により親から子供へ借入金を引き継ぐ事により借入期間を長期間にできるローン商品です。

子供が親から借入金を引き継いだときには、引き継いだ金額に相当する自宅建物の持分を親からの贈与として登記することになるのでしょうが、税務上も贈与として取り扱われ贈与税の課税対象となります。ただし、この場合は借入金の負担を付けた贈与として負担付贈与になります。負担付贈与を受けた場合の建物の贈与税の評価額は、通常の場合の相続税評価額(固定資産税評価額)ではなく通常の取引価額・・・すなわち時価とされています。そして贈与税の課税価格は、建物時価-引き継いだ借入金相当額となります。

一方、負担付贈与をした親の方は子供に引き継いでもらった借入金相当額で自宅建物の持分を譲渡したとして譲渡所得税の課税対象となります。

自宅建物の持分のみを負担付贈与(子供の側)や譲渡(親の側)をした場合、その建物持分の時価が問題となります。一般的には、建物のみ・・・借地権を考慮しないときには、原価法で考えざるを得ないのでないかと思います。すなわち時価=譲渡所得税における取得原価となり、同額分の借入金の引継となれば子供の側の贈与税負担も親の側の譲渡所得税負担もないことになります(この段落は私見です)。

親子リレーローンの対象物件が自宅建物のみではなく、宅地も含まれるとすると税務上の問題が生じる可能性有りでしょう。この辺りは、親子リレーローンを販売する金融機関も承知のことだと思いますが・・・

なお、負担付贈与における贈与税の取扱いについては、次の国税庁サイトを参考にして下さい。

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4426.htm

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2009年10月15日 (木)

清算所得課税方式

以前触れた「資本に関係する取引等に係る税制についての勉強会 論点とりまとめ」の3にて、清算所得課税について触れています。

「解散前後で課税が異ならないよう、清算所得課税を通常の所得課税に移行することが考えられる」としています。これは解散の日を含む事業年度(解散事業年度)が各事業年度の所得課税であるのに対し、清算結了の日が属する事業年度は財産課税となっています。特に清算結了がすぐにできた場合(最短で3ヶ月程度)には、短期間であるにもかかわらず課税方式の違いから不公平が出てしまう可能性があることから改正の対象としたようです。

改正されますと、例えば中小企業庁が中心に進めた中小企業の事業再生支援策である第二会社方式の支援策などを利用する場合などに影響が出てくる可能性があるようです。

なお、論点とりまとめの改正論は、租税特別措置ではなく本法改正となるようなので、政権交代の影響なく改正となる可能性が高いとのことです。

論点とりまとめと再生支援策は、次のサイトにて確認できます。

資本に関係する取引等に係る税制についての勉強会 論点とりまとめ

→ http://www.mof.go.jp/singikai/shihon/gijiyosi/pdf/ronten.pdf

中小企業の事業再生支援策

→ http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/2009/download/090622SaiseiPower.pdf

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2009年10月 1日 (木)

FPジャーナル10月号

FPジャーナル10月号誌上講座の相続事業承継設計に私が書いた「住宅に関連する贈与税の特例」が掲載されました。

今回は次の特例3つについて、概要と留意点を書きました。

1.贈与税の配偶者控除の特例

2.住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

3.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例

2は(延長されるかもしれませんが)今年いっぱいで期限切れの特例、3は今年6月に成立した新たな特例ということで、書くとしたら時期的には今しかないと思いこのテーマとしました。

ちなみに国税庁サイトでは、タックスアンサーにて1と2の概要が次の所に掲載されています。

贈与税の配偶者控除の特例

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4452.htm

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4503.htm

また、3については次の所にパンフレットが掲載されています。 

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku-zoyo/8102/pdf/01.pdf

併せて参考にしていただければと思います。

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2009年9月18日 (金)

非上場株式等の納税猶予制度の問題点

平成21年度税制改正の目玉の1つが非上場株式等に係る相続税と贈与税の納税猶予制度でした。先頃、これらに係る通達も新設されましたが、実務上問題となりそうな部分がいくつかあるようです。

その1つに相続税の納税猶予制度を適用しようとする場合、後継者である経営承継相続人等が被相続人の債務を負担することとなったとき、猶予税額が減少してしまうことがあります。さらに、納税猶予の対象となる非上場株式等(特例非上場株式等)と経営承継相続人等が負担する債務が同額である場合には納税猶予額が0円となり、結果として納税猶予の適用が受けられなくなります。

これは納税猶予額の計算上、経営承継相続人等の負担する債務は特例非上場株式等の価額から控除することとされているためです。

要件が細かい制度ですが、この様な落とし穴があることにも注意しなければなりません。

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2009年8月31日 (月)

平成22年度税制改正の見込み(その3)

総選挙の結果、政権交代となるようです。しかし政権交代の有無にかかわらず、22年度の法人税制改正で導入されるかどうか微妙なものが、グループ法人単体課税(仮称)のうち次の事項です。

グループ内法人の資本金等を基準にした各種制度の適用の可否について、親法人の資本金等の規模も判定要素とする。対象となる主要な制度は以下のようなものがある。

・交際費の損金不算入

・800万円以下の軽減税率

・留保金課税など

以上が「資本に関係する取引等に係る税制についての勉強会」の論点とりまとめに記載されていることの要約です。

実は、対象となる制度で一番問題となるのが、貸倒引当金の繰入率の特例だそうです。この改正がなされると、親法人が中小企業等に該当しないときには、たとえ子法人が資本金1億円以下であっても法定繰入率が適用できなくなってしまうことになるのでしょう。

中小企業団体の猛烈な反発があるようで、新政府与党は果たしてどのように決着を付けるのか?

公約のこともあるので、要注目ですね。

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2009年8月24日 (月)

平成22年度税制改正の見込み(その2)

22年度の法人税制改正で大きなポイントとなりそうなグループ法人単体課税制度(仮称)についての続きです。

連結納税制度を選択しない場合のグループ法人間の取引における一定の調整について、次の事項などが検討されています。

1.グループ法人間の寄付金課税の見直し

連結納税制度を適用している場合と同様に、受け手と支出側の寄付金の益金と損金不算入措置を見直す。

2.受取配当金の益金不算入における控除負債利子の不適用

連結納税制度を適用している場合と同様に、グループ子会社からの受取配当金の益金不算入の計算において控除負債利子の適用を不要とする。

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2009年8月18日 (火)

平成22年度税制改正の見込み

平成22年度の税制改正を見込んで「資本に関係する取引等に係る税制についての勉強会」が関連省庁と学者、民間団体等の間で行われているそうです。このほどその勉強会の論点とりまとめが公表されています・・・分かりにくいけど

→ http://www.mof.go.jp/singikai/shihon/gijiyosi/pdf/ronten.pdf

先日、これを基にした研修会を受けてきました。政局の関係で流動的な部分があるのですが、22年度の法人税制改正で大きなポイントとなるのがグループ法人課税となるようで、これは大きく分けて次の2つの改正となります。

1.連結納税制度の見直し

2.グループ法人単体課税制度(仮称)の導入

1については、連結納税制度を使いやすくするもので、子会社の繰越欠損金の引継問題の見直しなどです。

注目したのは2についてで、連結納税制度を選択しない場合のグループ法人間の取引について、一定の調整をするものです。なお、ここで言うグループとは企業再編税制におけるグループと同一の考え方をするようです。

今回はその調整のうちの1つについて。

連結納税制度を選択しない場合においても、グループ法人間の資産の譲渡取引によって生じる損益について、その資産がグループ外取引等をされるまで計上を繰り延べるというものです。譲渡益のみではなく譲渡損も繰り延べることになるので、時価が下がった資産を他のグループ法人に譲渡しても譲渡損の計上はその時点ではできないことになります。なお、この場合の資産とは、固定資産・土地・有価証券等で棚卸資産は除かれる模様です。

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2009年8月12日 (水)

相続制度と相続税

日本の現行の相続制度は包括承継主義と言うそうで、民法でも「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」としています。

一方、英米の相続制度は精算主義と言うそうで、遺産管理人等が被相続人の義務(債務)を被相続人の権利(財産)でもって精算して、残りを相続人等に分配するという方式です。この場合、被相続人の死亡による相続税も被相続人の債務と言うことになり精算の対象となります。

噂によると民主党は日本の相続制度を精算主義に変更することを研究しているそうです。精算主義による相続税は遺産課税方式が馴染むはずで、現に英米は遺産課税方式を採用しています。確か民主党の前の税制大綱で「相続税を遺産課税方式に変更する」というものがあったことを思い出しました。さてどうなるか? → 総選挙はどうなるか? という感じでしょうか。

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