2017年9月21日 (木)

仮想通貨に対する税務

報道によると旅行会社のH.I.S.が首都圏内38店舗にてビットコインでの決済を導入するそうですが、このビットコインを使用する場合の税務の取り扱いが国税庁サイトのタックスアンサーで公表されています。

 

ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係

 

そのまま引用すると次のとおりです。

 

 
 

ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

 

 

 

このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

 

 

雑所得となる場合、ビットコインを使用したこと等により損失が生じても総合課税となる雑所得のみと通算でき、他の所得との損益通算はできないことになります。

 

なお、週間税務通信3474号によるとビットコインに係る雑所得と認識されるのは次のケースだとしています。

 

・日本円等に換金(事業として継続的に行えば事業所得)→換金時に認識

・資産を購入(事業用資産を購入したら事業所得)→購入時に認識

・別の仮想通貨とトレード(事業として継続的に行えば事業所得)→トレード時に認識

 

また同紙によると、相当の資本投下をしてビットコインを採掘する場合には採掘時の事業所得とされるとし、ビットコイン以外の仮想通貨の取り扱いも同様と考えられるとしています。

 

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2017年8月28日 (月)

老人ホーム等を移った場合の小規模宅地等の特例

措置法第69条の4に規定する小規模宅地等の特例の適用対象となる被相続人の居住用宅地等については、次のものが含まれることとされています(同法第1項、措置法施行令第40条の2第2項)。

 

介護保険法に規定する要介護認定等を受けていた被相続人が、老人福祉法に規定する一定の老人ホーム等(以下、「該当する老人ホーム等」とします)に入居したことにより、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていなかったことが前提となります。

この場合の居住の用に供されなくなる直前の被相続人の居住用宅地等

 

下線部分以外の留意点としては次のとおりです。

 

・居住の用に供されなくなってから、事業の用又は被相続人と生計を一にする親族(被相続人と該当する老人ホーム等の入居直前において生計を一にし、かつ、同建物に引き続き居住している被相続人の親族も含まれます)以外の者の居住の用に供されていた場合を除きます(措置法施行令第40条の2第3項)。

 

・要介護認定等を受けていたかどうかは、被相続人の相続の開始の直前において判定します(措置法通達69の4-7の2)。

 

下線部分について読み替えて要約すると次のようになります。

 

 
 

要介護認定等を受けていた被相続人が該当する老人ホーム等に入居したことにより、居住の用に供されなくなる直前の被相続人の居住用宅地等

 

 

したがって、次のように転居した場合の自宅敷地は被相続人の居住用宅地等とならず、特例の適用はないことになります。

 

自宅→該当しない老人ホーム等→該当する老人ホーム等(相続開始)

 

以上、下記の本を当たったときに読み、全く想定していなかったため自分自身の備忘を兼ねて書きました。

 



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2017年8月 4日 (金)

被相続人と同居親族が揃って老人ホーム等に入居していた場合の小規模宅地等の特例の適用について

被相続人と同居親族が揃って老人ホーム等に入居したため、被相続人所有の自宅が空き家等となる場合が見受けられます。このような場合に、被相続人の相続に係る「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(措置法第69条の4)」の適用が受けられるかどうかで相続税額に差が出てくることも想定されます。

 

まず空き家等となった自宅敷地が被相続人の居住用宅地等に含まれるのかを判定することになり、次の要件の全てを満たす場合、被相続人の居住用宅地等に含まれます。

 

・被相続人が要介護認定又は要支援認定を受けていたこと(これに類する一定の場合を含む)

・老人福祉法に規定する養護老人ホーム等に入居していたこと(以上、措置法施行令第40条の2第2項)

・その家屋が事業の用又は被相続人等以外の者の居住の用に供されていないこと(措置法施行令第40条の2第3項)

 

上記全要件を満たす宅地等を、次の1又は2に該当する親族が取得した場合のその取得部分について、特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

 

1.被相続人の配偶者(措置法第69条の4第3項第2号)

 

2.次の要件の全てを満たす配偶者以外の被相続人の親族(措置法第69条の4第3項第2号ロ) → いわゆる「家なき子」に該当する場合

・相続開始前3年以内に日本国内にある本人又はその配偶者の所有する家屋に居住したことがない一定の者であること

・相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有していること

 

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2017年8月 1日 (火)

一体利用している宅地等の間に青地が入っている場合の相続税評価額

一体利用している宅地等の間に青地が入っている場合、この一体地の相続税評価額は、青地を含む宅地等を1つの単位として算出した評価額から、青地部分の価額を控除して評価するのが一般的です。

この方法は、次の国税不服審判所裁決でも採用されています。

 

平成28年12月7日裁決

 

上記裁決では、この場合の青地の価額は払下げ費用相当額であるとして、次のように述べています。

 

 
 

・青地部分の土地の売買が成立し得るのは請求人らと市の間に限定される。

 

・市が青地部分の土地を請求人らに売却した場合の売買代金である払下げ費用相当額は、国有財産評価基準によりその算定方法が画一的に決められていることからすると、青地部分の土地の価額については、相続開始日において青地が請求人らに払い下げられたとした場合の払下げ費用相当額とするのが相当である。

 

 

青地についての国有財産評価基準による払い下げ費用相当額の計算については、次の記事で紹介した裁決例が参考になります。

 

時効取得した旧水路等に係る一時所得の収入金額

 

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2017年7月28日 (金)

時効取得した旧水路等に係る一時所得の収入金額

時効取得した土地(公共用財産たる里道・水路等のうち、その機能を喪失したもので、単独利用が困難な土地)に係る一時所得の収入金額は、国有財産評価基準に基づいて相続税評価額を用いて計算した価額によることとした裁決事例があります。

 

平成25年7月24日裁決

 

審判所は次のように判断しています。

 

 
 

(要約)

 

・公共用財産たる里道・水路等のうち、その機能を喪失したもの(旧法定外公共物)で単独利用できない財産については、原則として、隣接土地所有者に対してのみ随意契約により売却され、その売却価額についても、国有財産として、国有財産評価基準に従って評価されているところであり、同基準に準じて算定することに合理性があると認める。

 

・国有財産評価基準における「単独利用困難な土地の評定価格の求め方」に定める「一体利用地内に取引事例価格がない場合」に該当すると、財産評価基本通達による相続税評価額を基に算出することとされている。

 

・国有財産評価基準によれば、相続税評価額を基とした価格の算出に当たっては、一体利用地(土地所有関係にかかわらず、評価土地を含めて一体利用することが適当と認められる画地)として評価することとされている。

 

 

これより、収入金額はまとめると次のような計算となっています(詳細は上記の国税不服審判所サイト中の別表7-1、時点修正は別表7-2を参照してください)。

 

 
 

{一体評価した自用地としての1㎡当たりの価格×(1-時点修正率)-1㎡当たりの造成費等}×(1-借地権割合)×需給関係による修正率×地積

 

 

これは、「利用区分・地区区分等に応じて一体評価した相続税評価額(時点修正後)の1㎡当たりの価格×需給関係による修正率×地積」で計算していると考えます。

 

なお、需給関係による修正率は、国有財産評価基準より、評価土地が、私道敷地、高圧線下地又は崖地以外の土地の場合は50%、崖地の場合で傾斜度が15度以上30度未満の場合は40%などとされています。

 

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2017年7月 3日 (月)

平成29年分の路線価等発表

平成29年分の路線価や倍率等が記載された平成29年分財産評価基準が国税庁サイトにて公開されました。

 

平成29年分財産評価基準を見る

 

平成29年1月1日から12月31日までの間に相続等により取得した土地等の相続税評価額を計算する場合に利用してください。

 

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2017年6月27日 (火)

長期譲渡所得の概算取得費

所得税の長期譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除する土地等の取得費について、収入金額の5%相当額とする概算取得費の適用については、譲渡した土地等をいつから所有していたかにより取り扱いが異なります。

 

1.昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地等(措置法第31条の4)

収入金額の5%相当額とする。

ただし、この金額が土地等の取得に要した金額と改良費の額との合計額に満たないことが証明された場合には、その合計額等とする。

 

2.昭和28年1月1日以後に取得した土地等(措置法通達31の4-1)

収入金額の5%相当額として差し支えない。

 

つまり、昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地等については、実額の取得費を証明できない場合には概算取得費の適用が強制されることになります。

一方、昭和28年1月1日以後に取得した土地等については、収入金額の5%相当額とすることができるとされていることから、推計による取得費を適用できる可能性があることになります。

 

推計による取得費として市街地価格指数を用いた有名な裁決事例が次のものです。

 

平12.11.16裁決、裁決事例集No.60 208

 

概要は以下のとおり。

 

 
 

一括譲渡した土地・建物の取得価額が不明であったが、先ず建物の取得費を着工建築物構造単価から算定した。

 

土地の取得費は、譲渡価額の総額から建物の取得費を控除して土地の譲渡価額を算定した上で、譲渡時に対する取得時の市街地価格指数(住宅地)の割合を乗じて算定した。

 

 

なお、推計による取得費の適用は、取得時の契約書等がなく、実額として疎明できるような資料等も探したがない場合に適用を検討することになると思います。

 

以上、先日受講した研修より、備忘記録です。


 

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2017年6月20日 (火)

平成30年分以後の所得税より、いろいろな配偶者

平成30年分以後の所得税より、配偶者控除と配偶者特別控除が見直されます。

具体的内容は国税庁が作成した次のあらましを参照してください。

 

源泉所得税の改正のあらまし 平成29年4月

 

その概要は次のとおりです(上記あらましより抜粋して要約)。

 

 
 

・配偶者控除の額が改正され、合計所得金額が1,000万円を超える居住者については、配偶者控除の適用を受けることができない。

 

・配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされ、その控除額が改正された。

 

・配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法が変更された。

 

 

上記のうち、配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法とは、源泉徴収税額表甲欄を適用する場合の配偶者の取り扱いで、具体的には次のとおりです(上記あらましより抜粋して要約)。

 

 
 

・配偶者が源泉控除対象配偶者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算する。

 

・同一生計配偶者が障害者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算する。

 

 

今回の改正でいろいろな配偶者の名称が出てきています。

 

 
 

源泉控除対象配偶者

 

→合計所得金額が900万円以下である居住者における配偶者で、その居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く)のうち、合計所得金額が85万円以下である者

 

 

 

(所得税法第2条第1項第33の4号)

 

 

同一生計配偶者、控除対象配偶者、老人控除対象配偶者の意義と関係は次のとおりです。

 

                           
 

同一生計配偶者

 

→居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く)のうち、合計所得金額が38万円以下である者

 

 

 

(所得税法第2条第1項第33号)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

控除対象配偶者

 

→同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1,000万円以下である居住者の配偶者

 

 

 

(所得税法第2条第1項第33の2号)

 

 

 

 

 
 

老人控除対象配偶者

 

→控除対象配偶者のうち、年齢70歳以上の者

 

 

 

(所得税法第2条第1項第33の3号)

 

 

 

 

 
 

 

 

 

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2017年5月31日 (水)

類似業種比準価額等の改正

財産評価基本通達180等が改正され、類似業種比準方式の算式や会社規模の判定基準などが見直されました。

平成29年1月1日以後の相続等・贈与より改正後の算式・基準等が適用されます。

 

見直しの概略は以下のとおりです(下記の国税庁サイトよりそのまま引用)。

 

「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)

 

 
 

・取引相場のない株式等を評価する際の類似業種比準方式の算式について、次のとおり改正した。

 

1 類似業種の株価について、現行に課税時期の属する月以前2年間平均を加える。

 

2 類似業種の配当金額、利益金額及び純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)について、連結決算を反映させたものとする。

 

3 配当金額、利益金額及び純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)の比重について、1:1:1とする。

 

(評価通達180、182、183-2、189-3、194-2、明細書通達=改正)

 

 

 

・取引相場のない株式等を評価する際の会社規模の判定基準における大会社及び中会社の総資産価額   (帳簿価額によって計算した金額)、従業員数及び直前期末以前1年間における取引金額について、近年の上場会社の実態に合わせて改正した 。

 

(評価通達178、179、189、明細書通達=改正)

 

 

また、これにより平成29年1月1日以後の相続等・贈与による取引相場のない株式等の評価明細書の様式が一部改正されました。

 

「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)

 

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2017年5月19日 (金)

役員に対する貸付金利息

法人がその役員に対する貸付金等を有する場合、それが無利息や低い利息で貸し付けているときは、経済的利益が発生し、役員給与として給与課税された上、定期同額給与に該当しないときは損金不算入となります(所得税法第36条、法人税法第34条)

 

ただし、その利率が貸付けを行った日の属する年の特例基準割合による利率[措置法第93条第2項 平成27年以後1.8%(※)]以上であれば、原則として給与課税されません(所得税基本通達36-49)。

逆に低い場合は、下記の場合を除き、特例基準割合による利率と実際の貸付利率との差額が、給与課税されます。

 

()平成29年5月19日現在

 

 
 

・災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった場合に、合理的な金額や返済期間で貸し付ける場合

 

・会社の銀行借入金等の平均調達金利など合理的な貸付利率によって貸し付ける場合

 

・その他の場合で特例基準割合による利率と実際の貸付利率との差額分の利息額が1年間で5千円以下である場合

 

(所得税基本通達36-28)

 

 

なお、差額部分の利息額について未収利息を計上するときの未収入金の取り扱いについては、個別通達 認定利息の取扱について(国協178 直法1-165 昭和29年9月15日) があり、次のとおりです(そのまま引用)。

 

 
 

1 同族会社の代表者等に対する仮払金(貸付金を含む。以下同じ。)について認定利息を計算することは当然であるが、当該計算に当つては、進んで複利計算によるようなことはしないで、元本である仮払金についてだけ利息を認定することとし、認定利息の集積額については、利息を認定しないものとすること。ただし当該利息を元本に繰り入れた場合または元本についてだけ返済があり、利息について未収のまま放置している場合等特に課税上弊害があると認められるときには、この限りでないこと。

 

2 代表者等からのもどし入額について、元本である仮払金または未収利息のいずれに充当するかは、会社計算によるものとすること。

 

 

これは、次の説によるものとしています。

 

 
 

同族会社の行為否認として、認定利息を計算することは当然であるが、その認定利息の集積された未収金の残高に対して、更に認定利息を課税することは、所謂重利であり、過酷であるから、無理に課税すべきではない。

 

 

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