2009年11月 5日 (木)

養子の子供の直系尊属

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税(措置法70条の2)が施行され、これに関する措置法通達も発表されました。この措置法通達の70の2-1で直系尊属に含まれないケースが例示されています。

この措置法通達 →http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sozoku/sochiho/kaisei/090807/pdf/01.pdf

(1)は義理の親のこと、(3)は特別養子における実親等のこと。

ややこしいのが次の(2)です(以下、要約)。

その特定受贈者の父母が養子縁組による養子となっている場合において、その特定受贈者がその養子縁組前に出生した子である場合のその父母の養親及びその養親の直系尊属。

養子縁組は、縁組時点で養親・その血族と養子との間に血族関係が生じますが、養親・その血族と養子の血族(養子の子供等)とは血族関係が生じません。この事から、養子縁組時点で出生していた養子の子は養親等と血族関係がないことになり、養親等は直系尊属とはなりません。

この事は、養子が以前死亡等したため代襲相続が起こる場合の代襲相続人の判定についても同様となりますので、希なケースかもしれませんが相続税の申告に当たっても注意が必要です。

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2009年10月 1日 (木)

FPジャーナル10月号

FPジャーナル10月号誌上講座の相続事業承継設計に私が書いた「住宅に関連する贈与税の特例」が掲載されました。

今回は次の特例3つについて、概要と留意点を書きました。

1.贈与税の配偶者控除の特例

2.住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

3.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例

2は(延長されるかもしれませんが)今年いっぱいで期限切れの特例、3は今年6月に成立した新たな特例ということで、書くとしたら時期的には今しかないと思いこのテーマとしました。

ちなみに国税庁サイトでは、タックスアンサーにて1と2の概要が次の所に掲載されています。

贈与税の配偶者控除の特例

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4452.htm

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4503.htm

また、3については次の所にパンフレットが掲載されています。 

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku-zoyo/8102/pdf/01.pdf

併せて参考にしていただければと思います。

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2009年9月18日 (金)

非上場株式等の納税猶予制度の問題点

平成21年度税制改正の目玉の1つが非上場株式等に係る相続税と贈与税の納税猶予制度でした。先頃、これらに係る通達も新設されましたが、実務上問題となりそうな部分がいくつかあるようです。

その1つに相続税の納税猶予制度を適用しようとする場合、後継者である経営承継相続人等が被相続人の債務を負担することとなったとき、猶予税額が減少してしまうことがあります。さらに、納税猶予の対象となる非上場株式等(特例非上場株式等)と経営承継相続人等が負担する債務が同額である場合には納税猶予額が0円となり、結果として納税猶予の適用が受けられなくなります。

これは納税猶予額の計算上、経営承継相続人等の負担する債務は特例非上場株式等の価額から控除することとされているためです。

要件が細かい制度ですが、この様な落とし穴があることにも注意しなければなりません。

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2009年8月12日 (水)

相続制度と相続税

日本の現行の相続制度は包括承継主義と言うそうで、民法でも「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」としています。

一方、英米の相続制度は精算主義と言うそうで、遺産管理人等が被相続人の義務(債務)を被相続人の権利(財産)でもって精算して、残りを相続人等に分配するという方式です。この場合、被相続人の死亡による相続税も被相続人の債務と言うことになり精算の対象となります。

噂によると民主党は日本の相続制度を精算主義に変更することを研究しているそうです。精算主義による相続税は遺産課税方式が馴染むはずで、現に英米は遺産課税方式を採用しています。確か民主党の前の税制大綱で「相続税を遺産課税方式に変更する」というものがあったことを思い出しました。さてどうなるか? → 総選挙はどうなるか? という感じでしょうか。

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2009年7月 1日 (水)

21年分路線価発表

平成21年分の路線価が発表され、次の国税庁サイトにて閲覧ができます。

→ http://www.rosenka.nta.go.jp/

昨年同様に21年も予定通り7月1日の発表となりました。

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2009年6月16日 (火)

債務超過である合名会社等の持分

研修を受けてなるほどな~ と思った事例その2を紹介します。

相続税評価額を計算する上で株式会社の株式の価額は、債務超過で含み益もない場合、株価は0円で終わり。マイナス金額になることはありません。要するに債務超過分は切り捨てとなります。

では、合名、合資会社で債務超過の場合は(無限責任社員のとき)?

合名、合資会社が会社財産で債務を完済できない場合、その無限責任社員は連帯してその債務を完済する責任を持ちます。また、退社した場合、退社登記前の債務に対して責任を持ちます。このため、合名会社等の無限責任社員が死亡した場合でその合名会社等が債務超過のため会社財産で債務を完済できないときは、その死亡した者の負担すべき持分に係る会社債務をその死亡した者に係る相続税の計算上債務控除することができます。

詳細は次の国税庁サイトを参照

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/05/03.htm

同族の株式会社のオーナー社長などは、会社の借入金に対して個人保証している場合がほとんどです。つまり、無限責任を負っているのと結果的に同じ状態です。

保証債務については、原則として相続税の債務控除の対象とはならないことを考えると、不動産貸付業などの相続対策を念頭に置いて設立した株式会社等で債務超過に陥っている場合などは、会社法施行で株式会社から合名会社等への組織変更や1人合名会社が可能となったことから、この組織変更の検討ということもあるのではないかとのことでした。

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2009年6月10日 (水)

遺留分減殺請求により返還した精算課税財産

研修を受けてなるほどな~ と思った事例を1つ紹介します。

相続時精算課税の適用を受けて贈与された財産がある場合、その贈与財産は贈与者の死亡により贈与を受けた者の相続税の課税価格に贈与時の相続税評価額により加算します。

ここまでは良いのですが、この贈与等により他の相続人の遺留分を侵害してしまい遺留分の減殺請求を受け、相続時精算課税の適用を受けて贈与された財産を減殺請求した相続人へ返還した場合、この財産の評価額はどうなるのか?

減殺請求権の行使により当初の贈与は無効となり、当然ながら減殺請求した相続人はその財産について相続時精算課税を適用していないので、この場合には相続時の相続税評価額で計算するという原則に戻ります。

詳細は次の国税庁サイトを参照

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/10a/10.htm

レアケースでしょうが、だからこそ現実の事例に当たったとき知っているかいないかで問題を回避できるがどうかの違いが出そうな所です。

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2009年3月30日 (月)

平成21年度税制改正

平成21年3月27日に平成21年度税制改正法(所得税法等の一部を改正する法律他)が成立しました。これで中小法人について軽減税率を22%から18%への引き下げ、欠損金の繰戻還付や非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の導入などが決定しました。

改正内容の概略 → http://www.mof.go.jp/houan/171/st210123g.pdf

新聞報道によると政府はさらに景気対策の一環として次の減税措置を検討しているそうです。

・省エネルギー住宅等の取得のための贈与について、贈与税を軽減

・大企業にも欠損金の繰戻還付を適用

・研究開発減税の拡充

・中小法人の法人税率引き下げ

・有価証券評価損の損金算入を容易にする

適用時期は概ね21年度となるようです。さて、これらのさらなる改正が本当にされるのでしょうか?

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2009年1月19日 (月)

中小企業庁の冊子(税制改正)

中小企業庁のサイトで「平成21年度税制改正の概要(中小企業関係税制)」という冊子がダウンロードできます。

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2009/download/090109KaiseiGaiyou21.pdf

この冊子には

1.事業承継税制の全体像

2.中小企業対策税制(生活対策)

 (1)中小企業に対する軽減税率の時限的引下げ

 (2)中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活

(以下、3~8は省略)

として、図表による説明がされています。

概略を掴むのに便利なので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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2009年1月13日 (火)

贈与税の納税猶予制度

平成21年度税制改正大綱で「取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度」が創設されることとされています。しかし、大綱ではその要件等の詳細について「その他所要の措置を講ずる」としており、相続税の納税猶予制度の要件との違いの詳細が明らかではありません。

しかし、この詳細の一部について週間税務通信で情報として取り上げられています。

1.受贈者である後継者は、年齢が20歳以上で、かつ、役員就任後3年以上経過していること

2.贈与者である経営者は、役員を退任すること

3.一括で贈与すること

4.平成21年4月1日以後の贈与から適用

1~3については、円滑化法省令の改正となるようです。

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2009年1月 8日 (木)

新制度などの適用時期

平成21年となりました。税制改正などで今年より施行となるものについて、適用時期がいつになるのかが複雑なようです。

このブログで触れた改正等について、その適用時期をまとめてみました。

1.経営承継円滑化法における民法の遺留分の特例

施行日は、平成21年3月1日。なお、贈与時期については施行日前であっても適用可能です。

2.中小企業に対する軽減税率の時限的引き下げ

平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度。

3.中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活

平成21年2月1日以後に終了する各事業年度。これは前倒しされており、申告件数が多いと考えられる平成21年3月決算の中小企業も適用を受けることができます。

4.取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度

平成20年10月1日以後の相続等について遡及適用。

言うまでもなく2~4は税制改正案ですので、国会通過をして初めて正式決定となります。

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2008年12月26日 (金)

21年度改正(事業承継税制その2)

自民党の平成21年度税制改正大綱

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-032a.pdf

より、前回は取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予の免除3項目について触れました。このうち、次の2項目については租税回避行為防止のための措置が手当てされています(大綱66ページ)。

1.倒産等の場合

特例適用株式等に係る会社について、破産手続開始の決定又は特別清算開始の命令があった場合には、猶予税額の全額を免除する。

3.他者への譲渡

同族関係者以外の者へ保有する特例適用株式等を一括して譲渡した場合において、その譲渡対価又は譲渡時の時価のいずれか高い額が猶予税額を下回るときは、その差額分の猶予税額を免除する。

上記において免除するとされる額のうち、過去5年間の経営承継相続人及び生計を一にする親族に対して支払われた配当及び過大役員給与等に相当する額は免除しない。

この免除を受けるために計画的に会社から経営承継相続人等へ資金を移した上で免除を受ける、という計画倒産・計画譲渡といったスキームを防止するために設けられる措置でしょう。

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2008年12月22日 (月)

21年度改正(事業承継税制)

自民党の平成21年度税制改正大綱

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-032a.pdf

では、注目の取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予について、5年経過後の猶予税額が免除される場合として、猶予を受けた経営承継相続人(経営承継円滑化法施行規則第6条第1項第7号トに規定)が死亡等の日まで特例適用株式等を保有し続けたときの他、3項目が挙げられています(大綱65~66ページ)。

1.倒産等の場合

特例適用株式等に係る会社について、破産手続開始の決定又は特別清算開始の命令があった場合には、猶予税額の全額を免除する。

2. 次の後継者への贈与

次の後継者へ特例適用株式等を贈与した場合において、その特例適用株式等について贈与税の納税猶予制度の適用を受けるときは、その適用を受ける特例適用株式等に係る相続税の猶予税額を免除する。

3.他者への譲渡

同族関係者以外の者へ保有する特例適用株式等を一括して譲渡した場合において、その譲渡対価又は譲渡時の時価のいずれか高い額が猶予税額を下回るときは、その差額分の猶予税額を免除する。

2については、これにより新しく「取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度」ができることになりました。

3は、今後のM&Aを想定して他者へ一括譲渡した場合で、原則として譲渡対価が猶予税額より安かったとき、その安かった分は免除するが、譲渡対価が時価より安かったときは、猶予税額と時価との差額しか免除しないということでしょう。

特例適用株式等は国へ担保に供されているので、この時価というのは担保価額に近い価額ということなのかな? → 完全な私見です!

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2008年12月16日 (火)

21年度改正(中小企業税制)

20年12月12日に発表された自民党発表の平成21年度税制改正大綱によると

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-032a.pdf

中小企業対策として、6項目が挙げられています(大綱26~27ページ)。

そのうちの2つについてです。

1.中小企業に対する軽減税率の時限的引き下げ

中小法人等の平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を22%から18%に引き下げる。

2.中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活

中小法人等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額等については、欠損金の繰戻しによる還付制度の適用ができることとする。

1については、適用を受ける中小法人がどの程度メリットを感じるかが疑問です。法人税のみを考えると減税効果は1事業年度で最大限32万円、2年の時限措置のため期間を通じても最大限64万円です。やるのであれば軽減税率が適用される所得金額上限を思い切って増やした方が良かった気もします。

2については、こちらは還付という形になりますので、これまで好調だったけれどここに来て大きく業績を悪化させたような適用対象法人は案外メリットを感じるかもしれません。但し、適用対象法人は限られてくることになります。

中小企業対策についてはもう一つ、5として事業承継税制が盛り込まれています。

取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度等を創設する。

「等」ということで取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度も創設されることになっています。

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2008年12月13日 (土)

平成21年度税制改正大綱が発表

平成21年度税制改正大綱が自民党より発表されました。

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-032a.pdf

まだ全文に目を通していませんが、来年1月の税理士会所属支部の研修は事業承継をテーマとしていて、その研修責任者なので相続税関連のみをざっと見てみました。

注目したのは、新聞報道にもあるとおり取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度を設けた他に「相続税の納税猶予制度を受ける場合も、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を認める」とされたことです。両制度の併用は不可だろうといわれていましたので、驚きました。

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2008年12月10日 (水)

新納税猶予制度と円滑化法(まとめ)

新納税猶予制度について現在予想されている内容を書いてきましたが、どうやら12月12日(金)に税制改正大綱が発表される予定です。ノンビリ書きすぎたみたいで今回が最後のまとめとなってしまいました。

新聞・専門誌の情報によれば、相続税の課税方式の変更は先送りになるようです。この先送りというのは変更をやめたというわけではないので、相続時精算課税制度を導入している現在において将来的な相続税負担のあり方の予測が不安定となり(特に政治家の方々に対して)私は無責任だと思っていますがいかがでしょうか?

さて相続税の課税方式を遺産取得課税方式に変更しないため、新納税猶予制度の計算方法は当初予想されていたより複雑な計算になりそうです。恐らく大綱作成に関わっている方々はこの点も予測して準備していたでしょうから、大綱で来年度以降(いつまで続くか?)の新納税猶予制度の計算方法のアウトラインが明らかになるとは思います。

最後にこのブログを読んでくださっている税理士の方々へのお知らせですが、日税連のマルティメディア研修で12月12日より経営承継円滑化法の研修2時間が行われます。IDとパスワードが必要ですが、不明な方は所属税理士会支部等に聞けば分るはずです。是非、参考にしてください・・・ということで、後は税制改正大綱に注目です!

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2008年12月 5日 (金)

新納税猶予制度と円滑化法(その5)

新納税猶予制度について現在予想されている内容の続きで、今回は施行規則第6条第1項第7号ロにより適用除外の対象となる資産保有型会社のうち、例として不動産賃貸業について考えてみます。

前回も触れましたが、資産保有型会社には、その会社の直近事業年度末における総資産価額に対して不動産である賃貸用物件の合計額が70%以上である会社が含まれます。とすると不動産賃貸業を主業務とする中小企業者である会社は、ほぼ新納税猶予制度の適用はなしとなるのではないかと思います。

しかし、施行規則第6条第2項では次の全てに該当する不動産賃貸業を行う中小企業者は資産保有型会社には該当しないこととしています。

1.事務所等の固定施設を所有または賃借していること

2.常時使用する従業員数が5人以上であること

3.被相続人の死亡の日において、3年以上継続して自己名義・自己計算のもとで不動産貸付業を行っていること

社会保険の対象となる従業員を5人以上雇用している不動産賃貸業を行う中小企業者であれば、この要件を満たす可能性は大なのではないかと思います。

但し情報によれば、この要件は新納税制度を受けるための要件としては甘いという異論が強いそうです。そのため、これにより円滑化法の認定を受けることができても、新納税制度の適用を受けるための租税特別措置法の要件は、さらに絞り込んでくる可能性があるそうです。この件については今後の動きに注意する必要があります。

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2008年12月 2日 (火)

新納税猶予制度と円滑化法(その4)

新納税猶予制度について現在予想されている内容の続きで、施行規則第6条第1項第7号(7号要件)より適用除外の対象となる資産保有型会社(7号ロ)と資産運用型会社(7号ハ)についてです。

資産保有型会社とは、その会社の直近事業年度末における総資産価額に対して次の特定資産の合計額が70%以上である会社としています。

(1)有価証券等(一定の子会社株は除きます)

(2)自ら使用していない不動産・・・賃貸用物件などが含まれます

(3)ゴルフ会員権等

(4)事業用ではない絵画等

(5)現預金・・・代表者等への貸付金・未収金も含まれます

一方、資産運用型会社とは直近事業年度の総収入金額に対する上記の特定資産の運用収入の割合が75%以上である会社としています。

となると例えば不動産賃貸業を主業務とする中小企業者である会社は、ほぼアウト!・・・となるのですが、事業継続だけでなく雇用継続や雇用促進も目的とする円滑化法では、一定の資産保有型会社・資産運用型会社に該当する会社は施行規則第6条第2項によりセーフ!・・・としています。詳細は次回にて(^^

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2008年11月24日 (月)

新納税猶予制度と円滑化法(その3)

新納税猶予制度について現在予想されている内容の続きで、前回は新納税猶予制度の対象となる会社として具体的要件である施行規則第6条第1項第7号(今後、規則7号とします)の項目を列挙しました。これより何回かに分けて、その留意点を私の知る限り挙げてみます。

まず、規則7号イで「風営法に規定する性風俗関連特殊営業(風俗営業会社)を除く」とされていますが、ここではあくまで性風俗営業に限定しています。従って風営法の対象となるパチンコ店である会社などは、ここでいう風俗営業店に該当しないことから除外の対象とはならず適用可能な会社となります。

次に規則7号ホで「常時使用従業員数が1人以上であること」とされていますが、この常時使用従業員とは社会保険の対象となる従業員の事を指しているそうです。従って、単にパート等を含めないというわけではなく、社会保険の対象となるパートの方等は常時使用従業員に含まれてきます。

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2008年11月18日 (火)

新納税猶予制度と円滑化法(その2)

新納税猶予制度について現在予想されている内容の続きです。

新納税猶予制度の対象となる経済産業省の認定を受けることができる者は、円滑化法に定める中小企業者で経営承継による一定の事由により事業活動の継続に支障が生じていると認められる会社(上場会社等を除く)としています(円滑化法第12条第1項第1号)。

そして、その具体的要件が施行規則第6条第1項第7号にて定められています。ただし、これはあくまで円滑化法による認定要件であり、新納税猶予制度の実際の適用対象者は租税特別措置法令等で調整される可能性があります。

今回は、7号要件について番号のとおりに項目のみを列挙します。この要件のすべてに該当する会社が新納税猶予制度の対象者の前提になると考えられます。

イ、風営法に規定する性風俗関連特殊営業(風俗営業会社)を除く

ロ、資産保有型会社に該当しないこと

ハ、資産運用型会社に該当しないこと

ニ、直近事業年度の総収入金額が零を超えること

ホ、常時使用従業員数が1人以上であること

ヘ、特別子会社が上場会社等または風俗営業会社に該当しないこと

ト、その会社の代表者が経営承継相続人であること

チ、拒否権付種類株式(いわゆる黄金株で会社法108条1項8号にて規定されている株式)を発行している場合は、拒否権付種類株式を代表者である経営承継相続人以外の者が所有していないこと

これらの項目について私の把握している詳細は、次回以降で触れていきます。

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2008年11月11日 (火)

新納税猶予制度と円滑化法

平成21年度に導入予定の非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度(新納税猶予制度とします)について現在予想されている内容を書いていきます。なお、この記事は平成21年度税制改正の具体的内容が判明する前に書いています。

新納税猶予制度は租税特別措置法にて手当てされるようですが、その適用対象となる非上場会社は中小企業経営承継円滑化法及び政令・施行規則(円滑化法等とします)を援用し、状況に応じて租税特別措置法令等で更に要件を講じてくる模様です。

この「援用されると思われる円滑化法等の条文はどうなっているのか」について触れてみます。今回はややこしいですが、該当する円滑化法等の条文構成についてです。解説本などを読む際に条文構成をある程度知っていると楽なので書いていきます。

まず新納税猶予制度は、円滑化法第3章の中の第12条で規定する会社に対する支援措置が前提とされるでしょう。そして具体的な適用要件は施行規則第6条第1項第7号・8号(8号はその他の抽象的な要件ですので、7号要件とします)及び第2項(2項要件とします)となるはずです。

7号要件は新納税猶予制度の適用対象となる会社を、円滑化法等に規定する中小企業者から更に絞り込んでいます。

一方、2項要件は7号要件のうち、ロ・ハに規定される会社について緩和を図っています。

この詳細は次回以降で(^^)/

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2008年11月 4日 (火)

相続税の課税方式はどうなる(その3)

平成21年度の相続税課税方式の変更(予定)の続きです。

おおもとの資料は「相続税の課税方式の見直しに伴う主な法制的・実務的論点(以下「論点」とします)です。

→ http://www.nichizeiren.or.jp/pdf/080908_1.pdf

5.未分割での申告(論点6ページ参照)

(現行)法定相続分等で分割したとして税額計算を行い申告・納付。分割確定後に修正申告、更正の請求等を行う。

(検討案)法定相続分等で分割したとして遺産取得課税を行う。その時一定の加算をする。申告義務については、未分割財産の全てが本人の基礎控除を超える場合に課する。その後、分割協議の状況の届出を求める。

遺産取得課税に当たって一番問題となるのが未分割の場合です。遺産取得課税の場合に全相続人等の税額合計が一番少なくなるのが、法定相続分により分割取得した場合だそうです。そこで未分割の場合には一定の税額加算をするという案を出したようですが、これはかなり反発があり見送りになるかもしれません。

また、未分割の場合の各相続人等の申告義務については、全遺産のその相続人等の法定相続分がその相続人等の基礎控除を超えるかどうかで判定するのではなく、全遺産がその相続人等の基礎控除を超えるがどうかで判定する予定なので、申告の手間がかかりそうです。仮に基礎控除が1人2千万円だとしたら、未分割の全遺産が2千万円を超えたら申告しなければならず、どうするのだろう(^^?・・・というのが正直な感想です。そして、その後の状況の届出ですが、分割確定まで毎年毎年求められるとさらに手間がかかる!

遺産取得課税における未分割の場合については、今後の動向に注意です。

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2008年10月31日 (金)

相続税の課税方式はどうなる(その2)

平成21年度の相続税課税方式の変更(予定)の続きです。

おおもとの資料は「相続税の課税方式の見直しに伴う主な法制的・実務的論点(以下「論点」とします)です。

→ http://www.nichizeiren.or.jp/pdf/080908_1.pdf

4.世代飛ばし・・・孫養子が相続した場合等(論点9ページ、世代飛ばしへの対応(案)参照)

(現行)2割加算の対象とする。

(検討案)孫とその孫の親である被相続人の子をグループにして税額計算を行い、更に孫に一定の加算をする。

この計算体系は、世代とばしへの対応(案)でイメージ図が記載されています。これを見ると子AとAの子(孫・受遺者)甲、Aの子(孫養子)乙が財産を取得しています。まず子Aの相続税額は通常の遺産取得課税の計算をします。一方、甲と乙の相続税額は、A・甲・乙の取得財産合計額から基礎控除額(1人分のみの適用!)を控除してグループ税額を計算します。このグループ税額からAが納付する相続税額を引いた残り税額を甲と乙へ財産取得割合で按分します。最後に加算をして甲と乙の相続税額が計算されます。

世代とばしとなる甲と乙は基礎控除額のまともな適用がない上加算まであり、かなりの重課となる模様です。

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2008年10月28日 (火)

相続税の課税方式はどうなる(その1)

平成21年度の税制改正で相続税の課税方式の変更が予定されています。しかし、政局の関係からこの改正が21年度に出来るかどうか疑問符が付いているようです。それでも、どういう課税方式になるのかという情報を基に触れてみます。

おおもとの資料は平成20年9月発表の「相続税の課税方式の見直しに伴う主な法制的・実務的論点」で、これに改正にタッチしている方が講師をされた研修会で聞いた事を追加しています。

「相続税の課税方式の見直しに伴う主な法制的・実務的論点(以下「論点」とします)

→ http://www.nichizeiren.or.jp/pdf/080908_1.pdf

1.基礎控除額

(現行)5千万円+1千万円×法定相続人の数(論点2、3ページ参照)

(検討案)配偶者・配偶者以外の法定相続人・受遺者の3区分をも受け、この順に高い水準の基礎控除を設ける。

2.配偶者控除(論点4ページ、配偶者控除の計算イメージ(案)参照)

(現行)配偶者の課税価格が「課税価格の合計額×配偶者の法定相続分(但し、最低保障として1億6千万円を設けている)」までは配偶者の税額軽減により配偶者の相続税額はなし。

(検討案)最低保障の金額1億6千万円は引き下げられる可能性があるかも? 又、現行と同様の配偶者控除を設けるとしているが、計算イメージ(案)を見るとわかるとおり、配偶者控除の適用を受ける場合には配偶者は基礎控除の適用なし、配偶者が基礎控除の適用を受ける場合には配偶者控除の適用なしとなる。

3.生命保険金・死亡退職金の非課税限度額(論点5ページ参照)

(現行)500万円×法定相続人の数

(検討案)現行と同様の基本構造とする。

・・・続く・・・

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2008年10月25日 (土)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その7)

シリーズ最後のその7です。その7まで書いて何なのですが、このシリーズは前段階で、一番書きたかったのが相続税の課税方式の変更や非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度についてです(^^

そこで、今現在分っている相続税関連の改正について次のシリーズとするつもりです。

さて、中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)について、第3章の金融支援措置の適用を受けることができる中小企業者は法人と個人である認定中小企業者ですが、このうち個人についての要件です。なお、個人なので大前提となる円滑化法第2条の中小企業者の要件である資本金の額等の適用はなく、従業員の数の要件のみに当てはまれば円滑化法第2条の中小企業者に該当します。

個人である認定中小企業者の要件ですが、会社ではないので代表者といった会社独自の概念がないという点を除いては法人と同様に、経営承継を起因とした事業用資産で事業実施に不可欠なものを取得するため多額の費用を要することなど一定の事由が生じているため事業活動の継続に支障が生じていると認められていること(円滑化法第12条第1項第2号)とされています。

その一定の事由ですが、施行規則第6条第3項第1号~第7号までが個人事業者の金融支援に関する要件です。

なお、施行規則についての条文は次を参照してください。

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/080905zigyou_shi1.pdf

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2008年10月22日 (水)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その6)

シリーズで中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)について書いていますが、円滑化法施行規則(以下「施行規則」とします)の読み方の研修を先日受講しました。施行規則の読み方をある程度理解していると参考書に頼ることがかなり少なくなると思いますので、この研修により得た情報を元に数回に分けて書いていきます。

その6は、第3章の金融支援措置の適用を受けることができる中小企業者は法人と個人である認定中小企業者ですが、このうち法人についての要件です。

まず前提は、上場会社等を除く会社のうち、経営承継を起因とした事業用資産で事業実施に不可欠なものを取得するため多額の費用を要することなど一定の事由が生じているため事業活動の継続に支障が生じていると認められていること(円滑化法第12条第1項第1号)とされています。

この具体的な事由は施行規則第6条に定められていますが、ここの読み方が非常に大変なのです! 恐らく平成21年度の税制改正により施行される非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度を意識して、納税猶予制度の要件も先に規定したために分りにくくなったようです。

その一定の事由ですが、施行規則第6条第1項第1号~第6号までが金融支援に関する要件です。注意しなければならないのは第1項7号と第2項で、これらは非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度を意識して規定されたもののようです。

なお、施行規則についての条文は次を参照してください。

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/080905zigyou_shi1.pdf

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2008年10月19日 (日)

事業承継ハンドブック

事業承継・・・中小企業経営承継円滑化法(円滑化法とします)では経営承継と呼んでいます・・・についての研修会や図書出版が花盛りです。現在から今後にかけての税務・法務等にとって重要な課題だからでしょう。私もこれには税理士会所属支部の研修担当部長という役目に就いていることから実感していて、このブログでも「中小企業経営承継円滑化法の留意点」として何回か記事にしています。

しかし、最近の研修会や図書出版をみていると円滑化法と来年成立予定の非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度についての説明に多くを費やしていて、事業承継そのものへの鳥瞰が掴みにくいような気がしていました。特に税理士の方で今現在では事業承継の実務に関わっていない、しかし将来的には関わりがでてくるだろうと思う方は不満に思ってしまうのではないでしょうか。私自身、企業再編についての注目時に同様な思いを抱いて殆ど勉強せず、その後の実務で企業再編に関わったときに大変苦労をしてしまいました。経験者から言うと、この様な注目事項は何はともあれ話題を集めているときから勉強しておくことが何よりです。

ということで紹介します。無料で事業承継の鳥瞰(概要)を掴める冊子です。

中小企業庁発行の「中小企業事業承継ハンドブック~これだけは知っておきたいポイント20問20答~ 経営承継円滑化法対応版」

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/shokei20_all.pdf

鳥瞰図を示してくれている冊子だと思いますので、一部一部の拾い読みはやめて斜め読みでかまわないので全ページに目を通しましょう。まずは概略を掴んで、その後は奮って事業承継に関する研修会等に参加しましょう。なお、この冊子は今後の関係法令・規則等の公布等によりさらに改訂されていくと思います。

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2008年10月13日 (月)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その5)

シリーズで中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)について諸々のことを書いていきたいと思います。

その5は、第3章の支援措置についてですが、ここは金融支援と納税支援の2つに分けて考える必要があります。

今回は金融支援についてですが、その内容は概略に止めます。内容の概略は、まず経営承継に関する貸付について信用保証枠の拡大。それと日本政策金融公庫は事業資金以外の貸付は認めないのですが、特例として日本政策金融公庫の経営承継のための個人貸付を認める制度です。

次にその対象者ですが、大前提は円滑化法に定める中小企業者が対象となるということ。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2008/10/post-815d.html

円滑化法第12条に「認定中小企業者(第13条に規定)」の定義が定められており、この認定中小企業者が金融支援の特例適用対象者となります。注意しなければならないのは、認定中小企業者には会社だけでなく個人事業者も含まれることです。

円滑化法第12条では、経営承継による一定の事由により、事業活動の継続に支障が生じていると認められる

1.会社(上場会社等を除く)である中小企業者(円滑化法第12条第1項第1号)

2.個人である中小企業者(円滑化法第12条第1項第2号)

が対象者とされています。

上記の一定の事由が円滑化法施行規則第6条に規定されていますが、この条文を含めて円滑化法施行規則が読みにくいことこの上ない! そして、パブリックコメントにはありませんが、第6条を含めて施行規則は来年成立予定の非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度の要件等にも関わってくるようです。ややこしい部分なので、内容は「その6」以降で(^^)/

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2008年10月10日 (金)

どうなる?相続税の課税方式

平成20年度の税制改正大綱で「新しい事業承継税制の制度化にあわせて、相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。」とされており、現在の法定相続分課税方式から遺産取得課税方式に改める予定となっています。ところが現在この改正作業が中断しているそうです。

理由は総選挙が近々実施されそうで、場合によっては政権交代が見込まれるから。そして、仮に政権交代となって民主党が与党となると相続税の課税方式は遺産取得課税方式ではなく遺産課税方式に改めることを検討することになるからです。

以下は、2007年12月26日付け「民主党税制改革大綱」より抜粋。

http://www.dpj.or.jp/news/files/071226zeiseitaiko.pdf

その中で「富の一部を社会に還元する」考え方に立つ「遺産課税方式」への転換も合わせて検討すべきである。(抜粋終わり)

遺産取得課税方式とは、相続等により財産を取得した者ごとに相続税を計算して課税する方式で、ドイツ・フランスなどで採用されているそうです。

遺産課税方式とは、被相続人の遺産全体に対して相続税を計算し課税する方式で、イギリス・アメリカなどで採用されているそうです。

現行の相続税の課税方式は、法定相続分課税方式で遺産を法定相続人が法定相続分で取得したと仮定して相続税の総額を計算し、これを相続等により財産を取得した者に遺産の取得割合で按分して課税する方式で、遺産課税方式の1法だと思います。

さてどうなるか・・・総選挙が終わらないとわからないようです。

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2008年10月 7日 (火)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その4)

中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)は、その定めている措置により取扱いが異なり、また税法に慣れている者(税理士がその筆頭でしょう)にとって法令等を読むと混乱しがちな部分もあるようです。そこで、現在~今後において私が仕入れた情報を基に円滑化法について諸々のことを書いていきたいと思います。

その4は、第2章の遺留分に関する民法の特例(以下「遺留分の特例」とします)の適用対象者の要件についてです。

まず大前提は円滑化法に定める中小企業者が対象となるということ。

なお、このブログでは中小企業者の定義(円滑化法第2条に規定)について、次に記載しています。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2008/10/post-815d.html

次に円滑化法第3条第1項に「特例中小企業者」の定義が定められており、この特例中小企業者が遺留分の特例適用対象者となります。

この条文を分解すると

特例中小企業者とは円滑化法第2条に規定する中小企業者のうち

1.3年以上継続して事業を行っている者(3年以上については、円滑化法施行規則第2条より)

2.会社(上場企業等は除く)であり、個人事業者は除く

が該当します。

上記2については、この遺留分の特例は株式等に関する特例措置なので当然のことながら個人事業者(株式は発行していない)を除くという意味合いです。また、上場企業等もここで除外されています。

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2008年10月 2日 (木)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その3)

中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)は、その定めている措置により取扱いが異なり、また税法に慣れている者(税理士がその筆頭でしょう)にとって法令等を読むと混乱しがちな部分もあるようです。そこで、現在~今後において私が仕入れた情報を基に円滑化法について諸々のことを書いていきたいと思います。

その3は、円滑化法の前提となる中小企業者の定義です。

円滑化法第2条でこの中小企業者(会社のみではなく個人事業者も含まれますが、医療法人等は会社ではないので除かれます)が定義されています。なお、第2条では「並びに」という用語が出てきますが、税法に慣れ親しんだ・・・親しんではないか(^^;)・・・私には「並びに」が「及び」という感覚になりました。しかし、これは「又は」という意味で、資本金の額等の基準か従業員数の基準かどちらか一方を満たしていれば円滑化法に定める中小企業者になるとのことです。

以下、中小企業者の定義ですが、詳細は法令も参照して下さい。

1.(第2条1項一号)製造業、建設業、運輸業その他の業種

・資本金の額等 3億円以下

・従業員数   300人以下

2.(第2条1項二号)卸売業

・資本金の額等 1億円以下

・従業員数   100人以下

3.(第2条1項三号)サービス業

・資本金の額等 5千万円以下

・従業員数   100人以下

4.(第2条1項四号)小売業

・資本金の額等 5千万円以下

・従業員数   50人以下

5.(第2条1項五号及び施行令)ゴム製品製造業

・資本金の額等 3億円以下

・従業員数   900人以下

6.(第2条1項五号及び施行令)ソフトウェア業、情報処理サービス業

・資本金の額等 3億円以下

・従業員数   300人以下

7.(第2条1項五号及び施行令)旅館業

・資本金の額等 5千万円以下

・従業員数   200人以下

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2008年9月25日 (木)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その2)

中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)は、その定めている措置により取扱いが異なり、また税法に慣れている者(税理士がその筆頭でしょう)にとって法令等を読むと混乱しがちな部分もあるようです。そこで、現在~今後において私が仕入れた情報を基に円滑化法について諸々のことを書いていきたいと思います。

その2は、基本となる円滑化法の条文構成について。

円滑化法は、4章16条と附則3条により構成されています。

第1章(第1条~2条)は総則で目的と定義についてですが、第2条ではこの法律に定める中小企業者を定義しています。

第2章(第3条~11条)は遺留分に関する民法の特例を定めています。

第3章(第12条~15条)は支援措置で金融支援を定めています。また、平成21年度税制改正案成立後に予定される非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度も影響を受ける章だと思われます。

第4章(第16条)は雑則で権限委任について定めています。

附則は施行期日等の他、相続税の課税についての措置を第2条で定めています。

気を付けなければならないのが、第1章の2条で定義づけられた中小企業者のうち、第2章の遺留分に関する民法の特例と第3章の支援措置で適用対象者にそれぞれ更に要件等を設けている点です。

つまり、遺留分に関する民法の特例と支援措置とで適用対象となる中小企業は異なる(場合がある)ということになります・・・詳細は次回以降に(^^)

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2008年9月23日 (火)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その1)

中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)は、その定めている措置により取扱いが異なり、また税法に慣れている者(税理士がその筆頭でしょう)にとって法令等を読むと混乱しがちな部分もあるようです。そこで、現在~今後において私が仕入れた情報を基に円滑化法について諸々のことを書いていきたいと思います。

その1は、その施行時期について。

円滑化法は、大きく分けて次の2つの措置を設けています。

1.民法における遺留分についての特例(円滑化法第2章)

2.資金支援(円滑化法第3章)

更に上記2の資金支援については

2-1.金融支援

2-2.非上場株式に係る相続税の納税猶予(納税支援)

の2つを設けます(但し、2-2については21年度税制改正成立により決定)。

                                                            

これらの措置の施行時期については、次の通り異なっています。

1.民法における遺留分についての特例 → 平成21年3月1日(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の一部の施行期日を定める政令)

2-1.金融支援 → 平成20年10月1日(円滑化法附則第1条)

2-2.非上場株式に係る相続税の納税猶予 → 平成20年10月1日(但し、税制改正成立後に遡及することとしている・・・平成20年度税制改正要綱より)

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2008年9月16日 (火)

事業承継に関するお勧め新刊本

中小企業経営承継円滑化法がいよいよ施行されます。資金支援については平成20年10月1日(税に関する支援措置である非上場株式等に係る納税猶予制度も平成21年度税制改正成立後に同日へ遡及されます)より、民法特例である遺留分の特例は平成21年3月1日より施行となります。

事業承継の取扱いが大きく変わろうとしている関係上、事業承継に関する書籍も多数発売されています。その中でまずは最初の1冊としてお勧めの書籍を紹介します。

月刊誌「税理9月臨時増刊号」で題名は「新法施行直前! 経営承継円滑化法の活用と事業承継トラブルへの対応」です。残念ながら現時点では税理増刊号はamazonで取り扱っていない様で、このブログのお勧め本コーナーにはありません。

まずは第Ⅰ部「対談 経営承継円滑化法の創設と実務上の着目点」を読みましょう。経営承継円滑化法の立案担当者である中小企業庁財務課長と税理士の平川忠雄先生の対談で、この法律の条文順にその趣旨から解説まで対談ということから口語体により記載されており分かりやすいと思います。その後の第Ⅱ部以降でその詳細解説も行われています。

大きく変わろうとしている制度を理解するにはます全体像を捉える事が必要です。そのために月刊誌「税理9月臨時増刊号」はお勧めです。

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2008年9月13日 (土)

注目の話題・事業承継

税理士・会計士や弁護士による研修会・勉強会を東京と大阪を中心に活動しているグループに参加しています。現在、このグループでは最も注目の話題である事業承継(経営承継)について色々な切り口から概ね月1~2回研修会を開催しています。

平成20年9月12日に事業承継対策に関するトラブルの留意点についての研修会を受講してきました。かなり実務的な内容で今後事業承継に関わっていこうという者にとって有意義なものでした。

その中で印象的だったことを幾つかご紹介します。

1.事業承継の実務では、本当に承継を達成しようという熱意が本人達(現経営者と後継者)にないと立ち消えになる可能性が高い。

2.承継後の従業員の流出問題の対処が、特に「中小企業経営承継円滑化法(以下、円滑化法とします)」の適用を受けていく場合には重要課題である。

3.相続時精算課税を適用して後継者に自社株を贈与する対策は、円滑化法に伴う措置法(非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度)の内容や遺産取得者課税となる予定である相続税法の改正内容が明らかになるまで現時点では保留にした方がよいと思われる。

4.後継者以外の推定相続人に疎外感を与えないように、対策案からその実行の経緯をしっかりと説明する。

特に3については、改正内容のみではなく相続税の計算上相続時精算課税の適用を受けた贈与財産は贈与時の時価(相続開始時の時価ではない)により課税価格に加算されることから、値下がりによるリスクの説明責任が非常に重要であるとの説明がありました。私自身も相続時精算課税の適用をした贈与税申告を既に行っており、その際にこの説明をかなり慎重に行ったことを思い出しました。特に自社株贈与については、この点は慎重に慎重を重ねるべきだとつくづく痛感しました。

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2008年9月 5日 (金)

居住用宅地等が2カ所

注目の判決が平成20年5月1日に佐賀地裁でありました。

これは小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例に関する判決で、居住用宅地等は生活の拠点と認められる宅地であれば、面積限度要件(特定居住用宅地等は240平方メートル、その他の居住用宅地等は200平方メートル)を満たす限り、複数存在することも認められるという判断が示されたものです。

小規模宅地等の特例が規定されている措置法69条の4では、特に居住用宅地等を1カ所に限定するという規定がないことから判示されたようです。

高裁に行くのかどうかの情報は持っていませんが、今後に注目です。

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2008年8月24日 (日)

広大地の評価って?

以前にも紹介した土地評価に関して影響力の大きな実務本「土地評価の実務」の最新版(以下「改訂版」とします)が刊行されています。

先日の広大地の評価の研修を受けた際に、講師の方々(パネルディスカッション方式でした)はこの本の中の広大地の評価についての改訂点にもかなり触れられていました。その中で実務の上で混乱が予想される部分を紹介します。

改訂版に記載された広大地に該当する要件として、次のものがあります(以下、改訂版に関する事項については全て要約しています)。

1.その地域の標準的な宅地の地積に比べ著しく地積が広大であること

2.都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に、公共公益的施設用地(基本的には道路です・・・筆者記載)として相当規模の負担が必要と認められるもの

3.ただし、大規模工業用地及びマンション適地を除く

最近の判決・裁決で路地状開発(私は旗竿開発や旗竿地と普段言っており改訂版でも旗竿という言葉をまず使っているようですので、以下「旗竿開発・旗竿地」とします)が適切であるとして広大地の適用を排除した理由が、上記2の公共公益的施設用地(道路)として相当規模の負担を要するか否かの判定です。

改訂版の解説では、経済的に最も合理的に戸建分譲をする際に必要な道路(開発道路)の必要性により判断するとしています。

さらにこの中で旗竿開発が合理的だと認められる土地については開発道路がないものとして広大地の判定をするとの解説をしています。

なお、旗竿地とは竿の先に国旗などの旗が四角にかかっている形の土地のことで、旗のかかっていない竿部分が開発道路に該当しない通路、旗の部分が宅地となります。

しかし、通達改正前に広大地の評価をした土地は、その地域内に旗竿地もあれば開発道路付の宅地もあり、いずれが合理的なのかといわれると一概に判断できないと言わざるを得ません。さらにいろいろな方が指摘されていますが、基本的に旗竿地は防災の観点からは適切な土地ではないはずです。都内のある区では防災上の理由から、広大地(正式には鑑定用語で言う面大地)について一定の旗竿開発を認めないこととしているそうです(もっともこの場合には相続税評価においても開発道路の必要な広大地となるかと思います)。

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2008年8月16日 (土)

名義預金についての最新裁決事例

相続税における名義預金についての国税不服審判所の最近の裁決事例(平成19年10月4日裁決)が公表されました。基本的に名義預金として相続税の課税財産となる旨の裁決です。

この預貯金が名義預金となる主な理由について

・この預貯金はメモ等により被相続人が管理し、被相続人がその処分権を有していたと認められること

・この預貯金の原資は被相続人が出したものであり、その管理も被相続人により行われていたと認められること

・妻の固有収入はこれらの預貯金以外の預金としており、この預貯金の原資とはなり得ないこと

・生前に贈与を受けたと主張するこの預貯金について妻は贈与を受けたことはないと述べている上、贈与されたと主張する預貯金の管理運用は被相続人が行っており、贈与の事実は認められないこと

但し、妻名義の普通預金1口については、原資が不明である上、口座開設時の印鑑届の筆跡も妻であり相続財産とは認められないから、この普通預金は名義預金に該当しないとしています。

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2008年8月 8日 (金)

円滑化法における遺留分特例の施行期日

中小企業庁より「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行令」及び「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の一部の施行期日を定める政令」が発表されています。

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/080729seirei.htm

円滑化法の施行令と一部の施行期日が定められたわけですが、注目したのは一部の施行期日が決まったことです。

これは、遺留分に関する民法の特例に係る規定の施行期日を平成21年3月1日としたものです。平成20年7月29日付で発表されていました。要注目です!

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2008年7月30日 (水)

地下に隧道がある土地の評価

宅地などの相続税評価をする場合に、地上権等が設定されているときには原則として一定の減額ができます。

民法第269条の2に区分地上権という物権が規定されています。

「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。」

というものです。

この区分地上権の設定された土地として地下に隧道(ずいどう)が設けられている土地の評価をしました。隧道とはトンネルのことで、現在登記用語では利用されていないそうですが、設定時期が古いときには隧道の設定などと記載されています。

区分地上権が設定されている土地の評価は、土地利用制限率に応じた区分地上権の価額を控除した価額で評価することとなっています。但し、この土地利用制限率を求めるのは実務上大変な労力を必要とすることも考えられます。

そこで、区分地上権で最も多いと考えられる隧道(地下鉄などのトンネルですね)が設定されているときの土地利用制限率は30%とする簡易計算が認められています。

この件に関しては、国税庁サイトの質疑応答集にも記載されています。

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/04/10.htm

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2008年7月27日 (日)

事業承継税制改正についての新聞報道

事業承継税制改正についての新聞報道です。以下は全て、NIKKEINETからの引用です。

中小後継者の相続税軽減、承継計画策定を条件に 中小企業庁

 中小企業庁は中小企業の後継者の相続税を大幅に軽減する「事業承継税制」を適用するための条件を固めた。経営者は前もって役員の中から後継者を決め、会社を継がせる時期などを明記した承継計画を策定、経済産業相の認定を受ける。条件を満たせば、相続する株式への課税価格の減額幅を現行の1割から8割に拡大する。

 中小の後継者難の解消を目指した「中小企業経営承継円滑化法」が5月に成立。10月の施行を控え適用条件をまとめた。税軽減の内容は昨年末の税制改正で決まっているが、関連法案の提出は来年の通常国会になるため、成立後、10月の円滑化法の施行にさかのぼって軽減措置を適用する。(引用終わり)

税制改正法は毎年年度末に成立します。従って、非上場株の相続税納税猶予制度(上記の「相続する株式への課税価格の減額幅を現行の1割から8割に」という部分です。記事では減額としか記載していませんが現行の1割は減額、改正後の8割はあくまで納税猶予です)は成立が今年度末(21年3月)の見込み、施行は遡って20年10月となる予定です。

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2008年7月17日 (木)

中小企業承継円滑化法の追加除外合意とは

中小企業承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)について、除外合意(円滑化法4条1項1号)と評価固定合意(円滑化法4条1項2号)について前回触れました。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2008/07/post_28cf.html

省略した追加除外合意(円滑化法5条・6条)についてです。

・後継者が旧代表者から贈与等された自社株式等以外の財産

・後継者以外の推定相続人が旧代表者から贈与等された財産

上記の財産について、遺留分算定基礎財産から除外する合意だそうです。

但し注意しなければならないことは、除外合意・評価固定合意と併せてできる合意であって、追加除外合意のみを行うことは認められないそうです。

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2008年7月13日 (日)

いよいよ始まる中小企業承継円滑化法

久しぶりの更新となります。

先日、今最も話題となっているものの一つである事業承継に関する研修を受けました。その中で「中小企業承継円滑化法」の対応等に対しての留意点がありました。

同法では民法1028条以下の遺留分に関する特例について次の規定が設けられています。

・除外合意 → 後継者が旧代表者から贈与等を受けた一定要件を満たした自社株式等(以下「対象財産」とします)の全部または一部について遺留分算定の基礎財産から除外する合意

・評価固定合意 → 対象財産について遺留分算定の基礎財産に算入する価額を相続時の時価ではなく合意価額とする合意

その他、追加除外合意というものもあります(今回は省略)。

上記の規定が中小企業承継円滑化法施行前の生前贈与について適用できるかどうかが気になりますが、どうやらできるそうです。

平成15年度に相続時精算課税制度が導入され、対象財産を生前贈与したケースもあるかと思いますが、一定要件を満たした上記合意があれば適用できると言うことだそうです。

中小企業承継円滑化法に関する政令等が近々明らかになると思います。事業承継問題を抱えている方々とそのサポートをする専門家は、今後この法令等を確認し十分検討した上で同法の適用をする必要性がでてくるのかと思います。

特にこの業務に関わる専門家の方々は、民法、相続税法だけでなく法人税・会社法といった関連法や会社の事業計画・後継者に関する問題など様々な問題に直面する可能性があります・・・受講した研修の受け売りですが(^^;)

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2008年6月30日 (月)

20年路線価は明日発表

昨日は渋谷で久しぶりに講師の仕事をしてきました。雨の中いらっしゃった受講生の皆様、ありがとうございました。

相続税関連の講師をしましたが、その中で路線価の話しをしていて「平成20年分の路線価は平成20年7月1日に発表されます」と言いました。つまり明日です。

国税庁サイトの路線価ページ → http://www.rosenka.nta.go.jp/

で閲覧できますが、午前中は特に混み合うでしょうね。

私も平成20年に開始した相続税申告の依頼を受けていますので、明日閲覧します。経験上、夕方当たりが入りやすい気がしていますがさてどうでしょうか(^^?

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2008年6月 5日 (木)

ぎりぎりの特定路線価申請

相続税申告のため5月早々に特定路線価の申請を行いました。しかし、その申告期限まで後3週間ほどしか残っていませんでした。国税庁サイトで特定路線価申請書がダウンロードできるサイト

→ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hyoka/annai/1470-09.htm

では、「特定路線価の設定には、概ね1月程度の期間を要します」とあります。

間に合わない・・・と諦めるわけにはいきません。そこで特定路線価の申請を所轄税務署ではなく、所轄する評価専門官が所在する税務署へ行き直接評価専門官に事情とその道路の状況を所在地図等で説明の上で期限前に設定してもらうようにお願いしました。

その結果休日を除いて1週間で設定してもらえました。

但し今回は舗装道路でたまたま路線価の設定がなかったような道路なのでこれくらい早く出ましたが、状況が異なると期限ぎりぎりの設定の連絡となるかもしれませんでした。

とにかく相続税の依頼を受けたらできるだけ早く土地の所在確認をするのが鉄則ですね。

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2008年5月10日 (土)

お勧め本「土地評価の実務」

何とも忙しくてブログ更新がままなりません。

5月は法人申告ラッシュの月であるのに加えて、土地評価がやや面倒な相続税申告も今月期限、明日と明後日は前から受任していた講師の仕事もありもう大変な状況です。

この様な状況ですが、一つ本のご紹介をします。

相続税申告で土地評価が面倒な案件を受注したときに、まず私が参照するのが「土地評価の実務(大蔵財務協会)」です。今回も基本的な内容はこの本で調べていきました。課税庁関係者の監修ですので基本的には現行の課税実務に則った取扱いを解説していると考えています。

私のケースは区分地上権と区分地上権に準ずる地役権が設定された土地の評価などがあったのですが、第一段階の参考書として「財産評価基本通達逐条解説(大蔵財務協会)」とともに使いました。

因みにamazonでは最新版がないようですのでお勧め本には入れておりません(^^;)

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2008年4月28日 (月)

平成20年分路線価は7月1日発表予定

平成20年分の路線価は7月1日に発表を予定しているそうです。

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/rosenka/7017/01.htm

発表時期は例年より1ヶ月早いです。また上記サイトにもあるとおり税務署は今年から路線価図の備え付けはしないということを連絡会でも聞いています。路線価図の閲覧はサイトにてお願いしますということでしょう。

今年相続が開始した相続税申告依頼を既に受けているので、平成20年分の路線価発表が早くなったことは喜ばしい限り(^^)

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2008年4月15日 (火)

準確定申告における一括償却資産

相続に関する税務相談が何件か来ていますが、その中には準確定申告を必要とするものもあります。

依頼を受けた準確定申告の中で、前年に取得した被相続人の業務用資産について施行令139条の一括償却資産を適用したものがありました。一括償却資産は業務の用に供した年分以後3年間にわたって均等に償却するのですが、準確定申告の場合には取扱いが異なり、原則として未償却残高を全額必要経費に算入します。

但し、例外として準確定申告で3分の1を必要経費に算入し、業務を引き継いだ者の相続年の翌年以後の確定申告で限度額を必要経費に算入することもできるという取扱いになっています。

以下、所得税基本通達49-40の3「一括償却資産につき相続があった場合の取扱い」の要約です。

一括償却資産の規定の適用を受けている居住者が死亡し、規定に従い計算される金額のうち、その死亡した日の属する年以降の各年分において必要経費に算入されるべき金額がある場合には、その金額は死亡した居住者の死亡した日の属する年分の必要経費に算入するものとする(以上が原則)。

ただし、居住者が死亡した日の属する年以後の各年分において必要経費に算入されるべき金額があり、かつ、業務を承継した者がある場合のその金額の取扱いは、規定に従い計算される金額を限度として次によることとして差し支えないものとする。

(1)居住者の死亡した日の属する年

その居住者の必要経費に算入する。

(2)その居住者の死亡した日の属する年の翌年以後の各年分

業務を承継した者の必要経費に算入する(以上が例外)。

今回は年の初めの頃の相続で今年の被相続人の収入金額が余り無いため、例外の取扱いをすることにしました。

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2008年4月10日 (木)

財産評価基本通達の改正

先日、資産税関連の研修会を受講しました。その時の情報として営業権の評価が改正されたが、改正後は取引相場のない株式評価においても余り営業権を評価する必要はなさそうだと聞きました。

この改正は平成20年3月14日付財産評価基本通達の改正で、平成20年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用されます。内容は以下の国税庁サイトにて公表されています。

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/kaisei/080314/01.htm

この中で営業権は165、166になります。具体的な内容は上記サイトをご覧頂くとして、166(2)注書きに注目です。

「平均利益金額が5,000万円以下の場合は(中略)営業権の価額は算出されないことに留意する。」

改正後の株価評価において、基本的に前3期分の平均利益がまず5,000万円を超えるかどうかに注意しておくことが営業権の評価漏れを防ぐことになるようです。

株価評価についてはもう1点。改正後180についてです。これは類似業種比準価額の計算式の通達ですが(3)が削除されました。

旧180(3)は「上記算式中の金額が0の場合には、分母の「5」は「3」とする。」というものでした。改正後は年利益金額が0であっても分母は5で計算することになったと言うことでしょう。但し、3要素0の会社は特定会社として類似業種は使えない(189、189-4)のはそのままのようです。

なお上記についての経緯は、このブログでも触れています。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/07/post_33f1.html

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/07/post_7b74.html

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2008年4月 1日 (火)

つなぎ法案の対象外措置

租税特別措置について適用期限延長のつなぎ法案が可決されたとのことですが、この延長の対象外となったのはガソリン税関係のみではありませんでした。

対象外の措置の詳細は次の財務省サイトに記載されています。

→ http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/sy200331/200331i.pdf

この中には平成19年末で期限切れ、2年の延長を予定している「住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例」も含まれています。

また法人税関係では「交際費等の損金不算入」があります。

報道では4月後半に衆議院で再可決して法案成立というシナリオだそうですが、精算課税を利用した住宅資金の贈与を考えている方々にとっては落ち着かない状況です。きっと総理の謝罪程度では納得できないと思っていらっしゃるのでは(^^?

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2008年2月23日 (土)

中小企業における経営の承継の円滑化法律案

通常国会提出の事業承継についての法律案である「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が経済産業省のサイトで明らかにされています。

→ http://www.meti.go.jp/press/20080205003/20080205003.html

その概要について、経済産業省のサイトよりそのまま引用すると

中小企業の事業承継の円滑化は、事業の継続・発展を通じて地域経済の活力を維持し、我が国経済の基盤である中小企業の雇用を確保するなどの観点から、極めて重要な課題となっています。

このため、事業承継税制の抜本拡充や民法上の遺留分制度の制約への対応を始め、事業承継円滑化のための総合的支援策の基礎となる「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」を国会に提出いたします。(引用終わり)

この法律案の骨子は3つあります。

1.相続税における特定同族会社株式の納税猶予制度の創設

2.生前贈与した特定株式の遺留分対象からの除外と持ち戻し価額の固定化という民法の特例の創設

3.信用保険法の特例創設などの金融支援

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2008年1月11日 (金)

相続人がいない場合の遺産に係る基礎控除額

相続が開始した場合に、まず確認しなければいけないことは誰が相続人となるのかということです。相続税に関する問題もまずはここから始まります。

今回相談を受けたのは、現在において本人には推定相続人がおらず生前に遺言を作成して、ある身内の方に全財産を遺贈したいというものでした。そして、この場合にその身内の方のみが遺贈により財産を取得したときに相続税の計算上、相続税法第15条の「遺産に係る基礎控除額はいくらになるのか?」というものでした。

相続税法第15条第1項では(以下、要約)

相続税の総額を計算する場合においては、相続税の課税価格の合計額から、5,000万円と1,000万円に被相続人の相続人の数を乗じて得た金額との合計額(以下「遺産に係る基礎控除額」という。)を控除する。

とあります。

でも、相続人が全くいない場合には・・・この通りに読んで「遺産に係る基礎控除額は5,000万円になるのかな?」という疑問のようでした。

この様な疑問は多いようで、相続税基本通達15-1( 相続人の数が零である場合の遺産に係る基礎控除額)では(以下、要約)

相続人の数が零である場合における相続税法第15条第1項に規定する遺産に係る基礎控除額は、5,000万円となるのであるから留意する。

とあり、この点について留意的な確認をしています。

つまり、5,000万円で良いのですよ(^^)

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2007年12月24日 (月)

平成20年度の事業承継税制改正案(その4)

引き続き、与党の平成20年度税制改正大綱における事業承継税制について見ていきます。

納税猶予制度の適用を受けて猶予された税額を、その後免除されるのか納付しなければいけなくなるかについて、大綱では次のように触れています(以下、要約)。なお、私見ですがこれは例示でしょう。

1.免除の場合

事業承継相続人が納税猶予対象株式等を死亡の日まで保有していた場合・・・16ページ(3)

2.納付の場合

・事業承継相続人が、相続税の法定申告期限から5年の間に、代表者でなくなった場合等、事業を継続していないと認められる場合

→ 全額納付・・・16~17ページ(4)

・相続税の法定申告期限から5年後において、納税猶予対象株式等を譲渡等した場合

→ 猶予税額×譲渡等株式総数等/納税猶予対象株式総数等(猶予税額のうち納税猶予対象株式等の譲渡割合)を納付・・・17ページ(5)

なお、上記の場合には利子税も併せて納付する必要があります・・・17ページ(6)。

以上は例示であると考えられることから、この辺りも法案通過後に発表される省令・通達等で詳細な要件や取扱いに更に注意する必要があるでしょう。

また、この納税猶予制度の適用を受けるためには、原則として、全ての納税猶予対象株式等を担保に供することが必要です・・・17ページ(7)。

そして、この納税猶予制度の適用については、個人資産の管理等を行う法人の利用等による租税回避行為を防止する措置を講ずる・・・17ページ(8)。これは、上場株式の持株会社等についての適用を除外するということだと、以前参加したこの改正に関するパネルディスカッションなどで聞いています。

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2007年12月21日 (金)

平成20年度の事業承継税制改正案(その3)

引き続き、与党の平成20年度税制改正大綱において事業承継税制について見ていきます。

事業承継相続人が相続等により会社を経営していた被相続人から一定の議決権株式等を取得する場合に事業承継税制の納税猶予を受けることが可能になるようですが、大綱ではその事業承継相続人及び被相続人について16ページ(注1と注2)で触れています(以下、要約)。

(注1)事業承継相続人・・・中小企業事業円滑継続法案における経済産業大臣の認定を受けた一定の中小企業の発行済株式等について、同族関係者と合わせてその過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中で筆頭株主である後継者を言う。

(注2)会社を経営していた被相続人・・・その会社の発行済株式等について、同族関係者と合わせてその過半数を保有し、かつ、その同族関係者(事業承継相続人を除く)の中で筆頭株主であったこと

この辺りは法案通過後に発表される省令・通達等で詳細な要件や取扱いに注意する必要があるでしょう。

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2007年12月18日 (火)

平成20年度の事業承継税制改正案(その2)

引き続き、与党の平成20年度税制改正大綱において事業承継税制について見ていきます。

事業承継における相続税の納税猶予制度の導入について、大綱16ページでは次のように記載しています。

事業承継相続人が、非上場会社を経営していた被相続人から相続等によりその会社の株式等を取得しその会社を経営していく場合には、その事業承継相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議決権株式等(相続等の結果、発行済議決権株式の総数等の3分の2まで・・・括弧書きは要約)に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予する。

そして納税猶予される額は

(納税猶予対象株式等のみを相続する場合の相続税額)-(納税猶予対象株式等の金額×20%を相続する場合の相続税額)

としています。

相続税の課税価格の計算の特例ではなく、あくまで納税猶予制度であることが明らかにされています

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2007年12月16日 (日)

平成20年度の事業承継税制改正案(その1)

与党の平成20年度税制改正大綱において事業承継税制は、どのような取扱となっているのかを見ていきます。

大綱の中の「平成20年度税制改正の基本的考え方」の6ページより要約すると(注書は加筆しています)

中小企業事業円滑継続法案の制定を踏まえ(注:平成20年10月施行を目指している)、平成21年の税制改正において、事業の後継者を対象とした取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度を創設する。本制度は中小企業事業円滑継続法案施行日以後の相続等に遡って適用する(以上)。

なお、中小企業事業円滑継続法案の動きについてはこのブログでも触れております。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/12/post_7244.html

大綱では現行の「特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例」の80%減額への拡大ではなくて、相続税の納税猶予制度の導入としています。また、この相続税の納税猶予制度は早くて平成20年10月1日以後の相続等に係る相続税より導入する方針となっています。更に言えば、中小企業事業円滑継続法案の制定動向に左右されるようです。今後もこの動向を注視する必要があります。

もう一点注目しておく必要があるのは「相続税の課税方式を法定相続分課税方式から遺産取得課税方式へ改めること検討する(要約)」とあることです。現行の課税方式は確かにおかしい(古い)と私も思っています。ただ、この点の改正がなされると相続税の計算体系が大きく変わることとなり、改正前に相続税の現状分析を行った顧客へ改めて現状の再分析をする必要が出てくるのではないかと思っています。

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2007年12月14日 (金)

平成20年度の与党税制改正大綱が発表

報道で既にご存じかもしれませんが、平成20年度の与党税制改正大綱が発表されました。

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/pdf/seisaku-031a.pdf

ざっと見て注目した部分で資産税関連は、以下の項目です。

・16ページ~17ページ<事業承継税制>

「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を創設する。現行の特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例は、所要の経過措置を講じたうえで廃止する。

・39ページ「八 土地・住宅税制」(国税)

6.住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の適用期限を2年延長する。

また、もう一つ注目したのが「第二 平成20年度税制改正の基本的考え方」の中の5ページ最後の2行です。

「なお、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度については、その適用状況を引き続き注視(当初、中止と誤って変換していました。訂正しています。)する。」

導入されて3年経つ平成21年度にて廃止・・・とまでは行かなくても凍結かな~(希望)

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2007年12月 7日 (金)

相続・贈与税関連の改正動向

相続・贈与税関連の改正動向について日経の報道をお知らせします。

1.住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の延長

平成19年12月7日付の日経新聞5面で自民党税制調査会では「延長の方向」とのこと。私の見た限り政府税調ではこの点が不明でしたが、どうやら延長の可能性が濃くなったようです。

不明状態の時のこのブログの記事は

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/11/post_a53c.html

2.租税特別措置法69条の5「特定同族会社株式の相続税の課税価格の計算の特例」における80%減額への拡充(平成20年10月より施行)

何度も書いた内容ですが、以下はNIKKEI NETよりそのまま引用。

 中小企業の後継者の相続税負担を軽減する「事業承継税制」について、自民党税制調査会(津島雄二会長)は7日、相続税額を8割軽減する新制度を来年10月に導入する方向で調整に入った。雇用の8割以上を維持するなど適用条件を定めた新法を同時に施行。後継者難による中小企業の廃業を減らし、技術の継承や雇用機会の維持につなげるのが狙いだ。

 13日にまとめる来年度の与党税制改正大綱に盛り込む。現行の事業承継税制では非上場株式の相続税は1割しか軽減されない。相続税負担が重く、事業用資産の売却を迫られるケースもあるため、政府・与党では軽減幅を8割まで高める方針をすでに固めている。(引用終わり)

恐らく来週末に「与党税制改正大綱」が発表されるのではないかと思います。ねじれ国会のため昨年と同様にすんなりと国会を通過するかどうかは分かりませんが、20年度の税制改正がいよいよ本格化する時期となるのでしょう。

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2007年12月 4日 (火)

中小企業事業円滑継続法案(その2)

日経新聞の平成19年12月3日の一面で報道された「中小企業事業円滑継続法案」について、その骨子となる内容が自民党より平成19年6月19日付「中小企業の事業承継円滑化に向けた提言」で明らかにされています。

その中で事業承継についての遺留分の取扱いを以下のように緩和することを提言しています(以下、加筆の上での要約です)。

1.事業承継契約(仮称)スキーム」の創設

非後継者が遺留分放棄を行う際(注)の手続の簡素化や、合意に基づく事業用資産の遺留分減殺請求対象からの除外等。

(注)被相続人の生前における遺留分放棄は、家庭裁判所の許可が必要。このことから実務上の被相続人の生前における遺留分放棄は、推定相続人(かつ遺留分権利者)間に合意があっても殆どされていないのが現状とのこと。

2.生前贈与された株式の評価額を贈与時で固定できる制度の創設

遺留分の算定に際しては一定の要件を満たす場合には、生前贈与された株式を贈与時のものとすることができる(注)新規立法措置を検討。

(注)遺留分の算定基礎となる財産に加算される特別受益等の生前贈与財産は、相続時の時価となる。生前贈与された株式が後継者の貢献により上昇した場合には、この点で不合理を生じてしまう問題が指摘されていた。

この提言については、以下の自民党サイトで閲覧することができます。

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/seisaku-017.html

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2007年12月 3日 (月)

中小企業事業円滑継続法案

日経新聞の平成19年12月3日の一面によると中小企業事業円滑継続法案の内容が明らかになったとのことです。要約を「NIKKEI NET」よりそのまま引用します。

中小企業の代替わりの際の事業承継を円滑にするため、政府が来年の通常国会に提出する中小企業事業円滑継続法案の内容が2日、分かった。自社株の株主が多くなると経営に支障が生じやすくなることを考慮し、家庭裁判所の認可などがあれば後継者がすべて相続することもできるようにするのが柱。通常国会で成立すれば、来年10月をメドに施行する。

 中小企業の後継者が相続税負担や他の相続人が最低限主張できる取り分(遺留分)への支払いなどのため、事業を手放し、廃業するケースは少なくない。政府は事業承継を支援しなければ、中小が持つ高度な技術が失われかねず、雇用対策にもマイナスと判断した。(引用終わり)

政府は、租税特別措置法69条の5「特定同族会社株式の相続税の課税価格の計算の特例」における80%減額への拡充改正の他、民法の特別法として「中小企業事業円滑継続法」を来年の通常国会で成立させ、来年10月の施行を目指しているそうです。

この法律は、対象企業で基本的に争いのない事業承継についての遺留分の取扱いを緩和してくれるものです。

事業承継の実務的な円滑化策として一歩前進する法案だと思いますので、是非とも成立してもらいたいと思います。

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2007年11月24日 (土)

住宅取得等資金特別控除(相続時精算課税)の延長は?

某所にて平成20年度向け相続事業承継についてのCFP試験の講義を早々とする機会がありました。ここで少し困ってしまったのが、租税特別措置法の時限立法である第70条の3「特の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例」です。

相続税法第21条の9から始まる相続時精算課税制度の特例で、以下の緩和措置を設けています。

・特定贈与者の年齢制限を65歳未満でも可能とする(措置法第70条の3第1項)

・2,500万円の特別控除額について、住宅資金特別控除額として1,000万円を上乗せ(措置法第0条の3の2第2項)

但し、この特例は平成15年1月1日から平成19年12月31日までの間における贈与について適用があります(措置法第70条の3第1項)。

税制改正に関する報道では、この期間延長についてはされていないようだ?

終わるのかな~・・・取りあえず終わるかもしれないが講義は現行の取扱も説明しておきました。毎年のことですが税制改正については今の時期よく見えてこない部分がある上に、ねじれ国会もあって果たしてどうなるでしょうか(^^?

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2007年11月21日 (水)

政府・与党の税制改正作業

政府税調の答申を受けて政府・与党の税制改正作業が本格化するようですが、平成20年度税制改正は恐らく小幅な改正にとどまるでしょう。

私自身が関心のある事項で改正されるであろうと思うものは

・耐用年数の見直し

・特定同族会社株式の相続税の課税価格の特例 10%減から80%減へ

報道でも小幅な改正を示唆しています。以下、「NIKKEI NET」より引用です。

政府税制調査会(首相の諮問機関)の答申を受け、政府・与党は2008年度の税制改正に向けた作業に入る。ただ参院で与野党が逆転する「ねじれ国会」の影響で、消費税増税など税体系の抜本改革は先送りする方針。大きな増減税を伴わない小粒改正にとどまり、地方税収の格差是正や証券優遇税制の存廃、中小企業の事業承継税制の拡充などが主な焦点となりそうだ。(引用終わり)

政治関連の話題は正直言ってうんざりしてきましたので、以下は個人的なつまらない思いです。

来年度も私は所属税理士会支部の研修担当の部長です。毎年5月は改正税法の研修を開催するのですが、来年5月はどういう研修にすればよいのだろうか(^^?

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2007年11月 8日 (木)

おなじみの相続税基礎控除の見直し

年末近くになりますと今年の税制問題だけではなく税制改正についての報道が多く見受けられます。その中で毎度おなじみの相続税の遺産に係る基礎控除額の見直しについて報道がありました。

以下、「NIKKEI NET」より抜粋しています。

政府の経済財政諮問会議の民間議員が8日の会合で示す税制の抜本改革への提言案が明らかになった。「世代間・世代内の公平」など三つの課題を掲げ、具体策として相続税の課税範囲の拡大などを促す。(抜粋終わり)

この中での相続税の課税範囲の拡大とは、まずは相続税法第15条の遺産に係る基礎控除額の引き下げです。以下、その15条の基礎控除額の思いっきりの要約です。

相続税の総額を計算する場合に相続税の課税価格の合計額から、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」(以下「遺産に係る基礎控除額」という。)を控除する。

この遺産に係る基礎控除額の引き下げ・・・かなり前から毎年のように政府税調を始め政府系の各種会議の議題に上がっています。果たして改正はいつ訪れるのか???

相続税関連の改正は当事者にとって納付税額に多大な影響があるため、実務家の私にとっては時に悩ましい問題なのです。

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2007年10月30日 (火)

年金受給権に関する判決(福岡高裁)

長崎地裁による相続税と所得税の二重課税についての年金受給権に関する判決について以前触れました。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/03/post_6178.html

二重課税を認めた原告勝訴で国側が控訴していたものですが、福岡高裁で平成19年10月25日に原判決取消として、二重課税を否定されました。

受け取った年金は、年金受給権とは法的に異なるものであり、夫の死亡後に支分権に基づいて発生したものといえることから、所得税法第9条の非課税所得に該当しない。従って、この年金に係る所得は所得税の対象となるものとである。

と言った内容のようです。

個人的には予想通りの判決ですが、感情的には何か釈然としないという思いのする方々の方が多いのでないでしょうか。

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2007年10月23日 (火)

連れ子養子と法定相続人の数

AさんはBさんと婚姻するときに、Bさんには子供(連れ子)がいました。この婚姻だけではAさんとその連れ子さんとは血族としての親子関係はありません。血の繋がりがないからで、Aさんの推定相続人にもなりません。しかし、Aさんは法律上もこの連れ子さんを自分の子供にしたいと考えて養子としました。一般的に言う連れ子養子で、これによりAさんの推定相続人となりました。

この様なケースについて、税務相談を受けたことがあります。

相続税法第15条で、相続税の遺産に係る基礎控除額が規定されています(以下、要約)。

第1項では

相続税の課税価格の合計額から、遺産に係る基礎控除額である「5千万円+1千万円×相続人の数(一般的に「法定相続人の数」といっています)」を控除する。

第2項で

1項の(法定)相続人の数は、民法の規定による相続人の数(被相続人に養子がある場合、次に定める養子の数に限るものとし、・・・以下、省略)とする。

・被相続人に実子がある場合 1人

・被相続人に実子がない場合 2人

とされています。

この第2項は、養子を増やすことにより恣意的に遺産に係る基礎控除額を大きくして相続税の負担軽減を図ることを制限するために設けられています。

しかし、最初に書いたケースである連れ子を養子とすることは相続税負担を図るために行ったとはとても言い難いと思います。連れ子さんを実の子と同じようにしたいという思いからした養子縁組でしょう。

そこで第3項では

2項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす。

その被相続人の配偶者の実子でその被相続人の養子となった者(つまり連れ子養子)

レアケースであることから、相談に来られた方はこちらに相談される前にいろいろ言われたそうです。しかし、連れ子養子は上記の通り相続税の遺産に係る基礎控除額などを計算する場合の「法定相続人の数」に無条件に含めることができるのです。

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2007年10月18日 (木)

生前贈与に関する税務相談(その5)

生前贈与の依頼を受けて相続税の現状分析をすると、相続税以前の問題点を発見する場合があります。

多々あるのが、相続税法第5条の保険契約における「みなし贈与」の問題です。

以下、相続税法第5条の要約です。

生命保険契約などの原則として死亡を伴う保険事故が発生した場合において、その保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によって負担されたものであるときは、これらの保険事故が発生した時(3項より、保険料負担者が被保険者である場合→相続税の課税対象となる場合を除く)において、保険金受取人が、その取得した一定の保険金のうち保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額に相当する部分を、その保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。また2項より、返還金その他これに準ずるもの(満期保険金など)の取得があった場合について準用する

上記の下線部分の問題です。夫が保険料をかけていて満期保険金の受取人が妻の場合には「夫が掛けたお金を満期保険金として妻が受け取る」 つまり夫から妻へお金が流れた(贈与された)として、満期保険金の受取時に妻へ贈与税が課税されることとなります。

そして、このケースが意外に多いこと多いこと・・・

相続税法第5条のみなし贈与に当たることを分かっていた上で、この様な保険契約を結ぶことは問題ありません。しかし、このことを知らなかった場合には結果として大きな贈与税問題が発生する可能性があるので注意しなければなりません。

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2007年10月14日 (日)

生前贈与に関する税務相談(その4)

親が子供に現金を贈与する(つもり)という税務相談でよく聞くことがあります。実際に子供へ贈与した後に無駄遣いをするかもしれないので贈与(したつもり)の現金を親が管理する預金に預け入れてその後も親がその預金を管理しますというものです。子供はその預金の存在自体を知らないのでしょう。これって本当に贈与なのでしょうか

贈与とは民法第549条で「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」

つまり親から子供へ贈与があったということは、贈与者(親)が子供に無償で財産を与えたことを認識しているはもとより、受贈者(子供)も無償で親の財産を無償で与えられたことを認識しているはずです。受贈者である子供の側にその認識がないということは、相続税における税務上の取扱は、単に親が子供の名義を借りて預金を作っただけの話しだとして、この預金は親の財産・・・親の相続時には親の遺産として相続税の課税対象とされてしまいます。結局、相続税対策としては何の意味もないことをしたことになります。

親が子供に財産を贈与すると言うことは、贈与後の財産は子供が自由に使用収益することができるようになるのだということをしっかりと認識しておく必要があります。

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2007年10月10日 (水)

生前贈与に関する税務相談(その3)

相続時精算課税制度を利用して土地を贈与する税務相談で、まずお話しすることは地価が下落した場合に税負担が増えることがあります。しかし、これ以外にも税負担が増える場合があることに注意しなければなりません。

小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例(措置法69条の4)が適用できる宅地等を相続時精算課税により贈与をした場合です。この特例は相続税の特例であり、贈与税において適用を受けることはできません。また、相続時精算課税制度を選択したことにより相続税の課税価格に加算される場合においても、この特例の適用はありません・・・このブログの次の過去記事参照。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/06/post_8ff6.html

親が所有する親の自宅の敷地を相続時精算課税制度の適用を受けて贈与した場合、贈与税の課税価格は措置法69条の4(小規模宅地等の特例)適用前の割高な価額により計算します。さらに贈与者である親の相続に係る相続税の課税価格の計算上、やはり措置法69条の4(小規模宅地等の特例)適用前の割高な価額で加算されます。

結果として贈与した部分は特定居住用宅地等であれば80%の減額が受けられないこととなり、その分の税負担を覚悟しておく必要があります。

相続時精算課税制度を選択して贈与する財産が不動産の場合には、登録免許税や不動産取得税などが割高なります・・・このブログの次の過去記事参照。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/10/post_7a59.html

しかしこれ以外にも、措置法69条の4について十分考慮の上で実行する必要があります。

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2007年10月 7日 (日)

生前贈与に関する税務相談(その2)

生前贈与に関して受ける税務相談で相続時精算課税制度について感じることなのですが、この制度を選択することが、まるで相続・贈与に関する税負担の免罪符をもらう感覚を持っている方が多い様に思います。

税務相談を受ける側としては、相続時精算課税制度は単に相続税と贈与税を一体化した制度であって、単純に贈与税の負担を減免してくれる制度ではないことをしっかりと説明しておく必要があります。居住用財産の買換特例などの譲渡所得税における課税の繰り延べと同様に、減免規定ではないことをしっかり理解してもらわないと後々のトラブルの基になる気がして仕方がありません。一般的な問題点については前回の記事を参照して下さい。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/10/post_a50a.html

さらに事前相談を受けた場合には、その他のコストも理解しておいて頂く必要があります。不動産が贈与財産の場合ですが比較のための検討ですので、特例は省略して原則的な取扱いについてのみ触れておきます。

1.不動産登記に関する登録免許税

贈与による取得の場合 → 固定資産税評価額×2%

相続による取得の場合 → 固定資産税評価額×0.4%

2.不動産取得税

贈与による取得の場合 → 固定資産税評価額×3%

相続による取得の場合 → 非課税

上記1、2のコストは、相続人としてあっさりと遺産相続する場合と比べて、相続時精算課税制度を選択して贈与を受ける場合の方が高くつくはずです。

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2007年10月 4日 (木)

生前贈与に関する税務相談

最近なぜか生前贈与に関する税務相談を多く受けています。こういうものは不思議と重なるものです。具体的内容は書けないのですが、遺産分割対策や相続税対策としての生前贈与ではなく、現状で生前贈与の必要性があるかもしれないというケースがまた多いのです。

「現状では生前贈与をしたいがコスト面を考えるといかがなものか?」というケースですが、生前贈与に関しての税務コストを考えるとまずは贈与税です。

暦年課税の贈与税を利用した場合には、贈与財産の価額が高いと半端でない税額を納付しなければなりません。例えば、500万円の贈与を受けた場合の暦年課税の贈与税は53万円となります。これが2,000万円だった場合の贈与税は720万円となります。

一方、贈与年の1月1日時点において65歳以上の親から20歳以上の子へ贈与する場合の贈与税については、相続時精算課税制度の適用を受けることができます。この場合には、原則として累積2,500万円まで贈与税は非課税となります。しかし、この制度は贈与者の親の相続に係る相続税の計算上、この規定の適用を受けた贈与財産は全て相続税の課税対象とされてしまいます・・・とここまでは一般的な話しなのですが、その他の注意点も重要です。以下、幾つかの概略だけ挙げると

・課税対象とする価額は贈与時の相続税評価額なので、その後贈与財産の価額が下落した場合には税負担が増える可能性がある。

・一度、相続時精算課税制度を選択した親からの贈与は暦年課税に変更することができない。今後、少額の贈与を繰り返す場合でも贈与税の申告を行う必要がある。

・現状分析と対策案を比較して相続時精算課税制度を選択したとしても、今後の税制改正による影響を避けることができない。例えば、毎年のように税制調査会での議案となる相続税の遺産に係る基礎控除額の引き下げなどは影響が大となるかも!

これら以外にも色々考えられる注意点があります。また追ってこのブログで書いていきたいと思います。

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2007年9月25日 (火)

お勧めの実務本(相続・贈与税関連)

税理士事務所で行う主要業務は、一般的に法人税関連業務と個人の確定申告業務ではないかと思います。私自身は相続税・贈与税関連業務にも力を入れていますが、それでも全体量では法人税関連と個人所得税関連の業務が多いのが現状です。

その結果かもしれませんが、相続税やその現状分析と対策についての業務ではトラブルが起こらないよう未然にかなり気を遣う必要があります。

この様なときの事前準備のために良い本があります。税理士会のブックマートである本を探していたときに見つけて購入したものです。

「ココだけは押さえておきたい! 相続・贈与税トラブルの傾向と対策」で税理士の松岡章夫氏が著者、ぎょうせいの発行です。

この本は各論について突っ込んだ内容のものではなく、一般的に相続・贈与税関連業務でトラブルが起きそうな内容を概略的・横断的に紹介したものです。但し、法令条文や通達・裁決例・判決例の番号をきちんと入れてあり、これを基に深く調べることが可能です。

現在、相続税関連業務を行う方はもちろん、これからこの様な業務に力を入れていく方にもお勧めの本だと思います。なお、このブログ左サイドの「お勧めの本(実務専門書)」でも紹介しています。

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2007年9月10日 (月)

敷金を預かっている貸家の贈与

一時的な収入というのは嬉しいものですがその反面、一時的にその収入は終わるということでもあります。では、一時的に財産をもらってその後も継続的に収入を得るには?

誰でも利用できるわけではありませんが、親が所有する貸家を子供に贈与すれば子供は一時的に不動産をタダでもらい、その後の賃貸料を収入することができます。

しかし、敷金を預かっている貸家を贈与する場合、注意しなければならない点があります。これは相続時精算課税制度の導入により注目を集めたものです。

私法上は、賃貸人(大家です)が変わったとき賃借人(部屋の借り主です)が差し入れた敷金は基本的に新しい大家が引き継ぐことになります。そうなると親から子へ貸家のみを贈与した場合には、借り主の退去時に返還する必要のある敷金債務の負担を子に求めた負担付贈与となります。

負担付贈与による貸家の贈与税の課税価格に算入する価額は、財産評価基本通達の定めによる相続税評価額{固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)}ではなく、通常の取引価額(いわゆる時価)から債務を控除した金額となります(平元・3直評5外)。

また、負担付贈与に係る贈与財産の価額は、負担がないものとした場合における贈与財産の価額から負担額を控除した価額によるものとする(相続税基本通達21の2-4)とされています。

貸家の贈与が負担付贈与とされた場合には「貸家の時価-敷金=課税価格」となってしまい、敷金の額は少額であるにもかかわらず貸家の価額が通常の贈与税の課税価格となる金額より高額となるような不合理な結果が生まれます。

これを避けるために、貸家等の贈与をする時点で敷金の精算も行ってしまう方法があります。つまり贈与者である親が預かっている敷金相当額を、今後返還義務を負う子に渡してしまえばよいのです。これは負担付贈与ではなく貸家等の売買を行うときによくある敷金の精算と捉えてくれます。贈与者における譲渡所得税(求めた負担額-貸家等の価額=譲渡益)の問題も生じません。これについては国税庁サイトの次のものを参照して下さい。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/040120/02.htm#a-13

当たり前ですよね~ でも、こういうものは課税実務ではどうなの?とついつい考えてしまいます。

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2007年8月28日 (火)

本当に安心?公正証書遺言(修正版)

「本当に安心?公正証書遺言」という記事を以前書きました。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/01/post_6c61.html

この記事をお読みになった公証人役場の方から連絡があり、現在は銀行協会との間で次の文言を公正証書遺言に記載することにより、遺産である預貯金等の名義変更や払い戻しができるという申し合わせができているそうです。

以下は、その文言をその方からファックス頂きましたのでそのまま引用します。

(この様なご指摘は私自身の実務知識に大変役立ちます。連絡頂いた方にはこの場を借りてもう一度お礼申し上げます。)

(以下、引用)

第○条

遺言者は、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定します。

住所

弁護士 ○○

遺言執行者に対する執行報酬は、遺言執行者の所属する事務所の定める金額とし、これを支払います。

なお、遺言者は、遺言執行者が遺言執行のため、債務を処理し、預貯金債権、信託受益権、株式、有価証券、その他遺言者に権利の帰属する一切の金銭債権につき、これを調査し、名義変更をなし、あるいは解約、払い戻し等を行って現金を受領し保管すること、また、遺言者が金融機関において貸金庫、セーフティ・ケース等を利用していた場合は、これを開披し在中物を受領し、借用契約を解除又は名義変更する権限のあることを、念のため付記します。

(引用終わり)

ただこのケース、遺言執行者を法律家である弁護士にした場合にはまず問題はないのでしょうが、遺言執行者を受遺者などにした場合には実務上どうなるのか? という問題もあるようです。

事業承継における問題を含め、遺言については何らかの立法上の手当を望みたいと思っています。

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2007年8月23日 (木)

贈与税の配偶者控除の注意点(申告要件)

相続税法第21条の6「贈与税の配偶者控除」の適用を受けるには、贈与税の申告を必要とします。

相続税法第21条の6第3項では(以下、一部書き足した上での要約)

贈与税の配偶者控除の規定は、贈与税申告書(期限後申告書を含む。)に、控除を受ける金額とこれに関する事項及びその控除を受けようとする年の前年以前の各年分の贈与税につき、今回の贈与者である配偶者からこの適用を受けていない旨の記載があり、かつ、婚姻期間が20年以上である旨を証する書類(戸籍謄本などです)等の添付がある場合に限り、適用する。

従って、贈与税の配偶者控除の適用を受けて納付すべき贈与税の額が0円になったとしても、0円である旨の申告書を一定の書類を添付して所轄税務署長に提出しなければ適用を受けることができないのです。実際に私も税務代理をして、贈与税の配偶者控除の適用を受けて納付税額0円の贈与税申告書を提出したことは数知れずあります。

贈与税の配偶者控除は、贈与税の申告があって初めて適用を受けることができる・・・この点に留意しておいて下さい。

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2007年8月19日 (日)

贈与税の配偶者控除の注意点(婚姻期間)

相続税法第21条の6「贈与税の配偶者控除」について、婚姻期間の要件の留意点です。

相続税法第21条の6第1項で、贈与税の配偶者控除は婚姻期間が20年以上である配偶者からの贈与について適用があるとしています。

この20年以上について、相続税法施行令第4条の6第2項では(以下、全て要約です)

婚姻期間は、民法に規定する婚姻の届出があった日からその贈与があった日までの期間により計算する。

とされています。

更にこれを確認するものが、相続税基本通達21の6-7です。

婚姻期間に1年未満の端数があるときであっても、その端数は切り上げないのであるから留意する。したがって、その婚姻期間が19年を超え20年未満であるときは、贈与税の配偶者控除の適用がない。

つまり、戸籍簿における婚姻届出の日から適用を受けようとする贈与の日まで、きっちりと20年以上なければいけません。

一般的に結婚記念日というと結婚式を挙げた日をいっていますが、婚姻届出の日は結婚式の後というのはよくあるケースです。贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合には、念のため戸籍謄本にてこの婚姻期間をしっかり確認しておく必要があります。

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2007年8月18日 (土)

贈与税の配偶者控除の注意点(居住用部分)

贈与税の配偶者控除(相続税法21条の6)について、相続税基本通達(以下「相基通」とします)における留意点に触れてみます。

相基通21の6-1(1)では、住宅部分とその他部分のある家屋(以下「店舗兼住宅」とします)とその敷地について適用対象となる範囲を明らかにしています(以下、要約)。

贈与税の配偶者控除の適用を受けられる者(以下「受贈配偶者」という。)が取得した次の土地等又は家屋は、適用対象となる居住用不動産に該当する。

・受贈配偶者が取得した店舗兼住宅とその敷地で、その取得の日の属する年の翌年3月15日現在において、その居住の用に供している部分の土地等及び家屋

なお、居住の用に供している部分の面積が、その土地等又は家屋の面積のそれぞれのおおむね90%以上であるときは、全て適用対象となる居住用不動産とすることができる。

相基通21の6-2では、店舗兼住宅のうち居住用部分の判定についての課税実務を明らかにしています。これは「住居部分+併用部分(例えば台所で店舗でも住居でも使う部分)×居住用部分の割合」で計算します。

重要なのは相基通21-6-3です(以下、要約)。

贈与を受けた持分の割合が相基通21の6-2の割合までは、居住用不動産に該当するものとして申告があったときは、その適用を認める。

つまり、店舗兼住宅の家屋や土地の持分を贈与したとき、贈与税の配偶者控除の適用においては、まず居住用部分を贈与したと考えて有利な計算をして下さい・・・ということですね。

(例)4千万円である居住用部分60%の店舗兼住宅のうち、50%の持分贈与をして贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合の控除額

・原則として適用を受けることができるのは

4,000万円×60%(居住用部分)×50%(持分贈与部分)=1,200万円

・しかし、次のように申告しましょう(得しますよ!)

60%(居住用部分)>50%(持分贈与部分)

∴全部居住用部分を贈与したことにできる

4,000万円×50%(持分贈与部分)=2,000万円

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2007年8月12日 (日)

贈与税の配偶者控除の注意点

相続税法第21条の6の「贈与税の配偶者贈与」の課税実務においては、相続税基本通達21の6-1(2)からも明らかなように

相手配偶者からの土地のみの持分贈与であっても、その他の要件さえ満たしていれば贈与税の配偶者控除の適用を受けることができます。

首都圏等の路線価の上昇を実感している状況化においては、価額の上昇が見込まれる土地部分のみを贈与税の配偶者控除を利用して贈与したいと思うのが一般的だと思います。

が・・・税務上において居住用家屋の敷地である土地のみの持ち分を所有する者について、どのような不利な取扱があるのかを把握しておく必要があります。

相続税法第21条の6の贈与税の配偶者控除では、贈与された居住用不動産等にその後引き続き居住する見込みがなければ適用を受けることができませんが、将来的にはその居住用不動産を譲渡する可能性もあり得ます。その時の問題点です。

現行の居住用財産の譲渡所得税の特例で、居住用家屋と敷地の所有者が異なる場合の取扱についてはこのブログで既に触れています。

租税特別措置法35条(3千万円控除)

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/05/post_207c.html

租税特別措置法36条の2(買換特例)

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/05/post_5cef.html

現行の措置法35条の3千万円控除の適用を受ける場合に、居住用家屋を所有していない敷地所有者はこの適用が原則としてできません。専門家として贈与税の配偶者控除のアドバイスをするときに落としてはいけない説明箇所でしょう。

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2007年8月 8日 (水)

贈与税の配偶者控除(土地のみの贈与)

相続税法第21条の6の「贈与税の配偶者贈与」は婚姻期間など一定の要件を満たしている場合に、相手配偶者より国内の居住用不動産(またはその取得のための金銭)の贈与を受けたときに適用を受けることができます。

この居住用(の特例)という場合ですが、税務では家屋を中心に考えるケースが多いです。家屋の敷地である土地は居住用の家屋に伴って・・・という要件を付されることが殆どでしょう。土地に竪穴を掘って住むというケースは現代ではまずなく、実際に住むところは家屋だからでしょうね。

しかし贈与税の配偶者控除ではこの居住用不動産の範囲について、かなり幅広くしています。相続税基本通達21の6-1によると(以下、(2)を中心とした要約です)

贈与税の配偶者控除の適用を受けられる者(受贈配偶者)が取得した次に掲げる土地は、居住用不動産に該当する。

受贈配偶者が居住の用に供する家屋の存する土地のみを取得した場合で、その家屋の所有者が受贈配偶者の相手の配偶者又は受贈配偶者の同居親族であるときにおけるその土地等

贈与税の配偶者控除の適用を受けようとする居住用不動産は土地・家屋とも夫所有というケースが大半であり、この様なケースでは夫から妻へ土地のみの持分贈与であっても、その他の要件さえ満たしていれば贈与税の配偶者控除の適用を受けることができます。

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2007年8月 6日 (月)

贈与税の配偶者控除の概要

私の業務範囲内である神奈川県東部(横浜市、川崎市等)や東京都内を中心とした首都圏では都市部の路線価が上昇しており、特に再開発地域では驚くほどの上昇を見せています。一般的な住宅地においても、どうやら下げ止まりかやや上昇となってきています。

この様な状況で相続税対策として復活するのではないかと思われるものが、相続税法第21条の6「 贈与税の配偶者控除」です。この特例規定は贈与税の原則課税方式である暦年課税の特例で、地価上昇時には相続税対策としてかなり利用されたものです。しかし最近は閑古鳥状態でした。地価の上昇を前提とした相続税対策案の典型例ですから仕方がありません。以下、相続税法第21条の6「 贈与税の配偶者控除」の要約です。

婚姻期間が20年以上である配偶者から贈与により

1.居住用不動産である土地等や家屋

2.居住用不動産である土地等や家屋を取得するための金銭(資金です)

を取得した者が、

・上記1の場合・・・その取得の日の属する年の翌年3月15日までにその居住用不動産に居住し、その後引き続き居住する見込みである場合

・上記2の場合・・・その取得の日の属する年の翌年3月15日までにその金銭で居住用不動産を取得して居住し、その後引き続き居住する見込みである場合

その年分の贈与税については、課税価格から2,000万円(取得した居住用不動産の価額等が2,000万円未満の場合には、その価額まで)を控除する。

つまり、この規定の適用を受けると暦年課税の基礎控除額を加算した2,110万円まで、配偶者に対して居住用不動産またはその取得資金を贈与税の課税なしに贈与することができます。

しかし安易にこの特例の適用を受けて贈与するのは禁物です。相続税対策を主眼においた場合には、ますは現状における相続税負担の有無と多寡を分析し、諸費用(登記費用が必要ですし、不動産取得税が課税されま