2009年11月 5日 (木)

養子の子供の直系尊属

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税(措置法70条の2)が施行され、これに関する措置法通達も発表されました。この措置法通達の70の2-1で直系尊属に含まれないケースが例示されています。

この措置法通達 →http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sozoku/sochiho/kaisei/090807/pdf/01.pdf

(1)は義理の親のこと、(3)は特別養子における実親等のこと。

ややこしいのが次の(2)です(以下、要約)。

その特定受贈者の父母が養子縁組による養子となっている場合において、その特定受贈者がその養子縁組前に出生した子である場合のその父母の養親及びその養親の直系尊属。

養子縁組は、縁組時点で養親・その血族と養子との間に血族関係が生じますが、養親・その血族と養子の血族(養子の子供等)とは血族関係が生じません。この事から、養子縁組時点で出生していた養子の子は養親等と血族関係がないことになり、養親等は直系尊属とはなりません。

この事は、養子が以前死亡等したため代襲相続が起こる場合の代襲相続人の判定についても同様となりますので、希なケースかもしれませんが相続税の申告に当たっても注意が必要です。

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2009年10月23日 (金)

親子リレーローンの税務

自宅を建てるときに金融機関から融資を受ける際、親子リレーローンというものがあります。これは親の年齢などから借入期間が長くできない場合に同居する子供を連帯債務者とする等の方法により親から子供へ借入金を引き継ぐ事により借入期間を長期間にできるローン商品です。

子供が親から借入金を引き継いだときには、引き継いだ金額に相当する自宅建物の持分を親からの贈与として登記することになるのでしょうが、税務上も贈与として取り扱われ贈与税の課税対象となります。ただし、この場合は借入金の負担を付けた贈与として負担付贈与になります。負担付贈与を受けた場合の建物の贈与税の評価額は、通常の場合の相続税評価額(固定資産税評価額)ではなく通常の取引価額・・・すなわち時価とされています。そして贈与税の課税価格は、建物時価-引き継いだ借入金相当額となります。

一方、負担付贈与をした親の方は子供に引き継いでもらった借入金相当額で自宅建物の持分を譲渡したとして譲渡所得税の課税対象となります。

自宅建物の持分のみを負担付贈与(子供の側)や譲渡(親の側)をした場合、その建物持分の時価が問題となります。一般的には、建物のみ・・・借地権を考慮しないときには、原価法で考えざるを得ないのでないかと思います。すなわち時価=譲渡所得税における取得原価となり、同額分の借入金の引継となれば子供の側の贈与税負担も親の側の譲渡所得税負担もないことになります(この段落は私見です)。

親子リレーローンの対象物件が自宅建物のみではなく、宅地も含まれるとすると税務上の問題が生じる可能性有りでしょう。この辺りは、親子リレーローンを販売する金融機関も承知のことだと思いますが・・・

なお、負担付贈与における贈与税の取扱いについては、次の国税庁サイトを参考にして下さい。

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4426.htm

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2009年10月 1日 (木)

FPジャーナル10月号

FPジャーナル10月号誌上講座の相続事業承継設計に私が書いた「住宅に関連する贈与税の特例」が掲載されました。

今回は次の特例3つについて、概要と留意点を書きました。

1.贈与税の配偶者控除の特例

2.住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

3.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例

2は(延長されるかもしれませんが)今年いっぱいで期限切れの特例、3は今年6月に成立した新たな特例ということで、書くとしたら時期的には今しかないと思いこのテーマとしました。

ちなみに国税庁サイトでは、タックスアンサーにて1と2の概要が次の所に掲載されています。

贈与税の配偶者控除の特例

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4452.htm

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4503.htm

また、3については次の所にパンフレットが掲載されています。 

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku-zoyo/8102/pdf/01.pdf

併せて参考にしていただければと思います。

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2009年7月 1日 (水)

21年分路線価発表

平成21年分の路線価が発表され、次の国税庁サイトにて閲覧ができます。

→ http://www.rosenka.nta.go.jp/

昨年同様に21年も予定通り7月1日の発表となりました。

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2009年6月23日 (火)

経済危機対策における税制改正が成立

平成21年6月19日に経済危機対策における税制改正として「租税特別措置法の一部を改正する法律」が成立し、次の3つの措置が講じられることになりました(財務省パンフレットより)。

・住宅取得等のための金銭贈与に係る贈与税の時限的軽減措置

・中小企業の交際費課税の軽減

・研究開発税制の拡充

このうち、交際費課税の軽減は4月決算の中小法人より適用となりますので注意が必要です。

なお、上記概略は次の財務省サイトに掲載されています。

→ http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/so210619.pdf

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2009年6月16日 (火)

債務超過である合名会社等の持分

研修を受けてなるほどな~ と思った事例その2を紹介します。

相続税評価額を計算する上で株式会社の株式の価額は、債務超過で含み益もない場合、株価は0円で終わり。マイナス金額になることはありません。要するに債務超過分は切り捨てとなります。

では、合名、合資会社で債務超過の場合は(無限責任社員のとき)?

合名、合資会社が会社財産で債務を完済できない場合、その無限責任社員は連帯してその債務を完済する責任を持ちます。また、退社した場合、退社登記前の債務に対して責任を持ちます。このため、合名会社等の無限責任社員が死亡した場合でその合名会社等が債務超過のため会社財産で債務を完済できないときは、その死亡した者の負担すべき持分に係る会社債務をその死亡した者に係る相続税の計算上債務控除することができます。

詳細は次の国税庁サイトを参照

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/05/03.htm

同族の株式会社のオーナー社長などは、会社の借入金に対して個人保証している場合がほとんどです。つまり、無限責任を負っているのと結果的に同じ状態です。

保証債務については、原則として相続税の債務控除の対象とはならないことを考えると、不動産貸付業などの相続対策を念頭に置いて設立した株式会社等で債務超過に陥っている場合などは、会社法施行で株式会社から合名会社等への組織変更や1人合名会社が可能となったことから、この組織変更の検討ということもあるのではないかとのことでした。

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2009年6月10日 (水)

遺留分減殺請求により返還した精算課税財産

研修を受けてなるほどな~ と思った事例を1つ紹介します。

相続時精算課税の適用を受けて贈与された財産がある場合、その贈与財産は贈与者の死亡により贈与を受けた者の相続税の課税価格に贈与時の相続税評価額により加算します。

ここまでは良いのですが、この贈与等により他の相続人の遺留分を侵害してしまい遺留分の減殺請求を受け、相続時精算課税の適用を受けて贈与された財産を減殺請求した相続人へ返還した場合、この財産の評価額はどうなるのか?

減殺請求権の行使により当初の贈与は無効となり、当然ながら減殺請求した相続人はその財産について相続時精算課税を適用していないので、この場合には相続時の相続税評価額で計算するという原則に戻ります。

詳細は次の国税庁サイトを参照

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/10a/10.htm

レアケースでしょうが、だからこそ現実の事例に当たったとき知っているかいないかで問題を回避できるがどうかの違いが出そうな所です。

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2009年4月29日 (水)

500万円の住宅取得等資金贈与の特例

新しい贈与税の特例である「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(措置法70条の2)の特例の法律案が国会に上程されました。その概要が判明しましたので、簡単に触れます。

(追加)平成21年6月19日に衆議院の再可決により、下記の内容通りにこの非課税措置は成立しました。

・適用贈与期間は、平成21年1月1日から平成22年12月31日。

・贈与者は、受贈者の直系尊属(父母、祖父母等)に限る。

・受贈者(特定受贈者という)は、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上であること。

・非課税の適用対象となる贈与財産の額は、適用期間を通じて贈与を受けた住宅取得等資金のうち500万円までの金額。なお、この500万円の特例は、暦年課税の基礎控除又は相続時精算課税の特別控除とあわせて適用を受けることができる。

・住宅取得等資金とは、特定受贈者が贈与を受けた次のいずれかに掲げる新築、取得又は増改築(以下、「新築等」という)の対価に充てるための金銭をいう。

(1)住宅用家屋の新築

(2)建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得

(3)既存住宅用家屋の取得

(4)住宅用家屋について行う増改築工事

(5)上記の新築等とともに取得するその敷地の用に供されている土地若しくは土地の上に存する権利の取得

ただし、住宅用家屋等を取得した日の属する年の翌年3月15日までに贈与を受けた住宅取得等資金の全額を上記(1)~(5)の新築等に供したものに限る。

・新築等により取得した住宅用家屋は、取得した日の属する年の翌年3月15日までに特定受贈者の居住の用に供したとき、または同日後遅滞なく特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるときに適用できる。ただし、確実であると見込まれることによって適用を受けた場合で、住宅用家屋を同年12月31日までに特定受贈者の居住の用に供さなかったときは、適用を受けることができない

・贈与税の期限内申告書に特例の適用を受けようとする旨を記載し、計算明細等その他一定の書類の添付がある場合に限り適用される。

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2009年4月12日 (日)

与党の経済危機対策における税制上の措置

平成21年4月9日付で自民党より「経済危機対策における税制上の措置」として平成21年度税制改正の追加措置が講じられています。

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2009/pdf/seisaku-009.pdf

当初聞いていたものより大きく後退した感じの措置ですが、次の3つが講じられており、これからの国会審議で可決を目指します(以下、タイトル後の内容は一部私見です)。

1.住宅取得のための時限的な贈与税の軽減

平成21年1月1日から平成22年12月31日の間に20歳以上の者が、親・祖父母等の直系尊属からの自分の居住用家屋(家屋だけでなく同時取得する土地、さらに家屋の増改築を含む)の取得資金の贈与を受けたとき、贈与税について暦年課税か相続時精算課税かに関わらず500万円の追加控除を適用する。

2.中小企業の交際費課税の軽減

平成21年4月1日以後に終了(開始ではないが、残念ながら21年3月期決算法人は対象外)する事業年度から、資本金1億円以下の法人の交際費等の損金算入限度額を定額400万円から600万円に引き上げる。

3.研究開発税制の拡充(内容は省略)

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2009年3月30日 (月)

平成21年度税制改正

平成21年3月27日に平成21年度税制改正法(所得税法等の一部を改正する法律他)が成立しました。これで中小法人について軽減税率を22%から18%への引き下げ、欠損金の繰戻還付や非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の導入などが決定しました。

改正内容の概略 → http://www.mof.go.jp/houan/171/st210123g.pdf

新聞報道によると政府はさらに景気対策の一環として次の減税措置を検討しているそうです。

・省エネルギー住宅等の取得のための贈与について、贈与税を軽減

・大企業にも欠損金の繰戻還付を適用

・研究開発減税の拡充

・中小法人の法人税率引き下げ

・有価証券評価損の損金算入を容易にする

適用時期は概ね21年度となるようです。さて、これらのさらなる改正が本当にされるのでしょうか?

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2009年1月19日 (月)

中小企業庁の冊子(税制改正)

中小企業庁のサイトで「平成21年度税制改正の概要(中小企業関係税制)」という冊子がダウンロードできます。

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2009/download/090109KaiseiGaiyou21.pdf

この冊子には

1.事業承継税制の全体像

2.中小企業対策税制(生活対策)

 (1)中小企業に対する軽減税率の時限的引下げ

 (2)中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活

(以下、3~8は省略)

として、図表による説明がされています。

概略を掴むのに便利なので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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2009年1月13日 (火)

贈与税の納税猶予制度

平成21年度税制改正大綱で「取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度」が創設されることとされています。しかし、大綱ではその要件等の詳細について「その他所要の措置を講ずる」としており、相続税の納税猶予制度の要件との違いの詳細が明らかではありません。

しかし、この詳細の一部について週間税務通信で情報として取り上げられています。

1.受贈者である後継者は、年齢が20歳以上で、かつ、役員就任後3年以上経過していること

2.贈与者である経営者は、役員を退任すること

3.一括で贈与すること

4.平成21年4月1日以後の贈与から適用

1~3については、円滑化法省令の改正となるようです。

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2008年12月22日 (月)

21年度改正(事業承継税制)

自民党の平成21年度税制改正大綱

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-032a.pdf

では、注目の取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予について、5年経過後の猶予税額が免除される場合として、猶予を受けた経営承継相続人(経営承継円滑化法施行規則第6条第1項第7号トに規定)が死亡等の日まで特例適用株式等を保有し続けたときの他、3項目が挙げられています(大綱65~66ページ)。

1.倒産等の場合

特例適用株式等に係る会社について、破産手続開始の決定又は特別清算開始の命令があった場合には、猶予税額の全額を免除する。

2. 次の後継者への贈与

次の後継者へ特例適用株式等を贈与した場合において、その特例適用株式等について贈与税の納税猶予制度の適用を受けるときは、その適用を受ける特例適用株式等に係る相続税の猶予税額を免除する。

3.他者への譲渡

同族関係者以外の者へ保有する特例適用株式等を一括して譲渡した場合において、その譲渡対価又は譲渡時の時価のいずれか高い額が猶予税額を下回るときは、その差額分の猶予税額を免除する。

2については、これにより新しく「取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度」ができることになりました。

3は、今後のM&Aを想定して他者へ一括譲渡した場合で、原則として譲渡対価が猶予税額より安かったとき、その安かった分は免除するが、譲渡対価が時価より安かったときは、猶予税額と時価との差額しか免除しないということでしょう。

特例適用株式等は国へ担保に供されているので、この時価というのは担保価額に近い価額ということなのかな? → 完全な私見です!

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2008年12月16日 (火)

21年度改正(中小企業税制)

20年12月12日に発表された自民党発表の平成21年度税制改正大綱によると

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-032a.pdf

中小企業対策として、6項目が挙げられています(大綱26~27ページ)。

そのうちの2つについてです。

1.中小企業に対する軽減税率の時限的引き下げ

中小法人等の平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を22%から18%に引き下げる。

2.中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活

中小法人等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額等については、欠損金の繰戻しによる還付制度の適用ができることとする。

1については、適用を受ける中小法人がどの程度メリットを感じるかが疑問です。法人税のみを考えると減税効果は1事業年度で最大限32万円、2年の時限措置のため期間を通じても最大限64万円です。やるのであれば軽減税率が適用される所得金額上限を思い切って増やした方が良かった気もします。

2については、こちらは還付という形になりますので、これまで好調だったけれどここに来て大きく業績を悪化させたような適用対象法人は案外メリットを感じるかもしれません。但し、適用対象法人は限られてくることになります。

中小企業対策についてはもう一つ、5として事業承継税制が盛り込まれています。

取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度等を創設する。

「等」ということで取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度も創設されることになっています。

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2008年12月13日 (土)

平成21年度税制改正大綱が発表

平成21年度税制改正大綱が自民党より発表されました。

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/pdf/seisaku-032a.pdf

まだ全文に目を通していませんが、来年1月の税理士会所属支部の研修は事業承継をテーマとしていて、その研修責任者なので相続税関連のみをざっと見てみました。

注目したのは、新聞報道にもあるとおり取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度を設けた他に「相続税の納税猶予制度を受ける場合も、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を認める」とされたことです。両制度の併用は不可だろうといわれていましたので、驚きました。

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2008年12月10日 (水)

新納税猶予制度と円滑化法(まとめ)

新納税猶予制度について現在予想されている内容を書いてきましたが、どうやら12月12日(金)に税制改正大綱が発表される予定です。ノンビリ書きすぎたみたいで今回が最後のまとめとなってしまいました。

新聞・専門誌の情報によれば、相続税の課税方式の変更は先送りになるようです。この先送りというのは変更をやめたというわけではないので、相続時精算課税制度を導入している現在において将来的な相続税負担のあり方の予測が不安定となり(特に政治家の方々に対して)私は無責任だと思っていますがいかがでしょうか?

さて相続税の課税方式を遺産取得課税方式に変更しないため、新納税猶予制度の計算方法は当初予想されていたより複雑な計算になりそうです。恐らく大綱作成に関わっている方々はこの点も予測して準備していたでしょうから、大綱で来年度以降(いつまで続くか?)の新納税猶予制度の計算方法のアウトラインが明らかになるとは思います。

最後にこのブログを読んでくださっている税理士の方々へのお知らせですが、日税連のマルティメディア研修で12月12日より経営承継円滑化法の研修2時間が行われます。IDとパスワードが必要ですが、不明な方は所属税理士会支部等に聞けば分るはずです。是非、参考にしてください・・・ということで、後は税制改正大綱に注目です!

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2008年10月25日 (土)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その7)

シリーズ最後のその7です。その7まで書いて何なのですが、このシリーズは前段階で、一番書きたかったのが相続税の課税方式の変更や非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度についてです(^^

そこで、今現在分っている相続税関連の改正について次のシリーズとするつもりです。

さて、中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)について、第3章の金融支援措置の適用を受けることができる中小企業者は法人と個人である認定中小企業者ですが、このうち個人についての要件です。なお、個人なので大前提となる円滑化法第2条の中小企業者の要件である資本金の額等の適用はなく、従業員の数の要件のみに当てはまれば円滑化法第2条の中小企業者に該当します。

個人である認定中小企業者の要件ですが、会社ではないので代表者といった会社独自の概念がないという点を除いては法人と同様に、経営承継を起因とした事業用資産で事業実施に不可欠なものを取得するため多額の費用を要することなど一定の事由が生じているため事業活動の継続に支障が生じていると認められていること(円滑化法第12条第1項第2号)とされています。

その一定の事由ですが、施行規則第6条第3項第1号~第7号までが個人事業者の金融支援に関する要件です。

なお、施行規則についての条文は次を参照してください。

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/080905zigyou_shi1.pdf

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2008年10月22日 (水)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その6)

シリーズで中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)について書いていますが、円滑化法施行規則(以下「施行規則」とします)の読み方の研修を先日受講しました。施行規則の読み方をある程度理解していると参考書に頼ることがかなり少なくなると思いますので、この研修により得た情報を元に数回に分けて書いていきます。

その6は、第3章の金融支援措置の適用を受けることができる中小企業者は法人と個人である認定中小企業者ですが、このうち法人についての要件です。

まず前提は、上場会社等を除く会社のうち、経営承継を起因とした事業用資産で事業実施に不可欠なものを取得するため多額の費用を要することなど一定の事由が生じているため事業活動の継続に支障が生じていると認められていること(円滑化法第12条第1項第1号)とされています。

この具体的な事由は施行規則第6条に定められていますが、ここの読み方が非常に大変なのです! 恐らく平成21年度の税制改正により施行される非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度を意識して、納税猶予制度の要件も先に規定したために分りにくくなったようです。

その一定の事由ですが、施行規則第6条第1項第1号~第6号までが金融支援に関する要件です。注意しなければならないのは第1項7号と第2項で、これらは非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度を意識して規定されたもののようです。

なお、施行規則についての条文は次を参照してください。

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/080905zigyou_shi1.pdf

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2008年10月19日 (日)

事業承継ハンドブック

事業承継・・・中小企業経営承継円滑化法(円滑化法とします)では経営承継と呼んでいます・・・についての研修会や図書出版が花盛りです。現在から今後にかけての税務・法務等にとって重要な課題だからでしょう。私もこれには税理士会所属支部の研修担当部長という役目に就いていることから実感していて、このブログでも「中小企業経営承継円滑化法の留意点」として何回か記事にしています。

しかし、最近の研修会や図書出版をみていると円滑化法と来年成立予定の非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度についての説明に多くを費やしていて、事業承継そのものへの鳥瞰が掴みにくいような気がしていました。特に税理士の方で今現在では事業承継の実務に関わっていない、しかし将来的には関わりがでてくるだろうと思う方は不満に思ってしまうのではないでしょうか。私自身、企業再編についての注目時に同様な思いを抱いて殆ど勉強せず、その後の実務で企業再編に関わったときに大変苦労をしてしまいました。経験者から言うと、この様な注目事項は何はともあれ話題を集めているときから勉強しておくことが何よりです。

ということで紹介します。無料で事業承継の鳥瞰(概要)を掴める冊子です。

中小企業庁発行の「中小企業事業承継ハンドブック~これだけは知っておきたいポイント20問20答~ 経営承継円滑化法対応版」

→ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/shokei20_all.pdf

鳥瞰図を示してくれている冊子だと思いますので、一部一部の拾い読みはやめて斜め読みでかまわないので全ページに目を通しましょう。まずは概略を掴んで、その後は奮って事業承継に関する研修会等に参加しましょう。なお、この冊子は今後の関係法令・規則等の公布等によりさらに改訂されていくと思います。

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2008年9月25日 (木)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その2)

中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)は、その定めている措置により取扱いが異なり、また税法に慣れている者(税理士がその筆頭でしょう)にとって法令等を読むと混乱しがちな部分もあるようです。そこで、現在~今後において私が仕入れた情報を基に円滑化法について諸々のことを書いていきたいと思います。

その2は、基本となる円滑化法の条文構成について。

円滑化法は、4章16条と附則3条により構成されています。

第1章(第1条~2条)は総則で目的と定義についてですが、第2条ではこの法律に定める中小企業者を定義しています。

第2章(第3条~11条)は遺留分に関する民法の特例を定めています。

第3章(第12条~15条)は支援措置で金融支援を定めています。また、平成21年度税制改正案成立後に予定される非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度も影響を受ける章だと思われます。

第4章(第16条)は雑則で権限委任について定めています。

附則は施行期日等の他、相続税の課税についての措置を第2条で定めています。

気を付けなければならないのが、第1章の2条で定義づけられた中小企業者のうち、第2章の遺留分に関する民法の特例と第3章の支援措置で適用対象者にそれぞれ更に要件等を設けている点です。

つまり、遺留分に関する民法の特例と支援措置とで適用対象となる中小企業は異なる(場合がある)ということになります・・・詳細は次回以降に(^^)

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2008年9月23日 (火)

中小企業経営承継円滑化法の留意点(その1)

中小企業経営承継円滑化法(以下「円滑化法」とします)は、その定めている措置により取扱いが異なり、また税法に慣れている者(税理士がその筆頭でしょう)にとって法令等を読むと混乱しがちな部分もあるようです。そこで、現在~今後において私が仕入れた情報を基に円滑化法について諸々のことを書いていきたいと思います。

その1は、その施行時期について。

円滑化法は、大きく分けて次の2つの措置を設けています。

1.民法における遺留分についての特例(円滑化法第2章)

2.資金支援(円滑化法第3章)

更に上記2の資金支援については

2-1.金融支援

2-2.非上場株式に係る相続税の納税猶予(納税支援)

の2つを設けます(但し、2-2については21年度税制改正成立により決定)。

                                                            

これらの措置の施行時期については、次の通り異なっています。

1.民法における遺留分についての特例 → 平成21年3月1日(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の一部の施行期日を定める政令)

2-1.金融支援 → 平成20年10月1日(円滑化法附則第1条)

2-2.非上場株式に係る相続税の納税猶予 → 平成20年10月1日(但し、税制改正成立後に遡及することとしている・・・平成20年度税制改正要綱より)

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2008年9月16日 (火)

事業承継に関するお勧め新刊本

中小企業経営承継円滑化法がいよいよ施行されます。資金支援については平成20年10月1日(税に関する支援措置である非上場株式等に係る納税猶予制度も平成21年度税制改正成立後に同日へ遡及されます)より、民法特例である遺留分の特例は平成21年3月1日より施行となります。

事業承継の取扱いが大きく変わろうとしている関係上、事業承継に関する書籍も多数発売されています。その中でまずは最初の1冊としてお勧めの書籍を紹介します。

月刊誌「税理9月臨時増刊号」で題名は「新法施行直前! 経営承継円滑化法の活用と事業承継トラブルへの対応」です。残念ながら現時点では税理増刊号はamazonで取り扱っていない様で、このブログのお勧め本コーナーにはありません。

まずは第Ⅰ部「対談 経営承継円滑化法の創設と実務上の着目点」を読みましょう。経営承継円滑化法の立案担当者である中小企業庁財務課長と税理士の平川忠雄先生の対談で、この法律の条文順にその趣旨から解説まで対談ということから口語体により記載されており分かりやすいと思います。その後の第Ⅱ部以降でその詳細解説も行われています。

大きく変わろうとしている制度を理解するにはます全体像を捉える事が必要です。そのために月刊誌「税理9月臨時増刊号」はお勧めです。

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2008年9月13日 (土)

注目の話題・事業承継

税理士・会計士や弁護士による研修会・勉強会を東京と大阪を中心に活動しているグループに参加しています。現在、このグループでは最も注目の話題である事業承継(経営承継)について色々な切り口から概ね月1~2回研修会を開催しています。

平成20年9月12日に事業承継対策に関するトラブルの留意点についての研修会を受講してきました。かなり実務的な内容で今後事業承継に関わっていこうという者にとって有意義なものでした。

その中で印象的だったことを幾つかご紹介します。

1.事業承継の実務では、本当に承継を達成しようという熱意が本人達(現経営者と後継者)にないと立ち消えになる可能性が高い。

2.承継後の従業員の流出問題の対処が、特に「中小企業経営承継円滑化法(以下、円滑化法とします)」の適用を受けていく場合には重要課題である。

3.相続時精算課税を適用して後継者に自社株を贈与する対策は、円滑化法に伴う措置法(非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度)の内容や遺産取得者課税となる予定である相続税法の改正内容が明らかになるまで現時点では保留にした方がよいと思われる。

4.後継者以外の推定相続人に疎外感を与えないように、対策案からその実行の経緯をしっかりと説明する。

特に3については、改正内容のみではなく相続税の計算上相続時精算課税の適用を受けた贈与財産は贈与時の時価(相続開始時の時価ではない)により課税価格に加算されることから、値下がりによるリスクの説明責任が非常に重要であるとの説明がありました。私自身も相続時精算課税の適用をした贈与税申告を既に行っており、その際にこの説明をかなり慎重に行ったことを思い出しました。特に自社株贈与については、この点は慎重に慎重を重ねるべきだとつくづく痛感しました。

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2008年8月24日 (日)

広大地の評価って?

以前にも紹介した土地評価に関して影響力の大きな実務本「土地評価の実務」の最新版(以下「改訂版」とします)が刊行されています。

先日の広大地の評価の研修を受けた際に、講師の方々(パネルディスカッション方式でした)はこの本の中の広大地の評価についての改訂点にもかなり触れられていました。その中で実務の上で混乱が予想される部分を紹介します。

改訂版に記載された広大地に該当する要件として、次のものがあります(以下、改訂版に関する事項については全て要約しています)。

1.その地域の標準的な宅地の地積に比べ著しく地積が広大であること

2.都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に、公共公益的施設用地(基本的には道路です・・・筆者記載)として相当規模の負担が必要と認められるもの

3.ただし、大規模工業用地及びマンション適地を除く

最近の判決・裁決で路地状開発(私は旗竿開発や旗竿地と普段言っており改訂版でも旗竿という言葉をまず使っているようですので、以下「旗竿開発・旗竿地」とします)が適切であるとして広大地の適用を排除した理由が、上記2の公共公益的施設用地(道路)として相当規模の負担を要するか否かの判定です。

改訂版の解説では、経済的に最も合理的に戸建分譲をする際に必要な道路(開発道路)の必要性により判断するとしています。

さらにこの中で旗竿開発が合理的だと認められる土地については開発道路がないものとして広大地の判定をするとの解説をしています。

なお、旗竿地とは竿の先に国旗などの旗が四角にかかっている形の土地のことで、旗のかかっていない竿部分が開発道路に該当しない通路、旗の部分が宅地となります。

しかし、通達改正前に広大地の評価をした土地は、その地域内に旗竿地もあれば開発道路付の宅地もあり、いずれが合理的なのかといわれると一概に判断できないと言わざるを得ません。さらにいろいろな方が指摘されていますが、基本的に旗竿地は防災の観点からは適切な土地ではないはずです。都内のある区では防災上の理由から、広大地(正式には鑑定用語で言う面大地)について一定の旗竿開発を認めないこととしているそうです(もっともこの場合には相続税評価においても開発道路の必要な広大地となるかと思います)。

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2008年7月30日 (水)

地下に隧道がある土地の評価

宅地などの相続税評価をする場合に、地上権等が設定されているときには原則として一定の減額ができます。

民法第269条の2に区分地上権という物権が規定されています。

「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。」

というものです。

この区分地上権の設定された土地として地下に隧道(ずいどう)が設けられている土地の評価をしました。隧道とはトンネルのことで、現在登記用語では利用されていないそうですが、設定時期が古いときには隧道の設定などと記載されています。

区分地上権が設定されている土地の評価は、土地利用制限率に応じた区分地上権の価額を控除した価額で評価することとなっています。但し、この土地利用制限率を求めるのは実務上大変な労力を必要とすることも考えられます。

そこで、区分地上権で最も多いと考えられる隧道(地下鉄などのトンネルですね)が設定されているときの土地利用制限率は30%とする簡易計算が認められています。

この件に関しては、国税庁サイトの質疑応答集にも記載されています。

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/04/10.htm

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2008年7月13日 (日)

いよいよ始まる中小企業承継円滑化法

久しぶりの更新となります。

先日、今最も話題となっているものの一つである事業承継に関する研修を受けました。その中で「中小企業承継円滑化法」の対応等に対しての留意点がありました。

同法では民法1028条以下の遺留分に関する特例について次の規定が設けられています。

・除外合意 → 後継者が旧代表者から贈与等を受けた一定要件を満たした自社株式等(以下「対象財産」とします)の全部または一部について遺留分算定の基礎財産から除外する合意

・評価固定合意 → 対象財産について遺留分算定の基礎財産に算入する価額を相続時の時価ではなく合意価額とする合意

その他、追加除外合意というものもあります(今回は省略)。

上記の規定が中小企業承継円滑化法施行前の生前贈与について適用できるかどうかが気になりますが、どうやらできるそうです。

平成15年度に相続時精算課税制度が導入され、対象財産を生前贈与したケースもあるかと思いますが、一定要件を満たした上記合意があれば適用できると言うことだそうです。

中小企業承継円滑化法に関する政令等が近々明らかになると思います。事業承継問題を抱えている方々とそのサポートをする専門家は、今後この法令等を確認し十分検討した上で同法の適用をする必要性がでてくるのかと思います。

特にこの業務に関わる専門家の方々は、民法、相続税法だけでなく法人税・会社法といった関連法や会社の事業計画・後継者に関する問題など様々な問題に直面する可能性があります・・・受講した研修の受け売りですが(^^;)

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2008年6月30日 (月)

20年路線価は明日発表

昨日は渋谷で久しぶりに講師の仕事をしてきました。雨の中いらっしゃった受講生の皆様、ありがとうございました。

相続税関連の講師をしましたが、その中で路線価の話しをしていて「平成20年分の路線価は平成20年7月1日に発表されます」と言いました。つまり明日です。

国税庁サイトの路線価ページ → http://www.rosenka.nta.go.jp/

で閲覧できますが、午前中は特に混み合うでしょうね。

私も平成20年に開始した相続税申告の依頼を受けていますので、明日閲覧します。経験上、夕方当たりが入りやすい気がしていますがさてどうでしょうか(^^?

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2008年5月10日 (土)

お勧め本「土地評価の実務」

何とも忙しくてブログ更新がままなりません。

5月は法人申告ラッシュの月であるのに加えて、土地評価がやや面倒な相続税申告も今月期限、明日と明後日は前から受任していた講師の仕事もありもう大変な状況です。

この様な状況ですが、一つ本のご紹介をします。

相続税申告で土地評価が面倒な案件を受注したときに、まず私が参照するのが「土地評価の実務(大蔵財務協会)」です。今回も基本的な内容はこの本で調べていきました。課税庁関係者の監修ですので基本的には現行の課税実務に則った取扱いを解説していると考えています。

私のケースは区分地上権と区分地上権に準ずる地役権が設定された土地の評価などがあったのですが、第一段階の参考書として「財産評価基本通達逐条解説(大蔵財務協会)」とともに使いました。

因みにamazonでは最新版がないようですのでお勧め本には入れておりません(^^;)

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2008年5月 1日 (木)

時限措置は適用あり?なし?

平成20年4月30日に「所得税等の一部を改正する法律」が公布・施行されましたが、情報によると時期の取扱いに違いがあり要注意です。

主な取扱いは以下のとおりです。

1.平成20年1月1日より適用

住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例(措置法70の3他)

2.平成20年4月1日より適用

中小企業者等の少額減価償却資産の特例(措置法28の2他)

交際費等の損金不算入(措置法61の4他)

3.平成20年4月1日から4月30日前の支出に適用のないもの

使途秘匿金の課税の特例(措置法62他)

4.平成20年4月1日から4月30日前終了事業年度に適用のあるもの

欠損金の繰り戻し還付の不適用(措置法66の13他)が適用されないため、欠損金の繰り戻し還付の適用あり

ややこしい・・・特に3は支出時期での判断を求められるので忘れやすい気がする(^^;)

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2008年4月28日 (月)

平成20年分路線価は7月1日発表予定

平成20年分の路線価は7月1日に発表を予定しているそうです。

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/rosenka/7017/01.htm

発表時期は例年より1ヶ月早いです。また上記サイトにもあるとおり税務署は今年から路線価図の備え付けはしないということを連絡会でも聞いています。路線価図の閲覧はサイトにてお願いしますということでしょう。

今年相続が開始した相続税申告依頼を既に受けているので、平成20年分の路線価発表が早くなったことは喜ばしい限り(^^)

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2008年4月10日 (木)

財産評価基本通達の改正

先日、資産税関連の研修会を受講しました。その時の情報として営業権の評価が改正されたが、改正後は取引相場のない株式評価においても余り営業権を評価する必要はなさそうだと聞きました。

この改正は平成20年3月14日付財産評価基本通達の改正で、平成20年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用されます。内容は以下の国税庁サイトにて公表されています。

→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/kaisei/080314/01.htm

この中で営業権は165、166になります。具体的な内容は上記サイトをご覧頂くとして、166(2)注書きに注目です。

「平均利益金額が5,000万円以下の場合は(中略)営業権の価額は算出されないことに留意する。」

改正後の株価評価において、基本的に前3期分の平均利益がまず5,000万円を超えるかどうかに注意しておくことが営業権の評価漏れを防ぐことになるようです。

株価評価についてはもう1点。改正後180についてです。これは類似業種比準価額の計算式の通達ですが(3)が削除されました。

旧180(3)は「上記算式中の金額が0の場合には、分母の「5」は「3」とする。」というものでした。改正後は年利益金額が0であっても分母は5で計算することになったと言うことでしょう。但し、3要素0の会社は特定会社として類似業種は使えない(189、189-4)のはそのままのようです。

なお上記についての経緯は、このブログでも触れています。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/07/post_33f1.html

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/07/post_7b74.html

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2008年4月 1日 (火)

つなぎ法案の対象外措置

租税特別措置について適用期限延長のつなぎ法案が可決されたとのことですが、この延長の対象外となったのはガソリン税関係のみではありませんでした。

対象外の措置の詳細は次の財務省サイトに記載されています。

→ http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/sy200331/200331i.pdf

この中には平成19年末で期限切れ、2年の延長を予定している「住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例」も含まれています。

また法人税関係では「交際費等の損金不算入」があります。

報道では4月後半に衆議院で再可決して法案成立というシナリオだそうですが、精算課税を利用した住宅資金の贈与を考えている方々にとっては落ち着かない状況です。きっと総理の謝罪程度では納得できないと思っていらっしゃるのでは(^^?

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2008年2月23日 (土)

中小企業における経営の承継の円滑化法律案

通常国会提出の事業承継についての法律案である「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が経済産業省のサイトで明らかにされています。

→ http://www.meti.go.jp/press/20080205003/20080205003.html

その概要について、経済産業省のサイトよりそのまま引用すると

中小企業の事業承継の円滑化は、事業の継続・発展を通じて地域経済の活力を維持し、我が国経済の基盤である中小企業の雇用を確保するなどの観点から、極めて重要な課題となっています。

このため、事業承継税制の抜本拡充や民法上の遺留分制度の制約への対応を始め、事業承継円滑化のための総合的支援策の基礎となる「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」を国会に提出いたします。(引用終わり)

この法律案の骨子は3つあります。

1.相続税における特定同族会社株式の納税猶予制度の創設

2.生前贈与した特定株式の遺留分対象からの除外と持ち戻し価額の固定化という民法の特例の創設

3.信用保険法の特例創設などの金融支援

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2008年1月28日 (月)

確定申告期の電子申告利用時間

新年会やら講師やら忙しい上に、ネタ不足で更新が滞っていたら1月ももう終わりが近づいてきました。ということはもうすぐ2月。既に始まっている個人消費税の他に所得税・贈与税の申告時期となります。

国税庁が力を入れている電子申告(e-Tax)の利用時間も延長されたそうです。

以下は、国税庁サイト(http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2008/0801/01.htm

よりe-Taxの利用時間についての抜粋です。

・平成20年1月28日(月)午前9時から、所得税の確定申告期限の3月17日(月)までは、24時間e-Taxの利用可能(通常は月曜日~金曜日の午前9時~午後9時)

・但し、利用時間についてはメンテナンス作業等により変更する場合もあるので事前にe-Taxホームページで要確認

なお、私は1月30日に東京地方税理士会の電子申告に関する会議へ出席する予定ですので、このブログに書くことのできる情報があれば追ってアップするつもりです。

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2008年1月 7日 (月)

年が明ければ確定申告

年が明けて平成20年1月7日となり、我が事務所も今日が仕事始めとなりました。

新年早々といえば、毎年のように感じることが「いよいよ確定申告期がやって来る(やって来た)」ということでしょうか。

事務所の確定申告業務は、まず個人決算を今月後半位から始めて実際の申告期は平成20年2月18日~3月17日となるのですが、給与所得者などの還付申告は既に受付が始まっています。国税庁サイトでも「確定申告特集」というページが開設されています。

→ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.html

今年も贈与税の申告もあり(贈与税は平成20年2月1日~3月17日が申告期)個人関連業務の繁忙期がやってきました。

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2007年12月14日 (金)

平成20年度の与党税制改正大綱が発表

報道で既にご存じかもしれませんが、平成20年度の与党税制改正大綱が発表されました。

→ http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/pdf/seisaku-031a.pdf

ざっと見て注目した部分で資産税関連は、以下の項目です。

・16ページ~17ページ<事業承継税制>

「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を創設する。現行の特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例は、所要の経過措置を講じたうえで廃止する。

・39ページ「八 土地・住宅税制」(国税)

6.住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の適用期限を2年延長する。

また、もう一つ注目したのが「第二 平成20年度税制改正の基本的考え方」の中の5ページ最後の2行です。

「なお、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度については、その適用状況を引き続き注視(当初、中止と誤って変換していました。訂正しています。)する。」

導入されて3年経つ平成21年度にて廃止・・・とまでは行かなくても凍結かな~(希望)

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2007年12月 7日 (金)

相続・贈与税関連の改正動向

相続・贈与税関連の改正動向について日経の報道をお知らせします。

1.住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の延長

平成19年12月7日付の日経新聞5面で自民党税制調査会では「延長の方向」とのこと。私の見た限り政府税調ではこの点が不明でしたが、どうやら延長の可能性が濃くなったようです。

不明状態の時のこのブログの記事は

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/11/post_a53c.html

2.租税特別措置法69条の5「特定同族会社株式の相続税の課税価格の計算の特例」における80%減額への拡充(平成20年10月より施行)

何度も書いた内容ですが、以下はNIKKEI NETよりそのまま引用。

 中小企業の後継者の相続税負担を軽減する「事業承継税制」について、自民党税制調査会(津島雄二会長)は7日、相続税額を8割軽減する新制度を来年10月に導入する方向で調整に入った。雇用の8割以上を維持するなど適用条件を定めた新法を同時に施行。後継者難による中小企業の廃業を減らし、技術の継承や雇用機会の維持につなげるのが狙いだ。

 13日にまとめる来年度の与党税制改正大綱に盛り込む。現行の事業承継税制では非上場株式の相続税は1割しか軽減されない。相続税負担が重く、事業用資産の売却を迫られるケースもあるため、政府・与党では軽減幅を8割まで高める方針をすでに固めている。(引用終わり)

恐らく来週末に「与党税制改正大綱」が発表されるのではないかと思います。ねじれ国会のため昨年と同様にすんなりと国会を通過するかどうかは分かりませんが、20年度の税制改正がいよいよ本格化する時期となるのでしょう。

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2007年12月 3日 (月)

中小企業事業円滑継続法案

日経新聞の平成19年12月3日の一面によると中小企業事業円滑継続法案の内容が明らかになったとのことです。要約を「NIKKEI NET」よりそのまま引用します。

中小企業の代替わりの際の事業承継を円滑にするため、政府が来年の通常国会に提出する中小企業事業円滑継続法案の内容が2日、分かった。自社株の株主が多くなると経営に支障が生じやすくなることを考慮し、家庭裁判所の認可などがあれば後継者がすべて相続することもできるようにするのが柱。通常国会で成立すれば、来年10月をメドに施行する。

 中小企業の後継者が相続税負担や他の相続人が最低限主張できる取り分(遺留分)への支払いなどのため、事業を手放し、廃業するケースは少なくない。政府は事業承継を支援しなければ、中小が持つ高度な技術が失われかねず、雇用対策にもマイナスと判断した。(引用終わり)

政府は、租税特別措置法69条の5「特定同族会社株式の相続税の課税価格の計算の特例」における80%減額への拡充改正の他、民法の特別法として「中小企業事業円滑継続法」を来年の通常国会で成立させ、来年10月の施行を目指しているそうです。

この法律は、対象企業で基本的に争いのない事業承継についての遺留分の取扱いを緩和してくれるものです。

事業承継の実務的な円滑化策として一歩前進する法案だと思いますので、是非とも成立してもらいたいと思います。

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2007年11月24日 (土)

住宅取得等資金特別控除(相続時精算課税)の延長は?

某所にて平成20年度向け相続事業承継についてのCFP試験の講義を早々とする機会がありました。ここで少し困ってしまったのが、租税特別措置法の時限立法である第70条の3「特の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例」です。

相続税法第21条の9から始まる相続時精算課税制度の特例で、以下の緩和措置を設けています。

・特定贈与者の年齢制限を65歳未満でも可能とする(措置法第70条の3第1項)

・2,500万円の特別控除額について、住宅資金特別控除額として1,000万円を上乗せ(措置法第0条の3の2第2項)

但し、この特例は平成15年1月1日から平成19年12月31日までの間における贈与について適用があります(措置法第70条の3第1項)。

税制改正に関する報道では、この期間延長についてはされていないようだ?

終わるのかな~・・・取りあえず終わるかもしれないが講義は現行の取扱も説明しておきました。毎年のことですが税制改正については今の時期よく見えてこない部分がある上に、ねじれ国会もあって果たしてどうなるでしょうか(^^?

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2007年10月30日 (火)

年金受給権に関する判決(福岡高裁)

長崎地裁による相続税と所得税の二重課税についての年金受給権に関する判決について以前触れました。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/03/post_6178.html

二重課税を認めた原告勝訴で国側が控訴していたものですが、福岡高裁で平成19年10月25日に原判決取消として、二重課税を否定されました。

受け取った年金は、年金受給権とは法的に異なるものであり、夫の死亡後に支分権に基づいて発生したものといえることから、所得税法第9条の非課税所得に該当しない。従って、この年金に係る所得は所得税の対象となるものとである。

と言った内容のようです。

個人的には予想通りの判決ですが、感情的には何か釈然としないという思いのする方々の方が多いのでないでしょうか。

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2007年10月18日 (木)

生前贈与に関する税務相談(その5)

生前贈与の依頼を受けて相続税の現状分析をすると、相続税以前の問題点を発見する場合があります。

多々あるのが、相続税法第5条の保険契約における「みなし贈与」の問題です。

以下、相続税法第5条の要約です。

生命保険契約などの原則として死亡を伴う保険事故が発生した場合において、その保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によって負担されたものであるときは、これらの保険事故が発生した時(3項より、保険料負担者が被保険者である場合→相続税の課税対象となる場合を除く)において、保険金受取人が、その取得した一定の保険金のうち保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額に相当する部分を、その保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。また2項より、返還金その他これに準ずるもの(満期保険金など)の取得があった場合について準用する

上記の下線部分の問題です。夫が保険料をかけていて満期保険金の受取人が妻の場合には「夫が掛けたお金を満期保険金として妻が受け取る」 つまり夫から妻へお金が流れた(贈与された)として、満期保険金の受取時に妻へ贈与税が課税されることとなります。

そして、このケースが意外に多いこと多いこと・・・

相続税法第5条のみなし贈与に当たることを分かっていた上で、この様な保険契約を結ぶことは問題ありません。しかし、このことを知らなかった場合には結果として大きな贈与税問題が発生する可能性があるので注意しなければなりません。

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2007年10月14日 (日)

生前贈与に関する税務相談(その4)

親が子供に現金を贈与する(つもり)という税務相談でよく聞くことがあります。実際に子供へ贈与した後に無駄遣いをするかもしれないので贈与(したつもり)の現金を親が管理する預金に預け入れてその後も親がその預金を管理しますというものです。子供はその預金の存在自体を知らないのでしょう。これって本当に贈与なのでしょうか

贈与とは民法第549条で「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」

つまり親から子供へ贈与があったということは、贈与者(親)が子供に無償で財産を与えたことを認識しているはもとより、受贈者(子供)も無償で親の財産を無償で与えられたことを認識しているはずです。受贈者である子供の側にその認識がないということは、相続税における税務上の取扱は、単に親が子供の名義を借りて預金を作っただけの話しだとして、この預金は親の財産・・・親の相続時には親の遺産として相続税の課税対象とされてしまいます。結局、相続税対策としては何の意味もないことをしたことになります。

親が子供に財産を贈与すると言うことは、贈与後の財産は子供が自由に使用収益することができるようになるのだということをしっかりと認識しておく必要があります。

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2007年10月10日 (水)

生前贈与に関する税務相談(その3)

相続時精算課税制度を利用して土地を贈与する税務相談で、まずお話しすることは地価が下落した場合に税負担が増えることがあります。しかし、これ以外にも税負担が増える場合があることに注意しなければなりません。

小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例(措置法69条の4)が適用できる宅地等を相続時精算課税により贈与をした場合です。この特例は相続税の特例であり、贈与税において適用を受けることはできません。また、相続時精算課税制度を選択したことにより相続税の課税価格に加算される場合においても、この特例の適用はありません・・・このブログの次の過去記事参照。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/06/post_8ff6.html

親が所有する親の自宅の敷地を相続時精算課税制度の適用を受けて贈与した場合、贈与税の課税価格は措置法69条の4(小規模宅地等の特例)適用前の割高な価額により計算します。さらに贈与者である親の相続に係る相続税の課税価格の計算上、やはり措置法69条の4(小規模宅地等の特例)適用前の割高な価額で加算されます。

結果として贈与した部分は特定居住用宅地等であれば80%の減額が受けられないこととなり、その分の税負担を覚悟しておく必要があります。

相続時精算課税制度を選択して贈与する財産が不動産の場合には、登録免許税や不動産取得税などが割高なります・・・このブログの次の過去記事参照。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/10/post_7a59.html

しかしこれ以外にも、措置法69条の4について十分考慮の上で実行する必要があります。

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2007年10月 7日 (日)

生前贈与に関する税務相談(その2)

生前贈与に関して受ける税務相談で相続時精算課税制度について感じることなのですが、この制度を選択することが、まるで相続・贈与に関する税負担の免罪符をもらう感覚を持っている方が多い様に思います。

税務相談を受ける側としては、相続時精算課税制度は単に相続税と贈与税を一体化した制度であって、単純に贈与税の負担を減免してくれる制度ではないことをしっかりと説明しておく必要があります。居住用財産の買換特例などの譲渡所得税における課税の繰り延べと同様に、減免規定ではないことをしっかり理解してもらわないと後々のトラブルの基になる気がして仕方がありません。一般的な問題点については前回の記事を参照して下さい。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/10/post_a50a.html

さらに事前相談を受けた場合には、その他のコストも理解しておいて頂く必要があります。不動産が贈与財産の場合ですが比較のための検討ですので、特例は省略して原則的な取扱いについてのみ触れておきます。

1.不動産登記に関する登録免許税

贈与による取得の場合 → 固定資産税評価額×2%

相続による取得の場合 → 固定資産税評価額×0.4%

2.不動産取得税

贈与による取得の場合 → 固定資産税評価額×3%

相続による取得の場合 → 非課税

上記1、2のコストは、相続人としてあっさりと遺産相続する場合と比べて、相続時精算課税制度を選択して贈与を受ける場合の方が高くつくはずです。

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2007年10月 4日 (木)

生前贈与に関する税務相談

最近なぜか生前贈与に関する税務相談を多く受けています。こういうものは不思議と重なるものです。具体的内容は書けないのですが、遺産分割対策や相続税対策としての生前贈与ではなく、現状で生前贈与の必要性があるかもしれないというケースがまた多いのです。

「現状では生前贈与をしたいがコスト面を考えるといかがなものか?」というケースですが、生前贈与に関しての税務コストを考えるとまずは贈与税です。

暦年課税の贈与税を利用した場合には、贈与財産の価額が高いと半端でない税額を納付しなければなりません。例えば、500万円の贈与を受けた場合の暦年課税の贈与税は53万円となります。これが2,000万円だった場合の贈与税は720万円となります。

一方、贈与年の1月1日時点において65歳以上の親から20歳以上の子へ贈与する場合の贈与税については、相続時精算課税制度の適用を受けることができます。この場合には、原則として累積2,500万円まで贈与税は非課税となります。しかし、この制度は贈与者の親の相続に係る相続税の計算上、この規定の適用を受けた贈与財産は全て相続税の課税対象とされてしまいます・・・とここまでは一般的な話しなのですが、その他の注意点も重要です。以下、幾つかの概略だけ挙げると

・課税対象とする価額は贈与時の相続税評価額なので、その後贈与財産の価額が下落した場合には税負担が増える可能性がある。

・一度、相続時精算課税制度を選択した親からの贈与は暦年課税に変更することができない。今後、少額の贈与を繰り返す場合でも贈与税の申告を行う必要がある。

・現状分析と対策案を比較して相続時精算課税制度を選択したとしても、今後の税制改正による影響を避けることができない。例えば、毎年のように税制調査会での議案となる相続税の遺産に係る基礎控除額の引き下げなどは影響が大となるかも!

これら以外にも色々考えられる注意点があります。また追ってこのブログで書いていきたいと思います。

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2007年9月25日 (火)

お勧めの実務本(相続・贈与税関連)

税理士事務所で行う主要業務は、一般的に法人税関連業務と個人の確定申告業務ではないかと思います。私自身は相続税・贈与税関連業務にも力を入れていますが、それでも全体量では法人税関連と個人所得税関連の業務が多いのが現状です。

その結果かもしれませんが、相続税やその現状分析と対策についての業務ではトラブルが起こらないよう未然にかなり気を遣う必要があります。

この様なときの事前準備のために良い本があります。税理士会のブックマートである本を探していたときに見つけて購入したものです。

「ココだけは押さえておきたい! 相続・贈与税トラブルの傾向と対策」で税理士の松岡章夫氏が著者、ぎょうせいの発行です。

この本は各論について突っ込んだ内容のものではなく、一般的に相続・贈与税関連業務でトラブルが起きそうな内容を概略的・横断的に紹介したものです。但し、法令条文や通達・裁決例・判決例の番号をきちんと入れてあり、これを基に深く調べることが可能です。

現在、相続税関連業務を行う方はもちろん、これからこの様な業務に力を入れていく方にもお勧めの本だと思います。なお、このブログ左サイドの「お勧めの本(実務専門書)」でも紹介しています。

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2007年9月10日 (月)

敷金を預かっている貸家の贈与

一時的な収入というのは嬉しいものですがその反面、一時的にその収入は終わるということでもあります。では、一時的に財産をもらってその後も継続的に収入を得るには?

誰でも利用できるわけではありませんが、親が所有する貸家を子供に贈与すれば子供は一時的に不動産をタダでもらい、その後の賃貸料を収入することができます。

しかし、敷金を預かっている貸家を贈与する場合、注意しなければならない点があります。これは相続時精算課税制度の導入により注目を集めたものです。

私法上は、賃貸人(大家です)が変わったとき賃借人(部屋の借り主です)が差し入れた敷金は基本的に新しい大家が引き継ぐことになります。そうなると親から子へ貸家のみを贈与した場合には、借り主の退去時に返還する必要のある敷金債務の負担を子に求めた負担付贈与となります。

負担付贈与による貸家の贈与税の課税価格に算入する価額は、財産評価基本通達の定めによる相続税評価額{固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)}ではなく、通常の取引価額(いわゆる時価)から債務を控除した金額となります(平元・3直評5外)。

また、負担付贈与に係る贈与財産の価額は、負担がないものとした場合における贈与財産の価額から負担額を控除した価額によるものとする(相続税基本通達21の2-4)とされています。

貸家の贈与が負担付贈与とされた場合には「貸家の時価-敷金=課税価格」となってしまい、敷金の額は少額であるにもかかわらず貸家の価額が通常の贈与税の課税価格となる金額より高額となるような不合理な結果が生まれます。

これを避けるために、貸家等の贈与をする時点で敷金の精算も行ってしまう方法があります。つまり贈与者である親が預かっている敷金相当額を、今後返還義務を負う子に渡してしまえばよいのです。これは負担付贈与ではなく貸家等の売買を行うときによくある敷金の精算と捉えてくれます。贈与者における譲渡所得税(求めた負担額-貸家等の価額=譲渡益)の問題も生じません。これについては国税庁サイトの次のものを参照して下さい。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/040120/02.htm#a-13

当たり前ですよね~ でも、こういうものは課税実務ではどうなの?とついつい考えてしまいます。

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2007年8月23日 (木)

贈与税の配偶者控除の注意点(申告要件)

相続税法第21条の6「贈与税の配偶者控除」の適用を受けるには、贈与税の申告を必要とします。

相続税法第21条の6第3項では(以下、一部書き足した上での要約)

贈与税の配偶者控除の規定は、贈与税申告書(期限後申告書を含む。)に、控除を受ける金額とこれに関する事項及びその控除を受けようとする年の前年以前の各年分の贈与税につき、今回の贈与者である配偶者からこの適用を受けていない旨の記載があり、かつ、婚姻期間が20年以上である旨を証する書類(戸籍謄本などです)等の添付がある場合に限り、適用する。

従って、贈与税の配偶者控除の適用を受けて納付すべき贈与税の額が0円になったとしても、0円である旨の申告書を一定の書類を添付して所轄税務署長に提出しなければ適用を受けることができないのです。実際に私も税務代理をして、贈与税の配偶者控除の適用を受けて納付税額0円の贈与税申告書を提出したことは数知れずあります。

贈与税の配偶者控除は、贈与税の申告があって初めて適用を受けることができる・・・この点に留意しておいて下さい。

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2007年8月19日 (日)

贈与税の配偶者控除の注意点(婚姻期間)

相続税法第21条の6「贈与税の配偶者控除」について、婚姻期間の要件の留意点です。

相続税法第21条の6第1項で、贈与税の配偶者控除は婚姻期間が20年以上である配偶者からの贈与について適用があるとしています。

この20年以上について、相続税法施行令第4条の6第2項では(以下、全て要約です)

婚姻期間は、民法に規定する婚姻の届出があった日からその贈与があった日までの期間により計算する。

とされています。

更にこれを確認するものが、相続税基本通達21の6-7です。

婚姻期間に1年未満の端数があるときであっても、その端数は切り上げないのであるから留意する。したがって、その婚姻期間が19年を超え20年未満であるときは、贈与税の配偶者控除の適用がない。

つまり、戸籍簿における婚姻届出の日から適用を受けようとする贈与の日まで、きっちりと20年以上なければいけません。

一般的に結婚記念日というと結婚式を挙げた日をいっていますが、婚姻届出の日は結婚式の後というのはよくあるケースです。贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合には、念のため戸籍謄本にてこの婚姻期間をしっかり確認しておく必要があります。

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2007年8月18日 (土)

贈与税の配偶者控除の注意点(居住用部分)

贈与税の配偶者控除(相続税法21条の6)について、相続税基本通達(以下「相基通」とします)における留意点に触れてみます。

相基通21の6-1(1)では、住宅部分とその他部分のある家屋(以下「店舗兼住宅」とします)とその敷地について適用対象となる範囲を明らかにしています(以下、要約)。

贈与税の配偶者控除の適用を受けられる者(以下「受贈配偶者」という。)が取得した次の土地等又は家屋は、適用対象となる居住用不動産に該当する。

・受贈配偶者が取得した店舗兼住宅とその敷地で、その取得の日の属する年の翌年3月15日現在において、その居住の用に供している部分の土地等及び家屋

なお、居住の用に供している部分の面積が、その土地等又は家屋の面積のそれぞれのおおむね90%以上であるときは、全て適用対象となる居住用不動産とすることができる。

相基通21の6-2では、店舗兼住宅のうち居住用部分の判定についての課税実務を明らかにしています。これは「住居部分+併用部分(例えば台所で店舗でも住居でも使う部分)×居住用部分の割合」で計算します。

重要なのは相基通21-6-3です(以下、要約)。

贈与を受けた持分の割合が相基通21の6-2の割合までは、居住用不動産に該当するものとして申告があったときは、その適用を認める。

つまり、店舗兼住宅の家屋や土地の持分を贈与したとき、贈与税の配偶者控除の適用においては、まず居住用部分を贈与したと考えて有利な計算をして下さい・・・ということですね。

(例)4千万円である居住用部分60%の店舗兼住宅のうち、50%の持分贈与をして贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合の控除額

・原則として適用を受けることができるのは

4,000万円×60%(居住用部分)×50%(持分贈与部分)=1,200万円

・しかし、次のように申告しましょう(得しますよ!)

60%(居住用部分)>50%(持分贈与部分)

∴全部居住用部分を贈与したことにできる

4,000万円×50%(持分贈与部分)=2,000万円

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2007年8月12日 (日)

贈与税の配偶者控除の注意点

相続税法第21条の6の「贈与税の配偶者贈与」の課税実務においては、相続税基本通達21の6-1(2)からも明らかなように

相手配偶者からの土地のみの持分贈与であっても、その他の要件さえ満たしていれば贈与税の配偶者控除の適用を受けることができます。

首都圏等の路線価の上昇を実感している状況化においては、価額の上昇が見込まれる土地部分のみを贈与税の配偶者控除を利用して贈与したいと思うのが一般的だと思います。

が・・・税務上において居住用家屋の敷地である土地のみの持ち分を所有する者について、どのような不利な取扱があるのかを把握しておく必要があります。

相続税法第21条の6の贈与税の配偶者控除では、贈与された居住用不動産等にその後引き続き居住する見込みがなければ適用を受けることができませんが、将来的にはその居住用不動産を譲渡する可能性もあり得ます。その時の問題点です。

現行の居住用財産の譲渡所得税の特例で、居住用家屋と敷地の所有者が異なる場合の取扱についてはこのブログで既に触れています。

租税特別措置法35条(3千万円控除)

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/05/post_207c.html

租税特別措置法36条の2(買換特例)

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/05/post_5cef.html

現行の措置法35条の3千万円控除の適用を受ける場合に、居住用家屋を所有していない敷地所有者はこの適用が原則としてできません。専門家として贈与税の配偶者控除のアドバイスをするときに落としてはいけない説明箇所でしょう。

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2007年8月 8日 (水)

贈与税の配偶者控除(土地のみの贈与)

相続税法第21条の6の「贈与税の配偶者贈与」は婚姻期間など一定の要件を満たしている場合に、相手配偶者より国内の居住用不動産(またはその取得のための金銭)の贈与を受けたときに適用を受けることができます。

この居住用(の特例)という場合ですが、税務では家屋を中心に考えるケースが多いです。家屋の敷地である土地は居住用の家屋に伴って・・・という要件を付されることが殆どでしょう。土地に竪穴を掘って住むというケースは現代ではまずなく、実際に住むところは家屋だからでしょうね。

しかし贈与税の配偶者控除ではこの居住用不動産の範囲について、かなり幅広くしています。相続税基本通達21の6-1によると(以下、(2)を中心とした要約です)

贈与税の配偶者控除の適用を受けられる者(受贈配偶者)が取得した次に掲げる土地は、居住用不動産に該当する。

受贈配偶者が居住の用に供する家屋の存する土地のみを取得した場合で、その家屋の所有者が受贈配偶者の相手の配偶者又は受贈配偶者の同居親族であるときにおけるその土地等

贈与税の配偶者控除の適用を受けようとする居住用不動産は土地・家屋とも夫所有というケースが大半であり、この様なケースでは夫から妻へ土地のみの持分贈与であっても、その他の要件さえ満たしていれば贈与税の配偶者控除の適用を受けることができます。

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2007年8月 6日 (月)

贈与税の配偶者控除の概要

私の業務範囲内である神奈川県東部(横浜市、川崎市等)や東京都内を中心とした首都圏では都市部の路線価が上昇しており、特に再開発地域では驚くほどの上昇を見せています。一般的な住宅地においても、どうやら下げ止まりかやや上昇となってきています。

この様な状況で相続税対策として復活するのではないかと思われるものが、相続税法第21条の6「 贈与税の配偶者控除」です。この特例規定は贈与税の原則課税方式である暦年課税の特例で、地価上昇時には相続税対策としてかなり利用されたものです。しかし最近は閑古鳥状態でした。地価の上昇を前提とした相続税対策案の典型例ですから仕方がありません。以下、相続税法第21条の6「 贈与税の配偶者控除」の要約です。

婚姻期間が20年以上である配偶者から贈与により

1.居住用不動産である土地等や家屋

2.居住用不動産である土地等や家屋を取得するための金銭(資金です)

を取得した者が、

・上記1の場合・・・その取得の日の属する年の翌年3月15日までにその居住用不動産に居住し、その後引き続き居住する見込みである場合

・上記2の場合・・・その取得の日の属する年の翌年3月15日までにその金銭で居住用不動産を取得して居住し、その後引き続き居住する見込みである場合

その年分の贈与税については、課税価格から2,000万円(取得した居住用不動産の価額等が2,000万円未満の場合には、その価額まで)を控除する。

つまり、この規定の適用を受けると暦年課税の基礎控除額を加算した2,110万円まで、配偶者に対して居住用不動産またはその取得資金を贈与税の課税なしに贈与することができます。

しかし安易にこの特例の適用を受けて贈与するのは禁物です。相続税対策を主眼においた場合には、ますは現状における相続税負担の有無と多寡を分析し、諸費用(登記費用が必要ですし、不動産取得税が課税されます)を勘案した上でこの特例の適用を検討すべきです。相続税対策において、まず重要なのは現状分析だということを心しておかなければなりません。

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2007年8月 1日 (水)

平成19年分路線価発表

平成19年分の全国の路線価・倍率等(財産評価基準書)が発表されました。次の国税庁サイトで見ることができます。

http://www.rosenka.nta.go.jp/

早速、相続税について懸念のある関与先の19年分路線価を反映した現状分析を行いました。東京都内各所に不動産を有しておられる方の現状分析をしてみた結果ですが、報道されているとおり路線価は完全に上昇傾向です。ある1カ所などは普通住宅地区なのに前年比30%超の上昇でした。これにより相続税負担の予想額も完全なる上昇です。

また、今日見た横浜市の一般的な住宅地もほぼ横ばいか若干上昇の模様です。

なお、19年分の土地の相続税評価額は路線価の影響だけではありません。調整率、加算率が平成19年分より変わっている点にも注意しましょう。例えば普通住宅地区における角地の側方路線影響加算率は、0.05から0.03へ変わっています。詳しくは次の国税庁サイトをご覧下さい。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hyoka/annai/pdf/1470-5-2n.pdf

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2007年7月30日 (月)

中小企業税制50問50答

参議院選挙が終わり、自民党は歴史的な大敗だそうです。総選挙が近いのかもしれませんが、来年度以降に向けた法改正はどうなるのだろうか?

それはともかく現行の税制について。

中小企業庁のサイトで「上手に使おう中小企業税制 50問50答」という冊子が掲載されています。

http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/faq50/index.htm

関係団体に内容等についてのアンケートを求めているようで、今後の刷新もあるようです。

私もある関係団体より頂いて中身を見ましたが法人税制のみならず事業承継税制などにも触れていて、手引き書としては非常に良くできています。私自身が中小企業税制に関するセミナー講師をやるときには大変参考になりそうなので紹介しておきます。

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2007年7月23日 (月)

事業承継協議会の検討成果について(まとめ)

これまでに触れた「事業承継協議会の検討成果について」を受けて自民党では「中小企業の事業承継円滑化に向けた提言(中間取りまとめ)」を発表しています。この良し悪しについては、選挙が近いので触れることは一切しません・・・選挙のおかげで書きにくくなっているかも(^^;)

http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/seisaku-017.html

事業承継税制検討委員会及び相続関連事業承継法制等検討委員会にて提言された内容をそのまま要約して挙げたもので、概略を知るには大変便利です。今現在、事業承継に関する法制度の議論がどういう方向でされているのかを簡単に見たい場合にお勧めです。

既に触れましたように、これが立法されるかどうかは年末の税制改正大綱を待つまで何ともいえません。しかし方向付けを知ることは実務家にとっては重要なことでしょう。

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2007年7月19日 (木)

税務版その5(番外編)・事業承継協議会の検討成果について

中小企業庁のサイトにて掲載中の「事業承継協議会の検討成果について」番外編です。

http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/070629shokeikyogikai_kekka.htm

事業承継税制検討委員会及び相続関連事業承継法制等検討委員会に所属する方を含めた中小企業の事業承継に関するパネルディスカッションを聞いてきました。強調されていたのは、中小同族会社の本来的な事業承継対策は後継者の育成と後継者への事業用資産の承継の集中です。そして、今回の委員会が重視しているのが、後継者への事業用資産の承継の集中です。以下は、私見によるディスカッションの要約です。

これまでの事業承継税制改正(特に非上場株式の承継)は、経営支配権のない株主に対する特例評価による評価減などに重点が置かれて、その結果として非上場株式の分散を招いている。特に税務実務を担う専門家がその様な対策案を出している点も目立つ。その結果、利益は二の次とした事業承継対策が目立つのではないか。

本来の中小企業の事業承継とは、経営力があり雇用の面でも貢献している企業の存続・・・つまりは中小同族企業という面から見れば、会社価値の上昇を目指しながら事業用資産を後継者へ集中的に承継していくというものを優遇すべきである。

現行の税制面もさることながら民法の相続法の面でも問題点は多いが、これら問題点を整理し事業承継の円滑化を図る必要がある。

この様なことから、税制面で事業の継続性等を要件に相続税の課税価格の特例(80%減額)を提案している点は、単なる株価引き下げを重点にするものではなく有望なものである。

また事業承継における現行税制については、是非「相続時精算課税制度」の利用を検討してもらいたい。この制度は、贈与後の値上がりについて相続税に反映されることはないので、早いうちに事業承継対策を行った後継者が贈与後の値上がり益について税務上の不利益を被ることがない。もちろん、今後の問題点として遺留分・特別受益といった相続法の問題がある。

といったものでした。その他に税制改正の変移の話しもあり、かなり有意義に聞くことができました。但し、これが立法されるかどうかは年末の税制改正大綱を待つまで何ともいえません。選挙もありますし・・・選挙前なのでこの点の詳細は私見も書きませんが、一言だけ。どこの党ということではなく、政治家の皆さんが政治的な思惑に流されてばかりでは先に進まないのは間違いないと思います。

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2007年7月15日 (日)

税務版その4・事業承継協議会の検討成果について

中小企業庁のサイトにて掲載中の「事業承継協議会の検討成果について」からです。

http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/070629shokeikyogikai_kekka.htm

「事業承継税制検討委員会」による中間報告による納税の円滑化についてです。

非上場株式をその発行会社に売却した場合(金庫株です)には、所得税法第25条第1項の配当等とみなす金額(みなし配当の規定。以下、要約)により

株主がその法人の自己株式の取得により金銭等の交付を受けた場合(同項第4号)において、その金銭等の額が資本金等の額を超えるときは利益の配当とみなす。

となり、原則として譲渡益部分は配当所得となり総所得金額に算入されて、所得税・住民税の最高税率50%の適用を受けることになります。

これがネックとなり相続税の納税資金対策として金庫株の利用ができないケースが多かったのですが、租税特別措置法第9条の7の相続財産である非上場株式をその発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例(以下、要約)の創設により

相続又は遺贈(死因贈与を含む)により非上場会社の株式を取得した個人で、その相続等により納付すべき相続税額があるものが、相続開始日の翌日から相続税申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までの間にその非上場株式を発行会社に譲渡した場合には、所得税法第25条第1項の規定は適用しない。

として、下線の事例における譲渡益部分は譲渡所得(所得税・住民税として譲渡益の20%課税)とされました。更に所得税法第25条第1項の規定は適用しないことから、譲渡所得として租税特別措置法第39条の相続税額の取得費加算の特例の適用も受けることができます。一般的には所得税等の大幅な軽減をしたことになりますが、まだまだ問題点は多いようです。

中間報告書では

・譲渡の期限について3年を5年程度にすることが望ましい

・相続等による取得のみでなく、一定の生前贈与された非上場株式についても同様の制度創設が可能ではないか

といったことが提言されていました。業績はよいのに事業承継については深刻な問題を抱えている中小企業向けの内容で、今後に注目でしょう。

以上、中間報告書の23ページから24ページの私見による解説と要約です。

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2007年7月12日 (木)

税務版その3・事業承継協議会の検討成果について

中小企業庁のサイトにて掲載中の「事業承継協議会の検討成果について」からです。

http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/070629shokeikyogikai_kekka.htm

「事業承継税制検討委員会」による中間報告の自社株式(取引相場のない株式等)の評価方法の更に続きです。

非上場株式について、原則的評価方式を用いるのか特例的評価方式を用いるのかを判定する場合の基本となる「同族関係者の範囲」について触れます。

現行における同族関係者の範囲については、民法における親族の範囲(血族の場合には6親等まで)を基礎としているが、4~6親等の血族では実際の経営に参画せず少数株主(同族株主以外の株主)と同等であることが相当程度存在する。このことから現行の6親等基準について、実態を踏まえた形で適切な見直しを検討すべきである。

これも以前から延々言われていたことですね。少なくとも財産評価基本通達185では(以下、要約です)

株式の取得者とその同族関係者の有する議決権の合計数が評価会社の議決権総数の50%以下である場合においては、通常の通り計算した1株当たりの純資産価額に100分の80を乗じて計算した金額とする(つまり20%の減額とする)。

とあります。これは評価会社の経営支配権等を考慮した減額なのですが、これと比べても明らかに不合理だと思われます。

取引相場のない株式の評価における同族関係者や同族会社の概念は、これらの点について大改正された法人税法令から借用していることを考えると、いずれ抜本的な検討まで踏み込む必要があるでしょうね。ただ、今回は無理だと思いますが・・・

以上、中間報告書の21ページから22ページの私見による要約です。

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2007年6月21日 (木)

個人地主が借地権を返還されたとき

「法人地主が借地権の返還を受けたとき」を書きました。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/06/post_b7f9.html

この件に関しては、ネタ基の研修で講師の先生が注意を呼びかけていたことがありましたので、その点に触れておきます。

「法人地主が借地権の返還を受けたとき」では、立退料等の額の全部又は一部に相当する金額を支払わなかった場合の取扱は、前提が法人地主となります。

では、個人地主が借地権の返還を受けたときに通常支払うべき立退料等の額の全部又は一部に相当する金額を支払わなかった場合はどうなのでしょうか?

基本的に関係者間取引のときは、税理士が常に感じるとおりの課税関係となります。

すなわち、個人地主は立退料相当額の債務を免除されたとして贈与されたとみなし、贈与税(借地権者が個人の場合)または所得税(借地権者が法人の場合)が課税されます

やはり借地権課税は難解ですね~

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2007年6月12日 (火)

非上場同族株の特例が改正か?

日本経済新聞によると自民党の事業承継問題検討小委員会(平井卓也委員長)が今月まとめる支援策で「事業承継円滑化特例法案」の制定を明記するそうです。具体的には

1.非上場の同族会社株の相続税の課税価格を抑える。

2.遺留分放棄の手続きを簡素化する。

平成20年度の実施を目指すとのこと。

1の非上場株式の軽減は、措置法第69条の5「特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例」のうち特定同族会社株式等の特例の改正でしょう。

現行の1項では(要約)

特定事業用資産相続人等が、相続又は遺贈(相続時精算課税の適用を受けたものにも適用あり)により取得した特定事業用資産でこの規定の適用を受ける選択をしたもの(「選択特定事業用資産」という。)について、相続開始の時から相続税申告書の提出期限まで引き続きその選択特定事業用資産のすべてを有している場合などには、相続税の課税価格に算入する価額は、次に定める割合を乗じて計算した金額とする。

・特定同族会社株式等又は特定受贈同族会社株式等である選択特定事業用資産 100分の90(つまり10%の減額)

但し、制約が多くて2つほど挙げると

・発行済株式の総数又は出資の総額の3分の2に達するまでの部分(2項7号)

・株式の総数に相当する金額の合計額のうち10億円以下の部分(2項12号)

従って、減額できる金額は最高で1億円(10億円×10%)です。

また、69条の4の小規模宅地等の特例との併用は、限度に満たない割合部分に限られており(7項)地価の高い都市部では小規模宅地等の特例を選択することが大半ではないかと思います。

報道では、この減額割合を小規模宅地等の特定事業用と同じく80%にするとのこと。

財務省の反発も予想されるようで、またまた骨抜き改正にならなければよいのですが・・・

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2007年6月 9日 (土)

相続時精算課税と小規模宅地等

被相続人の生前に相続時精算課税(相続税法21条の9~21条の18)を適用して被相続人の自宅敷地の一部を子供に贈与していた場合に、その贈与部分は相続税の課税価格に加算されます。

この場合に措置法69条の4「小規模宅地等の相続税の課税価格の計算特例」が適用できるのか質問を受けました。

小規模宅地等の特例は

個人が相続又は遺贈により取得した財産のうち

とあります。

つまり生前贈与財産は、たとえ相続税の課税価格に加算されたとしても相続または遺贈により取得した財産ではないので、この特例の適用はないことになります。

これは相続税法19条により相続開始前3年以内に贈与があった場合に課税価格へ加算される暦年課税の贈与財産も同様です。

自宅の敷地を贈与するときには、この点に留意しておきましょう。

なお、上記の内容は国税庁サイトの質疑応答集の中でも触れられています。

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/shitsugi/souzoku/10/01.htm

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2007年5月31日 (木)

不動産取得税

譲渡所得税や贈与税の申告依頼を受ける前に事前相談をすることは非常に多く、この事前相談は特例を適用する場合の申告についてのものが圧倒的です。そして、その特例により申告は必要となるが、納付税額は0円という場合があります。

具体的には不動産にかかる税務で、所得税法第58条「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」や相続税法第21条の6「贈与税の配偶者控除」の適用を受けて譲渡所得税と住民税や贈与税が0納付となる場合です。

この様な場合には注意しましょう・・・不動産取得税の課税を!

「税金はかからないと聞いたのに、よくわからない税金(不動産取得税のこと)を納めろと言ってきた」というトラブルがよくあります。

我々税理士の業務は申告納税に関する税務(資産税で言えば譲渡所得税と住民税、相続税と贈与税)が中心で、賦課徴収される不動産取得税などの地方税には頭が回らない場合がよくあります。しかし事前相談から資産税に取り組む場合、この不動産取得税については常に注意と確認をすることが必要です・・・トラブル経験者より。

不動産取得税については、私のご当地である神奈川県税の次のサイトが大変便利です。

http://www.pref.kanagawa.jp/kenzei/zeimu/aramashi/aramashi-fudousan.html

中でも、不動産取得税軽減措置適用判定コーナーは利用価値がありますよ。最も都道府県税なので、不動産所在地の都道府県税事務所へ最終的には確認して下さい。

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2007年5月28日 (月)

改正事業承継税制ってどうなの?

平成19年度税制改正の事業承継税制として、取引相場のない株式等にかかる相続時精算課税制度の特例(租税特別措置法70条の3及び4)が新設されました。

この特例の要件は厳しく、主なものを挙げてみても次のようなものがあります

1.特定贈与者は、60歳以上65歳未満の親であり、最初の贈与直前において株式発行会社の代表者で、かつ50%超の株式と議決権を所有していること。

2.受贈者は20歳以上の直系卑属である推定相続人であり、贈与年の12月31日において株式発行会社の役員等であること。更に4年経過時に株式発行会社の代表者で、かつ50%超の株式と議決権を所有していること。

これだけでも厳しいものがあるのですが、実務上最大の問題点は小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例(措置法69条の4)が使えなくなることです。

以下、措置法69条の4第5項の要約です。

この規定は、その相続に係る被相続人から相続等により財産を取得した者が「取引相場のない株式等にかかる相続時精算課税制度の特例」の適用を受けている場合には、適用しない。

小規模宅地等の特例は、特に地価の高い都市部では最大の減税効果のある相続税の特例です。これに制限がかかるとしたら・・・一体どれだけの人がこの精算課税特例を適用するのだろうか?

取りあえず事業承継税制に対する手当はやったのだから、後は各方の自己責任ですよ・・・ということなら、この特例が必要であったのかどうか疑問を感じます。

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2007年3月10日 (土)

非上場種類株式の評価

平成19年3月9日の日経新聞3面に「株相続 国税庁が新ルール」として「議決権ない株 税評価5%減」という記事が掲載されました。この件に関しては昨年に発表された「平成19年度税制改正大綱」で次の様に記載されています(要約)。

取引相場のない種類株式の相続税等の評価方法の明確化

株主総会での議決権がない株式等の種類株式のうち、次のものについてその評価方法を明確化する。

・配当優先の無議決権株式

・社債類似株式

・拒否権付株式

新聞記事によると

・無議決権の種類株式である非上場株式について通常より5%減額をする。

・この減額分は議決権株式に上乗せする。

・株式の種類にかかわらず通常通り1株当たりの評価額を同じとすることも選択により認める。

・拒否権付株式については評価額の増額はしない。

と言うものです。

この件については、実は税務情報誌でかなり前から漏れていた内容と同一でした。また、この記事によると有効な改正であるという意見が経済団体からは出ているようですが、この改正(通達改正かそれとも特殊支配同族会社と同様に質疑応答でお茶を濁す?)のみを捉えると拒否権付株式の評価を除いてどこまで実務上有効なのか疑問を感じます。

ただこの5%減額のみを捉えて考えるのではなく、課税当局の取扱いがはっきりすることは実務の上で有効でしょう。税負担の予測がつくことにより事業承継のための種類株式転換にある程度の弾みがつくことが考えられます。

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2007年2月18日 (日)

相続時精算課税制度の留意点

「相続時精算課税制度」という相続税と贈与税を一体化した税制度が平成15年に創設されました。

この制度は原則として親から子への贈与を対象としていますが、次のような年齢制限を設けています(但し、住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例では贈与者である親の年齢制限はありません)。

贈与する者(贈与者)である親・・・贈与の年の1月1日現在で65歳以上

贈与を受ける者(受贈者)である子(厳密には推定相続人である直系卑属とされ、既に死亡している子の子、つまり孫がいる場合はこの孫も含まれます)・・・贈与の年の1月1日現在で20歳以上

相続時精算課税制度の適用を受けると累計した贈与財産の価額が2,500万円(住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例では一定計算の上で3,500万円)までは贈与税が課税されず、これを超える場合に一律20%の贈与税が課税されるというものです。一般的には贈与税の課税負担がかなり軽減されます。

しかし、贈与者である親の死亡による相続税の計算上ではこの相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産は全て贈与時の相続税評価額により相続財産に加算して相続税を計算することとなります。つまり、相続税計算の上では不利な取扱いになります。

将来相続税が課税される可能性がある場合には、相続時精算課税制度の適用については必ず事前の検討をする必要があります。この制度はうまく利用すると贈与税負担が殆ど無い生前贈与をすることにより将来の遺産分割のトラブルを防ことができると考えられます。しかし、失敗すると最低限の相続割合である遺留分の問題が表面化して逆に遺産分割のトラブルを招くこともあり得ます。また、贈与財産によってはその価格の変動により予測していた以上の相続税負担を強いられることも考慮しなければいけません。

この様なことから、薬になることも毒になることもある相続時精算課税制度・・・是非うまく利用したいものです。

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2007年2月17日 (土)

暦年課税贈与税の留意点(生前贈与加算)

「暦年課税制度による贈与税」が課税対象となる贈与を行ったことにより、相続人等に課税される相続税の影響が全くなくなるかというと実はそうではありません。

相続税の計算において、亡くなった方である被相続人が相続開始前3年以内に贈与した財産のうち、相続などで被相続人の遺産等を取得した者に対する贈与財産を相続財産に加算する(相続税の課税対象とする)・・・生前贈与加算という制度が相続税法に設けられている点に注意が必要です。

相続税の計算上、相続などで遺産を取得した者が被相続人からその亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産は、相続財産の前渡し的な要素が強いと考えます。そこでこの3年以内の贈与財産は遺産ではないのですが、相続税の計算をする上ではその課税対象とするという規定です。つまり

・相続等により遺産を取得した者が被相続人からその亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産 → 相続税の課税対象となります。

・相続等により遺産を取得しなかった者が被相続人からその亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産 → 相続税の課税対象とはなりません。

これを逆に捉えると、相続人ではなくて遺産を取得することもないであろう孫へ贈与するなど相続税を絡めた生前贈与対策を検討することも有効です。

相続税対策を目的とした生前贈与は長期的な視野を持って検討する必要があるとともに、税務や法務の諸問題があります。将来の相続税が心配な場合には、現状分析を含めた検討が必要であることをしっかりと認識しておきましょう。

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2007年2月15日 (木)

暦年課税贈与税の留意点(基礎控除以下の贈与)

親子間等での贈与をおこなうときには「暦年課税制度による贈与税」が通常では課税されます。

この原則的課税制度である暦年課税制度の贈与税は

その年の1月1日~12月31日までの贈与財産の価額から基礎控除額である110万円を控除した金額に対して贈与税が課税されます。言い換えると、贈与を受けた財産が年間110万円以下であればこの制度の贈与税は課税されないこととなります。

では、この基礎控除額110万円以下の価額である財産を毎年贈与する方法が相続税対策として最も効果のある方法なのでしょうか?

答えは残念ながら「そうとは言い切れない」となります。

もし本人の相続が開始して相続税が課税されたとき課税対象となる財産の総額に対して、相続等により遺産を取得した者の全ての相続税額を合計すると、例えば10%を超える相続税が課税されたとします。毎年110万円の贈与を繰り返していたとしても、その結果である相続税の減税効果は大した金額ではないはずです。もっと贈与する価額を多くした方が減税効果は上がったはずです。

本来事前に検討すべき事は相続税と贈与税とを比較した減税効果の他、支払った贈与税相当額をもし運用していたときのその運用益や民法上の特別受益や遺留分などの諸問題などです。

この様なことから相続や相続税の諸問題の検討が必要な方は、現状分析の上で生前贈与を行うにしても効果的で、かつ、問題を最小限に抑える方策を検討する必要があります。

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2007年2月12日 (月)

贈与税の概略

相続対策のためだけでなく資金援助のためなどに、本人の財産を子供などへ贈与をしたいと考えることも多いかと思います。この場合に気になることの一つが贈与税ではないでしょうか?

贈与税については、まず基本的な正しい知識を持つ事が必要です。そこで今回は、この贈与税の基本的な事を概略してみます。

1.日本には贈与税法はない

贈与税は相続税法に規定されている税です。言い換えるなら相続税と贈与税は非常に関連性の強い税金なのです。

2.贈与税は2つの課税制度がある

従来からある「暦年課税制度」と平成15年度の税制改正により創設された「相続時精算課税制度」の2制度が併存する形であります。

3.暦年課税制度

財産を多く持つ方が自分の将来の相続税負担を気にして財産を子供などに生前贈与した結果、相続税が課税されないことが考えられます。そこで生前贈与について超過累進税率(価額が高額となればなるほど税率を高くする方法)により課税することで、税務面から相続税を補完するために設けられた贈与税制度です。贈与税の原則的な課税制度です。

4.相続時精算課税制度

高齢化社会となった現状の日本では、相続による次世代への財産移転が遅れています。その結果、若中年層の財産は少なくて、その親世代の財産が多いという統計が発表されています。そこで親から子への生前贈与について贈与を受けた子の贈与税の課税負担を軽減することにより、生前の財産移転を税務の面からやりやすくするために導入された制度です。但し、この制度を利用した子の親が亡くなったときの相続税の計算では、贈与財産を相続税の課税対象とすることとして、相続税の課税面では不利にしています。贈与財産は相続財産の前渡し・贈与税は相続税の前払と捉えて、相続税と贈与税を一体化させた制度です。原則として親から子への贈与を対象にした贈与税の特例的な課税制度です。

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2007年1月25日 (木)

現状分析の必要性

相続及び相続税の問題を考慮する必要があるかどうか?

税務の問題としては相続税申告書(相続税額があるもの)の提出割合である4.2%のグループに入るかどうかがあります。

この件に関しては、相続税の納税資金が足りない様な深刻なケースから遺産の分け方さえスムーズに行けば相続税の問題は二の次というようなケースまで色々とあるでしょう。「わずか4.2%のグループにはいるか否かでもその状況に応じて様々なのだ」と言うことは、相続税実務に関わる税理士である者は常に実感することです。

しかし当事者の立場になると将来の相続税の納税資金問題、遺産の分割問題などは心配の種でしょう。

では、その解決のためにまずは何をすれば良いかです。現時点で相続及び相続税の問題が発生した場合にどの様になるのかを把握することから始めることです。これを一般的に「現状分析」と呼んでいます。現状分析の結果、何の心配もないのであればそれは大変結構なこと。逆に何らかの問題が発生する可能性があるという場合には、問題解決の対策案を各種検討しこれを実行する必要性が大きいのです。

現状分析では

・どのような財産を所有しているのか

・推定相続人間の意思疎通はどうなのか

と言ったこと等を把握し、その上で問題点として

・税務上の問題

・法務上の問題

を検討していくことになります。

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2007年1月22日 (月)

相続税が課税される場合

相続税が課税されるのは、亡くなった方(被相続人)の遺産などのうちで相続税の課税対象となる純資産(基本的には「財産から債務を控除した金額」です)の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合です。

遺産に係る基礎控除額の計算は次の通りです。

5千万円+1千万円×法定相続人の数

法定相続人の数とは基本的には民法上の相続人の数によりますが、子供の中に養子がいる場合には次の制限を受けることとなります。

子供の中に実子がいる場合・・・養子が何人いても1人までしか数に入れない。

子供の中に実子がいない場合・・・養子は2人までは数に入れます。養子が3人以上いても2人までしか数に入れません。

なお、特殊なケースではこの制限を受けない養子が存在する場合もあります。

被相続人の遺産などのうちで相続税の課税対象となる純資産の価額の合計額(正確には一定の贈与財産を加算した「課税価格の合計額」です)が、遺産に係る基礎控除額以下である場合には相続税の課税問題はないこととなります。

国税庁より発表された統計によると、平成17年中(平成17年1月~平成17年12月)に相続が開始した被相続人について、平成18年10月31日までに提出された申告書(相続税額があるもの)の提出割合は、全被相続人のうちの4.2%だそうです。

「相続・贈与とその税務」を考える場合、まずはこの相続税申告が必要な5%弱のグループに入るかどうかを見極めることが必要でしょう。

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2007年1月11日 (木)

事業承継ガイドラインより(その6)

生前贈与については贈与税問題(が発生するとき)では実行に関して難しい面もあることを述べました。そもそも一般的な贈与税制度である暦年課税制度は相続税の補完をするために設けられたものであり、相続税の税負担と比べて多くの場合には負担の厳しい制度となっています。では無理に生前贈与を行わず遺言を遺すことにより現経営者の相続(死亡)時に株式移転をするという選択肢の検討も重要な面があります。

現経営者が「その会社の所有株式の全てを後継者に相続させる(又は遺贈する)」という内容の遺言を作成する方法です。

相続税法第1条の3(要約)では

「相続税を納める義務がある者は、相続又は遺贈(死因贈与を含む)により財産を取得した個人」

とされています。つまり遺言による財産の取得は贈与税ではなく相続税の課税対象となります。従って税負担の問題だけを比較すれば、現経営者が遺言により後継者に全株式を相続又は遺贈させることとするのも選択肢の一つとなります。

しかし問題はまだあります。「遺留分」という民法上の問題を無視することができません。

これについては無料メルマガ「専門的過ぎない相続の話」のバックナンバー

遺留分その1 → http://blog.mag2.com/m/log/0000174654/107237319.html

遺留分その2 → http://blog.mag2.com/m/log/0000174654/107334311.html

を参照して下さい。特にその2では事業承継との関連についても触れています。ついでによろしければご購読もm(_ _)m

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2007年1月 8日 (月)

事業承継ガイドラインより(その5)

中小企業庁発行の「事業承継ガイ20答」を基に記事を進めていきます。「事業承継対策と贈与税問題」の続きです。

事業承継に関する相続税・贈与税問題は前々から取り沙汰されておりました。業績好調な非上場会社の円滑な事業承継を阻害する要因の一つに挙げられているからです。

税制改正に関する討議でも積極案・消極案を含めて取り上げられてきた問題であろうと思います。

平成19年度税制改正大綱でこの事業承継に関する取引相場のない株式については、相続時精算課税制度の特例を用意したようです。しかし非常に使い勝手の悪いおざなり案であるとして「税制改正大綱で承継(その1)」でご紹介したとおりです。少なくとも政府税調は猛省が必要です。その上で今一度問題を抱えた同族会社である中小企業の現状を把握し論理的な討議をして「事業承継に悩む同族会社である中小企業の運命打開案」を発表してもらいたいと思います。

いずれにしても生前贈与対策は、同族会社である中小企業で株価が高い場合には税務の面から難しい状況が続きます。

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2007年1月 7日 (日)

事業承継ガイドラインより(その4)

中小企業庁発行の「事業承継ガイ20答」(以下「ガイドライン」とします)

を基に前回の事業承継対策と贈与税問題の続きとなります。

現経営者から後継者へ株式を無償で譲り渡す・・・すなわち贈与をしてしまうと高額な贈与税が課税される可能性があることを述べました。

では贈与ではなく安い価額で・・・つまり「無償ではなく有償ではあるが低額な価額で譲渡すれば贈与税の課税問題はないのではないか?」という考えが浮かぶかもしれませんが、これまた単純な話しではありません。

相続税法第9条に「贈与に因り取得したものとみなす場合(みなし贈与)」という規定があります。以下、第9条の要約です。

「著しく低い価額の対価で利益を受けた場合においては、その利益を受けた時にその利益を受けた者が、利益の価額相当額から対価の価額を控除した金額を贈与により取得したものとみなす。」

つまり関係者間で時価5千万円の株式を1千万円で売買した場合には、税務上において買い主は時価と売買価額との差額である4千万円の贈与を受けたとみなして贈与税が課税されることとなります。ポイントは関係者間での売買です。第三者(利害関係がない間柄)ではお互いの合意の上で決定した価額が時価であると税務上は考えますので、この様な課税問題は原則としてあり得ません。

取引相場のない株式の時価相当額は算定について難しい面がありますが、少なくとも業績の良い会社や多くの不動産や有価証券を所有していて含み益(不動産などの時価と帳簿価額との差額)の多い会社は単純に額面による現経営者から後継者への株式譲渡には税務上大きな問題が発生する可能性があります。必ず然るべき専門家に相談の上で実行することをお勧めします。

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2007年1月 5日 (金)

事業承継ガイドラインより(その3)

新年最初の記事は中小企業庁発行の「事業承継ガイ20答」を基に進めていきます。

事業承継ガイドラインよりその2)で新会社法を利用して現経営者が「拒否権付種類株式」を所有した上で後継者に経営権を譲り渡していく手法を述べました。

この後継者への経営権譲り渡しの点で必ず行う必要があるのが経営権の基となる会社の発行株式の譲り渡しです。一般的には現経営者から後継者へ無償で譲り渡す・・・すなわち贈与する方法で行われるかと思います。この場合に問題となるものの一つが贈与税です。

贈与税は現在2つの制度がありますが、今回は一般的な制度で大半の人が適用を受ける暦年課税制度による贈与税の場合を考えてみます。暦年課税制度は1年ごとの基礎控除として110万円を控除した後の金額に超過累進税率による贈与税率を乗じた金額が贈与税として贈与された者に課税されます。この方式では一般的には贈与を受けた財産の価額が高ければ高いほど高額な贈与税が課税されることになるのですが問題はそう単純でもないようです。

では現経営者から後継者へ会社株式を贈与する設例で贈与税負担を考えてみたいと思います。話しを単純にするため後継者はその会社の株式以外に贈与税の課税対象となるものの譲り受けはなく、またあり得ませんが株価の変動はないものとします。

中小企業で発行株式の全てを現経営者が所有する場合。この会社の全株式の相続税評価額(相続税・贈与税を計算する場合の価額)が5千万円だとします。

全株式を現経営者から後継者へその年に全て贈与した場合に後継者に課税される贈与税額

(5,000万円-110万円)×50%-225万円=2,220万円

となります。何とも高額な負担でこの方法で贈与移転するのはほぼ不可能でしょう。

次に事業承継の一般的な期間である10年で贈与移転する場合(毎年500万円ずつ贈与)の毎年の贈与税

(500万円-110万円)×20%-25万円=53万円

10年合計では

53万円×10年=530万円・・・と時間をかけた効果を考えるとやはり高い!(当初記事を修正しております)

時として贈与税問題は事業承継にとって大きな問題であることが分かります。

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2006年12月26日 (火)

事業承継ガイドラインより(その1)

以前ブログでも紹介しました中小企業庁発行の「事業承継ガイ20答」(以下「ガイドライン」とします)について触れてみたいと思います。私は中小企業庁とは直接的な関わり合いはありませんが、このガイドラインは非常に良くできていますのでお時間があれば目を通してみて下さい。また、このシリーズ記事はガイドラインに目を通して頂くと尚わかりやすいと思います。

まずこのガイドラインでは「事業承継の大切さ」という章があり、ここで根本的な事業承継の必要性を述べています。帝国データバンクの「社長交代調査票」によると資本金にかかわらず全社長の平均年齢は平成16年で63歳ですが、これについては殆ど推移がありません。一方で資本金1千万円未満の小規模な中小企業の社長の平均年齢は57歳で全社長平均よりは低いのですが、この20年間で約5歳の上昇が見られます。

更に男性の生存率表から中小企業社長の平均予想引退年齢は67歳とガイドラインでは予測しています。

中小企業社長の平均年齢と平均予想引退年齢との差はわずか10年です。この間に事業承継を必要とする多くの中小企業は対策を打っておかないと・・・ガイドライン5~6ページに紹介されている様な大変な問題が生じるケースとなる危険性があります。

私自身が遭遇した事業承継に関して大変な問題が生じたケースを紹介します。この案件は相続税申告の時点で受件しましたが、その前から事業承継対策を行っていれば結果はかなり違っていたのではないかと未だに思うときが多々あります。

創業社長がお亡くなりになった時点で後継者がまだ育っておりませんでした。更にその法人の発行株式の相続税評価額が半端でないほど高額な金額となり相続人は納税自体が不能となり得る危険性もありました。納税は何とか対処しましたが、後継予定者に株式を余り移転することができず、その後において内部から見れば会社乗っ取りといったような経営権をめぐる様々な問題に直面してしまいました。会社の経営権と持株(議決権)との関係が重要な問題となったわけで、この件に関しては新会社法との関連を含めて詳細が明らかになった事項についても今後触れてみたいと思います。

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2006年12月20日 (水)

税制改正大綱での事業承継案(その2)

事業承継税制について「平成19年度税制改正大綱」の続きです。大綱では第3章で検討事項が付されていますが、この中での事業承継税制について抜粋した要約です。

事業の将来性・後継者不足・相続人間の遺産分割・遺留分・相続税の問題など中小企業の事業承継には様々な課題がある。

中小企業の事業承継の実体を見極めつつ、事業承継の円滑化を支援するための枠組みを総合的に検討する。その際、非上場株式等に係る税制面の措置については、既存の特例措置を含め、課税の公平化に留意して、相続・贈与税制全体のあり方とともに、幅広く検討する。

非上場株式等の相続税評価について、かなり慎重な言い回しにとれます。批判的に考えずこれまでの経緯を考慮するなら、やはりバブル期に非上場会社を利用した相続税対策(強烈な減税効果がありました)という租税回避行為が未だにトラウマになっているのでしょう。そのために使い勝手を無視したようないわば意味のない事業承継税制緩和措置が設けられるのではと思います。

しかしこのために租税回避行為を意図した者も租税回避を意図していない者も同様の取扱いとなってしまい、結果として後者(いわば善人)が泣きを見るという構図ができてしまいます。

事業承継税制に限らず租税回避行為に対する規制措置は、中小企業等の健全な発展の阻害要因にもなり得る諸刃の剣ではないでしょうか?

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