2019年5月14日 (火)

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例(令和元年度税制改正のあらましより)

令和元年度税制改正のうち譲渡所得関係について、改正法令を基にしたあらましについてのパンフレットが国税庁サイトに掲載されています。

 

個人の方が土地・建物や等株式等を譲渡した場合の令和元年度税制改正のあらまし

 

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について、相続開始時に被相続人が老人ホーム等に入居していた場合、平成31年4月1日以後に譲渡したものから一定の要件を満たす場合にはこの特例の適用を受けることができることされました。

 

上記パンフレットからこの改正については、以下の2つの事由と要件が重要となります。

 

1.相続の開始の直前において次の事由(特定事由)により、被相続人の居住の用に供することができなかったこと

介護保険法に規定する要介護認定等を受けていた被相続人その他これに類する被相続人が、老人ホーム等(注)に入居等していたこと

(注)老人福祉法に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホームその他一定の施設(詳細はパンフレット参照)

 

2.次の要件を満たすこと

・特定事由により被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、引き続きその被相続人居住用家屋が被相続人の物品の保管その他の用に供されており、事業の用、貸付けの用又は被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと

・老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前までの間において、被相続人が主としてその居住の用に供していたと認められる家屋がその老人ホーム等であること

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2019年4月26日 (金)

老人ホームに入居後、自宅を建替えた場合の小規模宅地等の特例

被相続人が相続開始時に老人ホームに入居等していても、一定の要件を満たす場合には、被相続人が老人ホームに入居等する直前に被相続人の居住の用に供されていた宅地等は小規模宅地等の特例(措置法第69条の4)の適用を受けることができます(概要は下記参照)。

 

小規模宅地等の新たな取扱い(老人ホーム等)

 

被相続人が老人ホームに入居等した後に、その自宅を建替えた場合、小規模宅地等の特例の適用は受けられるのかどうかというご質問をいただきました。

通達、情報等にははっきりとした記載はなく、ネットで調べると「できない」という記述も見受けられるのですが、条件次第で適用可能だと考えています(私見です)。

 

条件には、建替えられた自宅が被相続人または被相続人の親族が所有するもので、被相続人が老人ホームに入居等する直前に被相続人と生計を一にしていた親族が建替え後の自宅に速やかに居住した場合等が考えられます。

これは、措置法通達69の4-8(居住用建物の建築中等に相続が開始した場合)の類推適用によります(通達の内容は下記参照)。

 

建築中である自宅敷地の小規模宅地等特例

 

被相続人の居住の用には、老人ホームに入居等して居住の用に供されていなかった場合(ただし、一定の用途に供されている場合は除かれます)における直前の被相続人の居住の用を含むとされており(措置法第69条の4第1項)、その居住用の建物が建替え中であっても、一定要件に該当すれば、その敷地も上記通達により小規模宅地等の特例が適用できることから、建替え後被相続人が老人ホームに入居したままであっても当然適用は可能であるという判断です。

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2019年4月23日 (火)

平成31年(2019年)分の路線価図等

平成31年(2019年)分の路線価図等は、7月1日(月)より公開の予定です。

 

平成31年(2019年)分の路線価図等の公開予定日について

 

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2019年1月21日 (月)

敷地を一部譲渡した場合の居住用財産の3千万円控除

個人が居住用家屋又は居住用家屋とともにその敷地である居住用土地等の譲渡をした場合、一定の要件を満たすときは譲渡所得の金額の計算上、最高3千万円を控除することができます(措置法第35条第1項、第2項)。

 

また居住用土地等のみの譲渡であっても、その居住用家屋を取り壊し、その家屋の敷地である居住用土地等を譲渡した場合、次の要件の全てを満たすときは、上記特例の適用があります(措置法通達35-2)。

(1)土地等の譲渡契約が、その家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、その家屋を居住の用に供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したものであること。

(2)その家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その土地等を貸付けその他の用に供していないこと。

 

これらを前提に表題のケース、居住用家屋の敷地である居住用土地等の一部を譲渡した場合は、次のような取扱いとなります(措置法通達35-6、31の3-18)。

ア.現存する家屋の敷地の用に供されている土地等の一部の譲渡である場合は、家屋の譲渡と同時に行われたものであるときに限り適用があります。したがって、土地等の譲渡が家屋の譲渡と同時に行われたものでないときは適用がありません。

イ.その居住用家屋を取り壊し、その家屋の敷地である居住用土地等の一部を譲渡した場合は、上記(1)(2)の要件を満たすときは適用があります。

 

したがって、居住用家屋を建替えるときにその敷地の一部を譲渡する場合は、家屋を取壊し後に譲渡するときは上記(1)(2)の要件を満たす限り適用があります(上記イ)が、家屋の取壊し前に譲渡したときは適用がない(上記ア)ことになります。

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2019年1月10日 (木)

老人ホーム入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等の特例

老人ホーム入居前の自宅をその老人ホーム入居中に相続により取得し、その後その自宅に戻ることなく死亡した(所有者として居住の用に供したことがなかった)場合の小規模宅地等の特例(措置法第69条の4)の適用について、国税庁の文書回答事例で公表されています。

 

老人ホームに入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法第69条の4)の適用について

 

要約は以下のとおりです。

 

 
 

措置法第69条の4第1項より、(一定の要件を満たせば)被相続人が所有者である老人ホームに入居等する直前に居住の用に供していた宅地等は、特例の対象となる宅地等に当たることは明らかである。

 

しかし、被相続人が老人ホーム入居等の直前において居住の用に供していた宅地等の所有者ではなく、その宅地等を取得した後はこれを居住の用に供していない場合の取扱いに疑義が生じる。

 

この点について、特例の対象となる宅地等であるかは、被相続人が老人ホームに入居等して居住の用に供されなくなった直前の利用状況で判定することとされており、その時において被相続人が宅地等を所有していたか否かについては、法令上特段の規定は設けられていない。

 

このことから、事例のケースでは特例の対象となる宅地等に該当するものと解される。

 

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2018年12月25日 (火)

平成31年度税制改正大綱より特定事業用宅地等の見直し

平成30年度の税制改正では、小規模宅地等の特例(措置法第69条の4)のうち特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等の見直しがされました。

 

先日発表された平成31年度税制改正大綱で、特定事業用宅地等についての見直しが予定されています。

 

内容は下記のとおりです(そのまま抜粋)。

 

 
 

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、特定事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等(当該宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、当該宅地等の相続時の価額の15%以上である場合を除く。)を除外する。

 

(注)上記の改正は、平成31年4月1日以後に相続等により取得する財産に係る相続税について適用する。ただし、同日前から事業の用に供されている宅地等については、適用しない。

 

 

小規模宅地等の特例がさらに複雑化していきそうです。

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2018年12月14日 (金)

平成31年度税制改正大綱が公表され、空き家に係る3千万円控除が改正・延長に!

平成30年12月14日に自由民主党サイトにて 平成31年税制改正大綱 が公表されました。

 

この中でまず注目したものが、空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例についてです。

相続開始時に被相続人が老人ホーム等に入居していた場合、現行では上記特例は適用できませんが、平成31年4月1日以後に譲渡したものから一定の要件を満たす場合にはこの特例の適用を受けることができるとした上で、この特例の適用期限を4年延長(平成35年・・・2023年12月31日まで)するとしています(大綱21ページ参照)。

 

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2018年12月 4日 (火)

譲渡費用と弁護士報酬等

譲渡所得の金額の計算上、総収入金額から控除されるその資産の譲渡に要した費用の額(譲渡費用)はどういうものか、判例では次のように判断するとしています。

 

 
 

一般的,抽象的に当該資産を譲渡するために当該費用が必要であるかどうかによって判断するのではなく,現実に行われた資産の譲渡を前提として,客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきものである。

 

(詳細については、以下参照)

 

最高裁判決より譲渡費用について

 

 

紛争となり支出した弁護士報酬その他訴訟費用等について、当然に譲渡費用となるものとして所得税基本通達37-25(2)(注)では、「譲渡契約の効力に関する紛争において当該契約が成立することとされた場合の費用」があります。

 

このことから、譲渡契約の内容等の紛争による弁護士報酬などが譲渡費用に該当するものと考えます。私見ですが、紛争を予防するため譲渡契約締結までの代理を委任したことによる弁護士報酬なども譲渡費用に含まれるものと考えます。

 

一方、譲渡費用とされない弁護士報酬として次のものが国税庁・国税不服審判所サイトに掲載されています。

 

(国税庁サイト 質疑応答事例)

譲渡代金の取立てに要した弁護士費用等

 

(国税不服審判所裁決例要旨)

訴訟上の和解により立木の対価の名目で支払われた金員は山林所得ではなく譲渡所得に該当し、訴訟費用、弁護士費用は譲渡費用に該当しないとした事例

 

買主に本件土地の所有権移転登記を了した後、当該土地の元所有者の相続人から提起された訴訟に係る弁護士費用は、譲渡費用に当たらないとして、請求人の主張を排斥した事例

 

上記要旨

 

先に触れた最高裁判決を基に譲渡費用に関して述べられた次の論文が、弁護士報酬と譲渡費用で検索すると上位に表示されます。参考になると思いますのでご覧ください。

 

譲渡費用概念の法的再検討

 

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2018年10月 5日 (金)

地積規模の大きな宅地の評価のポイント

先日受けた研修「地積規模の大きな宅地の評価の適用についての実務上の留意点」についての備忘録です。

平成30年1月1日以後の相続または贈与により取得した場合に適用できる地積規模の大きな宅地の評価(財産評価基本通達20-2)のポイントは以下のとおりです。

 

1.地積基準

(1)三大都市圏・・・500㎡以上

(2)上記以外・・・・・1,000㎡以上

<留意点>

広大地の適用可能であったミニ分譲は除かれる。

 

2.適用できる地区

(1)普通商業・併用住宅地区

(2)普通住宅地区

(3)市街化調整区域で宅地開発が可能な宅地または地域

<留意点>

広大地の適用可能であった中小工業地域は除かれる。

正面路線価が2以上の地区にわたる場合は、過半の属する地区で判定する。

 

3.容積率基準

指定容積率(建築基準法第52条第1項)400%(東京23区内は300%)以上は除外

<留意点>

個別容積率で判定しない。

対象地が2以上の異なる容積率にまたがる場合は、指定容積率を面積割合により加重平均して求めた容積率で判定する。

 

4.開発道路は必要要件ではない。

<留意点>

路地状開発地や奥行の浅い宅地も適用可能。

 

5.「現に宅地として有効活用されていない」という要件はない。

<留意点>

敷地上にどのような建物が建っていても適用可能。

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2018年9月27日 (木)

贈与税が非課税となる生活費等の贈与(通達等のまとめ)

扶養義務者(1)間における生活費(2)(4)や教育費(3)(4)に充てるための贈与財産で通常必要と認められるもの(5)は、贈与税の非課税財産とされています(相続税法第21条の3)。

上記番号の意義等は下記のとおりです。

 

(1)扶養義務者

配偶者、直系血族、兄弟姉妹、その他一定の三親等内の親族(相続税法第1条の2第1号、相続税法基本通達1の2-1)。

 

(2)生活費

通常の日常生活を営むのに必要な教育費以外の費用。

治療費、養育費等を含むが、これらのうち保険金や損害賠償金により補てんされた金額は除く(相続税法基本通達21の3-3)。

 

(3)教育費

扶養される者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等。

留意点として、義務教育費に限らないことがある(相続税法基本通達21の3-4)。

 

(4)生活費、教育費の取扱い

非課税となるのは、生活費や教育費として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与された財産である。

したがって、生活費や教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合や株式や家屋の買入代金に充当したような場合、これらの預貯金や買入代金等の金額は非課税とはならない(相続税法基本通達21の3-5)。

 

(5)通常必要と認められるもの

扶養される者の需要と扶養する者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産(相続税法基本通達21の3-6)。

 

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