2007年6月21日 (木)

個人地主が借地権を返還されたとき

「法人地主が借地権の返還を受けたとき」を書きました。

→ http://itijunfukui.cocolog-nifty.com/fktusin/2007/06/post_b7f9.html

この件に関しては、ネタ基の研修で講師の先生が注意を呼びかけていたことがありましたので、その点に触れておきます。

「法人地主が借地権の返還を受けたとき」では、立退料等の額の全部又は一部に相当する金額を支払わなかった場合の取扱は、前提が法人地主となります。

では、個人地主が借地権の返還を受けたときに通常支払うべき立退料等の額の全部又は一部に相当する金額を支払わなかった場合はどうなのでしょうか?

基本的に関係者間取引のときは、税理士が常に感じるとおりの課税関係となります。

すなわち、個人地主は立退料相当額の債務を免除されたとして贈与されたとみなし、贈与税(借地権者が個人の場合)または所得税(借地権者が法人の場合)が課税されます

やはり借地権課税は難解ですね~

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2007年6月20日 (水)

法人地主が借地権の返還を受けたとき

昨日ですが「借地権の評価と課税の実務」という研修を受講してきました。この研修で借地権課税に関することで完全に失念していたことがありました(お勧め本で紹介している「借地権課税実務事典」にしっかり記載されています)。

それは、法人地主が借地権の返還を受けたときに通常支払うべき立退料等の額の全部又は一部に相当する金額を支払わなかった場合です。この様なときには「受贈益課税」がされると思うのが税理士の常ではないでしょうか?

借地権課税について、法人税基本通達13-1-16「貸地の返還を受けた場合の処理」という通達があります。これの注意書きです。なお、貨地とは貸した土地ということで借地権のことを指しています。

()法人が貸地の返還を受けるに当たり通常支払うべき立退料等の額の全部又は一部に相当する金額を支払わなかった場合においても、原則としてこれによる経済的利益の額はないものとして取り扱う。

明らかな租税回避行為でない限り、法人地主には立退料相当額の認定課税はないのですね~

一方、法人借地権者については、通常支払うべき立退料等の額の全部又は一部に相当する金額を受け取らなかった場合、立退料相当額は贈与と認定されて寄付金課税等がされます。ただ、関係者間取引における取扱となるのが一般的だと思われますが・・・

これは法人税基本通達13-1-14「借地権の無償譲渡等」によります(以下、要約)。

法人が借地の返還に当たり、通常その借地権の価額に相当する立退料等を授受する取引上の慣行があるにもかかわらず、その額の全部又は一部を収受しなかった場合には、原則として相手方に贈与したものとして取り扱う。

税務のみの観点から考えると法人地主の場合では認定課税をしなくても、その宅地を譲渡等して実際に利益が実現したときに課税をすれば足りることから、この様な取扱となっているのでしょう。いずれにしても借地権課税は難解だ!

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2006年6月25日 (日)

難解ですが借地権課税(その12 みなし譲渡)

今回は借地権における所得税課税についてです。前提は借地権取引の慣行のある地域において個人地主が関係者である法人と普通借地権を権利金の授受をせずに設定する場合です。

所得税における譲渡所得税の収入金額の特例があります。

所得税法第59条のいわゆる「みなし譲渡」の規定で要約は以下の通りです。

次の事由により居住者の有する譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その譲渡所得の金額については、時価により譲渡があつたものとみなす

一 贈与(法人に対するものに限る)。 以下略

私見ですがこれを読み替えると

個人が法人へ譲渡所得の課税対象となる資産を贈与した場合には、個人は時価で法人に譲渡したものとして譲渡所得税を課税する

となります。

個人地主が関係者である法人と普通借地権を権利金の授受をせずに設定する場合、借地人である法人の「権利金の認定課税」とは別に個人地主の「みなし譲渡」として時価による譲渡所得課税を受けるかどうかの疑問があります。

個人地主が関係者である法人と普通借地権を権利金の授受をせずに設定 → 個人から法人への借地権の贈与?と言う問題です。

しかしこのシリーズで書きましたとおり、原則として個人地主の課税問題はありません。

この様な借地関係は債権である賃借権の設定でありみなし譲渡の対象外としています。恐らく根本には借地権の入り口(設定時)ではできる限り認定課税を避ける方向にあるからだろうと思います。

所得税基本通達59-5にも

所得税法第59条第1項に規定する「譲渡所得の基因となる資産の移転」には、借地権等の設定は含まれない。

とあるとおりです。

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2006年6月20日 (火)

難解ですが借地権課税(その11 個人間の貸借)

今回は個人間の話です。

借地権取引の慣行のある地域における当事者が関係者間での普通借地権(旧借地権を含む)における土地の貸借の話を前提にしています。

一般的に関係者である個人間の土地の貸借は使用貸借が大半かと思います。個人間の使用貸借についてはこれまで触れたとおりです。

では、関係者である個人間の土地の賃貸借の贈与税課税についてはどのような取扱いとなるのかです。

まず通常の権利金の授受がある場合と通常の権利金の授受はないが相当の地代の授受がある場合です。

この場合には贈与税課税はありません。

通常の権利金の授受はなく通常の地代の授受がある場合が問題となります。

この場合は相続税法第9条により贈与税課税されることとなります。

相続税第9条(みなし贈与)の概要は次の通りです。

対価を支払わないか、著しく低い価額の対価で利益を受けた場合、その利益を受けた者はその利益に相当する金額をその利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなす。

よくある事例を挙げると、親の土地に子供が権利金を支払わずに自宅を建てた。子供は親に悪いと思い近隣の支払地代程度の地代を親に支払うこととした と言うケースです。

この場合には親から子供へ借地権相当額の贈与があったものと税務上みなして贈与税課税がされることとなります。

注意しておきたいのが「土地の無償返還に関する届出書」の取扱いが認められるのは、当事者の一方または両方が法人の場合だけで、当事者の両方が個人の場合(上記のケース)にはこの取扱いはないことです。

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2006年6月16日 (金)

難解ですが借地権課税(その10 土地の無償返還)

今回は権利金部分の前提などが少し違います。

借地権取引の慣行のある地域における当事者の一方または両方が法人である関係者間での普通借地権(旧借地権を含む)において通常の権利金を支払わない(つまり低額な権利金を支払う場合を含みます)土地の貸借の話を前提にしています。

一般的に「土地の無償返還に関する届出書」を提出する場合は、個人地主・法人借地権者の土地貸借が多いかと思います。

この届出書を提出するときは借地期間満了時に借り主(借地権者)は貸し主(地主)に立退料の請求などせずに土地を無償で返還する旨を約した契約書の写しを添付することになっています。旧借地法・借地借家法では意味のない契約でしょうが、この取扱いは(当事者の一方または両方が法人である)強力な信頼関係のある関係者間を前提にしているのでこの様な取扱いとなっています。

強力な信頼関係とは要するに借地権者が同族会社で地主はその同族会社のオーナー社長という様なケースです。

この取扱いは借り主・貸し主の当事者の間で借地権の価値が無いことを前提にしていますので権利金の授受があることは全く想定されていません。

従って、当事者間においてほんの一部でも権利金の授受がある場合にはこの「土地の無償返還に関する届出書」の取扱いは認められないこととなるので注意が必要です。

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2006年6月 5日 (月)

難解ですが借地権課税(その9 借地権者に変更がないとき)

今回の前提はその8と同じです。

借地権取引の慣行のある地域において既に第三者(関係者ではありません)と普通借地権(旧借地権を含む)を設定している状態での話を前提にしています。

今回は借地権者の関係者である個人が第三者の地主より底地を買い取る場合です。

やはりよくある例を挙げてみます。第三者の所有する宅地を親が借り受けて建物を建てていたところ第三者である地主の相続が開始して、納税資金のためでしょうか 地主の相続人から底地(所有権)の買い取りの要請がありました。ところが底地購入資金の借入について金融機関が年齢を理由に融資をしてくれません。しかし子が借り主であれば金融機関は融資をするそうなので子が底地を買い取ることとなりました。この親と子の間では借地権自体を親から子に譲るという認識は全くなく、新たな地主となる子と借地権者の親は今後の地代の授受をしません。

この様に底地を買い取る子と借地権者である親は借地権者の代わる認識がありません。しかし、結果としてこれまでの賃貸借から使用貸借に変わってしまった。この場合に税務上は借地権の贈与に当たるのかどうかについて触れてみます。

「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて(使用貸借通達)」

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kobetu/souzoku/929/01.htm

によると地主が変わり賃貸借から使用貸借に変わったとしても借地権者は従前の地主との間にあった借地権者の地位を放棄していない場合、すなわち借地権者の地位に変更がないと認められるときには借地権相当額の贈与税の課税はしないことになります(使用貸借通達5 後段)。

但し、所轄税務署長に対して「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を提出することが必要です(使用貸借通達5 注2)。

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2006年6月 4日 (日)

難解ですが借地権課税(その8 借地権の使用貸借)

今回は前提が若干違います。

借地権取引の慣行のある地域において既に第三者(関係者ではありません)と普通借地権(旧借地権を含む)を設定している状態での話を前提にしています。

今回は関係者である個人間で借地権を使用貸借する場合です。

やはりよくある例を挙げてみます。第三者の所有する宅地を親が借り受けて建物を建てている状態でこの建物を建て替える必要が出ました。地主は承諾してくれるのですが建築資金の借入について金融機関が年齢を理由に融資をしてくれません。しかし子が借り主であれば金融機関は融資をするそうなので子が建物を建築することにしました。この親と子の間では借地権自体を親から子に譲るという認識は全くありませんでした。

この様に借地権上の親所有の建物を取り壊して子が建物を新築する場合で借地権者が代わる認識が親子間でないとき、税務上は借地権の贈与に当たるのかどうかについて触れてみます。

「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて(使用貸借通達)」

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kobetu/souzoku/929/01.htm

によると単に借地権を使用貸借した場合のその使用権の価額は零とするということです。

言い換えると使用貸借により借地権を借り受けたときは贈与税の課税はしないことになります(使用貸借通達2)。

但し、所轄税務署長に対して「借地権の使用貸借に関する確認書」を提出すること(使用貸借通達2 注1)、親子間で借地権の使用料の授受がないこと・土地賃貸契約の借地権者や実際の地代の支払者が従前と同じことなど現実に借地権が使用貸借と認められること(使用貸借通達2 注2)が必要です。

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2006年6月 2日 (金)

難解ですが借地権課税(その7 使用貸借の相続税評価額)

今回も確認からです。

借地権取引の慣行のある地域における関係者間での普通借地権(旧借地権を含む)において権利金を支払わない土地の貸借の話を前提にしています。

今回は個人間で使用貸借をしていた土地があった場合に、土地の所有者の相続があったときの相続税評価額の計算方法です。

やはりよくある例を挙げてみます。親の所有する宅地の上に子供が建物を建築して子は親の宅地についてタダで借りているケースで、宅地を所有する親の相続が開始した場合にこの親所有の貸宅地の相続税評価額はどのように計算するのかについて触れてみます。

「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kobetu/souzoku/929/01.htm

によると使用貸借に係る使用権の価額は零とするということです。

つまり借地権は評価しない。言い換えると上に立つ建物が自宅などの自用であろうが貸家であろうが関係なく、使用貸借による貸宅地は「自用地評価額」として更地と同じように評価することになります(使用貸借通達3)。

一部例外があります(使用貸借通達6(2)参照)が、実務上はこの取扱いをする場合が殆どだと思います。

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2006年5月31日 (水)

難解ですが借地権課税(その6 個人間の使用貸借)

今回も確認からです。

借地権取引の慣行のある地域における関係者間での普通借地権において権利金を支払わない土地の貸借の話を前提にしています。

今回は個人間での土地の貸借についてですが、個人間なので相続税と贈与税課税の問題が主となります。

個人間での土地の貸借のよくある例は、親の所有する宅地の上に子供が建物を建築する場合などです。

この様なケースで最も多いと思われるのは権利金も地代の授受もしないという「使用貸借」とする場合で、このとき借地権者である子は親から借地権相当額をタダで貰えたとして贈与税が課税されるのかどうかです。

個人間の使用貸借に係る土地の税務の取扱いについては「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」と言ういわゆる「使用貸借通達」があります。

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kobetu/souzoku/929/01.htm

建物等の所有を目的とした使用貸借による土地の借り受けがあった場合の使用貸借に係る使用権の価額は零とする。また固定資産税相当額以下の地代の授受がある場合も使用貸借に該当する(使用貸借通達1の要約)。

つまり親の所有する宅地の上に子供が建物を建築し権利金も地代の授受もしない(固定資産税相当額以下程度の地代の授受を含む)という「使用貸借」とする場合には、贈与税課税はされないという取扱いになります。

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2006年5月28日 (日)

難解ですが借地権課税(その5 相当の地代)

今回も確認からです。

借地権取引の慣行のある地域における関係者間での普通借地権(旧借地権を含む)において権利金を支払わない土地の貸借の話を前提にしています。

今回は法人税通達における借地権の認定課税を避けるために授受する地代である「相当の地代」の算定方法で、関連する通達とその要約は次の通りです。

法人税基本通達13-1-2

法人が借地権の設定等をした場合、収受する地代がその土地の更地価額のおおむね年8%(現在は6% 次の個別通達11-2参照)程度のときは、相当の地代に該当するものとする。 

法人税個別通達11―2 法人税の借地権課税における相当の地代の取扱いについて(平元直法2-2) 

借地権課税における相当の地代の算定については 

1.法人税基本通達13-1-2の「年8%」は「年6%」とする。

2.土地の更地価額は(課税上弊害がない場合には)借地権設定時以前の「相続税評価額の過去3年間における平均額」とする。

つまり実務上は

「相続税評価額の過去3年間における平均額」×6%=「相当の地代(年額)」

となります。

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2006年5月25日 (木)

難解ですが借地権課税(その4)

今回も確認からです。

借地権取引の慣行のある地域における関係者間での普通借地権(旧借地権を含む)において権利金を支払わない土地の貸借の話を前提にしています。

今回は地主が個人の場合です。

実は地主が個人の場合には原則として認定課税はありません。

原則としてというのはよほどのことがない限り適用を受けることがないと思われる「同族会社の行為計算否認」の適用を受けない場合です。(なお、一点だけ付け加えておきますと「同族会社の行為計算否認」について個人的に問題点を感じているものとして「平和事件(検索をかけて頂ければすぐ出ると思います)」があります。)

従って、相当額の権利金の授受がない場合においても、また相当の地代の授受がない場合においても個人地主には認定課税がまず無いのです。

これを用いて地価が高騰していた頃、借地権者は「地主が代表者を務める同族会社」、地主は「その代表者」として相当の地代を授受するものの土地の価額の上昇に応じての地価改訂は行わないとする「自然発生借地権」を使った相続税対策がよく行われました。

地価上昇額が一定水準までは、地主所有の土地ではなく法人の借地権価額にのみ移行していくことになるからです。

難解となりますので相続税評価については、お勧め本で紹介している「借地権課税実務事典(第3次改訂)」の175から176ページをご覧下さい。

なお、法人借地権者と個人地主間でかなり以前に借地権を設定し、その当時権利金の授受の慣行が無く地代も低いままに推移したときにも「自然発生借地権」が法人に移行していることがよく見受けられます。

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2006年5月22日 (月)

難解ですが借地権課税(その3)

今回も確認からです。

借地権取引の慣行のある地域における関係者間での普通借地権の設定において権利金を支払わない土地の貸借の話を前提にしています。

「難解ですが借地権課税」のその1、その2をまとめてみます。

借地権者と地主の両者が法人の場合に認定課税がないようにする方法は?

まず両者ともに借地権利金の認定課税を受けない方法は

1.地代に関して通常の地代より高額な「相当の地代」を支払う方法。

2.地主と借地権者が連名で「土地の無償返還に関する届出書」を所轄税務署長に提出する方法。

でした。

借地権者である法人はこれで認定課税はなくなりますが、地主である法人は「実際に授受する地代と相当の地代相当額の差額についての認定課税」にとどめることにしていました。

上記のことから、2の「土地の無償返還に関する届出書」を提出するか否かにかかわらず実際に授受する地代が相当の地代であれば、借地権者・地主の両者法人ともに認定課税の問題は発生しないことになります。

但し、相当の地代の改定について事前の届出を含めて注意が必要です。例え今現在において地価上昇局面ではない地域(殆どの場合がそうだと思いますが)で相当の地代を使って借地権の設定を行う場合でも、地価の上昇に応じて相当の地代の改訂を行う旨の届出を「相当の地代の改訂方法に関する届出書」にて行った上でこれを実行しないと地主法人の側に「実際に授受する地代と相当の地代相当額の差額についての認定課税」の問題が生じる可能性があります。

(ここまで書くと「相当の地代」について触れておかなければならないようです。これについては項を改めてまた触れてみたいと思います。)

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2006年5月20日 (土)

難解ですが借地権課税(その2)

今回も借地権取引の慣行のある地域における関係者間での権利金を支払わない土地の貸借の話を前提にしています。なお、その1を含めて定期借地権ではなく関係者間では一般的と思われる普通借地権の設定であることも付け加えておきます。

地主が法人の場合です。原則的な考え方(建前)は、本来受け取るべき権利金を免除した、言い換えると権利金相当額の借地権を贈与したとして、前回同様の権利金相当額を基にした法人税における認定課税をされてしまうこととなります。

ただ、この場合の認定課税の根拠は借地権者が関係法人であれば借地権者に寄付をした、言い換えれば寄付金を支出したとして一定限度額を超えた寄付金の損金不算入部分に法人税が課税されます(寄付金課税とよく言われています)。一方、借地権者が役員であれば役員給与とされ通常は定期同額給与にも事前確定届出給与にも該当せず全額損金不算入として法人税が課税されるとともに借地権者である役員にも源泉所得税の問題が発生します。

しかし、前回同様に税務では地主である法人が相当額の権利金を受け取らなくても「権利金の認定課税」を見合わせるとする方法を2つ認めています。

1.地代に関して通常の地代より高額な「相当の地代」を支払う方法。

2.地主と借地権者が連名で「土地の無償返還に関する届出書」を所轄税務署長に提出する方法。

いずれの方法をとっても地主である法人には「実際に授受する地代と相当の地代相当額の差額についての認定課税」にとどめることにしています。従って、実際に授受する地代が相当の地代であれば認定課税の問題は発生しないことになります。

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2006年5月19日 (金)

難解ですが借地権課税(その1)

私の事務所のある横浜市など首都圏とその近郊地域では宅地を借りてその上に建物を建てる場合には権利金などの借地権の対価を支払う慣行のある地域です。しかし他人同士ならともかく関係者間で建物の所有を目的として宅地を貸し借りする場合にはこの様な権利金を支払わない場合が多いのではないでしょうか。しかし、この様なケースでは借地権課税の問題が出てきて税務の中でも非常に難解な問題が発生してきます。

ここのところ実務で関わっております地主や借地権者が法人(通常は関係会社)の場合の借地権課税における「認定課税」の問題について少し触れてみたいと思います。なお、借地権取引の慣行のある地域における関係者間での権利金を支払わない土地の貸借の話を前提にしています。

まず今回は借地権者が法人の場合です。原則的な考え方(建前)は、本来支払うべき権利金を免除された、言い換えると権利金相当額の借地権を贈与されたとして、その土地の更地価額とその後の支払地代に応じて計算した権利金相当額について法人税(借地権者は法人なので贈与税ではなく法人税です)が課税されてしまうこととなります。これを「権利金の認定課税」と呼びます。この適用を受けてしまうと都市部では結構な課税額になる場合が多いと思います。

しかし、関係者間での建物の所有を目的とした土地の貸し借りは借地権としての価値や権利をお互いに認識している場合は殆ど無く、お互いが単に有効活用等を目的としている場合が殆どのようです。

そこで税務においてもこの借地権者である法人が相当額の権利金を支払わなくても「権利金の認定課税」を見合わせるとする方法を2つ認めています。

1.地代に関して通常の地代より高額な「相当の地代」を支払う方法。

2.地主と借地権者が連名で「土地の無償返還に関する届出書」を所轄税務署長に提出する方法。

いずれの方法をとっても借地権者である法人には「認定課税」という問題は一切生じません。

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